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神林君とキャサリンさん(6)

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神林君とオリーブ星人のキャサリンさんのために作家さん達がブログに書いている小説は嬉しいことに評判が良く、小説のアクセス数が増えるにつれて署名の数もどんどん増えていった。
詩織さんのファンであるわたしは詩織さんの恋愛小説「ハートの渚」の更新をいつも楽しみにしていた。

中世ヨーロッパの架空の国で暮らす王女マリアンヌと近衛兵アラードの恋愛を描いた「ハートの渚」は要約するとこういった小説です♪

「ハートの渚」
中世のヨーロッパの架空の国ディオンは作物が豊富で、ほかの国と平和を保ち、国王を中心にまとまり繁栄していた。国王と王妃のあいだには10人の子供がいて、その5番目の娘、王女マリアンヌはある日、森へ散策へ行った。その帰り、城に着いたマリアンヌは馬車から降りるとき、体のバランスを崩して手にけがをしてしまった。馬車のそばで警護をしていた近衛兵アラードはすぐに自分の服を引きちぎりマリアンヌの手に巻き手当をした。そのとき二人に恋のスイッチが入った。

庶民的な性格をしているマリアンヌと朗らかな性格のアラードは手紙のやりとりをするようになり愛を育んだ。マリアンヌの近しい召使い達は二人の手紙をこっそりと相手に渡したり、二人のデートをまわりから知られないようにセッティングしたりして、マリアンヌとアラードの恋愛を応援した。

ある日、マリアンヌに隣の国の王子との結婚話しが持ち上がった。結婚の話しはマリアンヌの気持ちに反してどんどん進んでいった。王女と近衛兵の結婚は当時、あり得ないことだったのでマリアンヌとアラードは泣く泣く別れるよりほかなかった。

マリアンヌが隣の国へ嫁ぐ前の日の晩、召使い達はマリアンヌの髪を短く切り男性の格好をさせて、アラードといっしょに馬車に乗せ、城から脱出させた。マリアンヌとアラードはお城から遠く離れた海のそばの小さな村で、マリアンヌは別の名前を名乗り、生涯しあわせに暮らした。

(6)おわり
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