24 / 30
24話
しおりを挟む
「・・・和夏。・・・いい、か?」
果ててぐったりしてる俺を見下ろすと、ズボンを下ろし、テント張っている自らの性器を取り出すのだ。
瞬のものをみた瞬間、先ほどまでぼうっとしていた脳が急に冴え、ひゅっと喉が鳴った。
入れられるのは本当にやばいと、本能的に思ったのだろうか。
ーー瞬間。
気付いたら瞬を突き飛ばしていた。
だるかった体を無理矢理動かし、力いっぱいに拒絶した。
そして、布団の上に尻もちを付いた瞬を尻目に、走って自室に戻ったのだ。
部屋に入り、バタンとドアを閉めると、ドアを背にそのままずるずるとへたりこんだ。
もしも拒否をしていなかったらどうなっていたかと、未だドクドク脈打つ胸を抑えながら考えたが、ぶんぶんと頭を振りそれ以上は考えないようにした。
それよりも、明日からどうやって瞬と接すればいいかを潜ったベッドの中でずっと考えていたのだ。
...。
.....。
.......。
頭を悩ませていると、気付けば外は明るくなっていた。
軽く身支度を整えた後に重い体を引きずるようにリビングに行くと、冷蔵庫で何かを探している宮と気まずそうにこちらを見る瞬がいたのだ。
「あ、和夏くんおはよー」
「おはよう」
冷蔵庫を開けた脇からひょこっと宮が顔を出すと、
「あれ、別にいいんだけどさ、冷蔵庫にあったお酒って誰か飲んだ?」
と、俺と瞬を交互に見るのだ。
すると、ソファに座っていた瞬はなぜか俺に目をぱちっと合わせてきたのだ。
「あー・・・、悪い。俺飲んだわ」
「はー?和夏くんならいいけど瞬くんは駄目ー。ちゃんと買ってきてよね」
「悪い悪い」
昨日のこともあり庇ってくれた、ということなのだろうか。
瞬に気まずいながらも申し訳なさそうにに目を合わせると、大丈夫、とでも言うかのようにこちらに目を合わせてくるのだ。
「てかさ、和夏くんクマ凄くない?昨日寝れなかったの?」
急に振られた為、俺と瞬2人で一瞬肩がびくっと震える。
「・・・あー、納期近い仕事やってたら朝になってた」
「まじで?今日は休んだら?」
ちらっと横目で瞬を見やると、再びぱちっと目が合った。
気まずくなりふいっと顔を逸らす。すると、
「・・・大丈夫か?和夏」
とこちらまで近付いて来たと思えば、そのまま顔に手を伸ばしてくるのだ。
ーーーぱしっ
昨日のことがまだ頭から抜けきっていない俺は、反射的にその手を払ってしまった。
「・・・あ、悪い」
「い、や、俺こそ。急に触ろうとして悪かった」
ーー沈黙。
重苦しい空気に耐えきれなくなった俺は、
「あー・・・、これから仕事の打ち合わせあるからもう出る。戸締りよろしく」
とだけ言い残すと、荷物だけを持ってその場を後にし、まるで逃げるかのように家から出たのだ。
「・・・え、なに2人喧嘩でもしたの?」
「・・いや、俺が一方的に怒らせただけだ」
「ふーん・・?」
***
家に帰って来て早々に、自分で飲んだ分の酒を補充していた。
瞬があの後に片付けてくれたであろう、飲み終わった酒の缶が入っているごみ箱の中を確認し、打ち合わせの帰りにスーパーで買って来た。昨晩は意識が朦朧としていて、何を飲んだか全く覚えてなかったのだ。
「あれ、和夏くんお酒飲むんだ?俺に襲われてから懲りたと思った」
リビングの扉からひょこっと顔を出してきた宮に、肩がびくっと震えた。
帰って来ない内に補充しておこうと思い、いつもより早く帰って来たのだ。だが早く補充をすることしか頭になく、宮の靴が玄関にあることを見落としていたようだ。
せめて何の酒を買ったのかバレないように、スーパーの袋から急いで冷蔵庫に移した。
「・・別に、俺だって酒を飲みたくなる時くらいある。お前も今日は随分と早いんだな」
「なんか疲れたから帰って来たんだよね。今日はバイトもないからさ。ーーーん?」
すると、何かを思ったのか、俺の隣に来て冷蔵庫の中を覗くのだ。
ーーまずい。
開いたままの冷蔵庫を背に隠すが、宮と俺とでの身長の差では全くの無意味だった。
俺の肩に手を置き、ひょいっと頭の上から中を覗くのだ。
「ーーーね、和夏くん。何で和夏くんが瞬くんが飲んだお酒買ってきてんの?」
「っ、」
代わりに買ってきただの言えばいいものの、突然振られたことで、言葉に詰まってしまうのだ。
すると、冷蔵庫をパタンと閉められたと思えば、片手を捕まれそのまま背にある冷蔵庫に押し付けられるのだ。
「別にあの時正直に和夏くんが飲んだって言えば良かったのに、何で瞬くんが庇ったのかな?しかもあの時なんか瞬くんと目ぇ合わせてたよね?」
「そ、れは・・・」
「しかも今日君たちなんだかよそよそしいと思ってたんだよね。もしかして、ーーー瞬くんとヤったの?」
もう片方の手は腰に手を回され、唇が触れそうなほどぐっと顔を近付けてくる。
「っや・・・」
ぱっと顔を逸らすと、腰に回していた手で顎を掴み、宮の方を向かせられるのだ。
「ね、まさか和夏くんから誘ったの?酒の力でも借りたのかなあ。でも喧嘩してるってことは合意じゃなかった感じ?」
図星でびくっと体が震えた。誘ったわけではないが、そう捉えられても仕方のないことをしたのは事実だ。
だが、別に俺と宮は付き合ってるわけではないのになぜこんなにも問い詰められているのだろうか。
俺のことが好き、と何度か言われたのも半分冗談だと思っていた。
ーーけど、これはもしや・・、まじなやつか?
「じゃあさ、俺の相手もしてくんない?」
片手を背にある冷蔵庫に押し付けられ、身動きが取れない。
すると、テント張った自らのものをへそにぐりぐりと押し当ててくるのだ。
腹の裏側にまでドクドクと脈打つ宮の熱が伝わり、ぐりっと押される度にきゅうと腹の奥が疼いてしまう俺は、もう手遅れなのかもしれない。
果ててぐったりしてる俺を見下ろすと、ズボンを下ろし、テント張っている自らの性器を取り出すのだ。
瞬のものをみた瞬間、先ほどまでぼうっとしていた脳が急に冴え、ひゅっと喉が鳴った。
入れられるのは本当にやばいと、本能的に思ったのだろうか。
ーー瞬間。
気付いたら瞬を突き飛ばしていた。
だるかった体を無理矢理動かし、力いっぱいに拒絶した。
そして、布団の上に尻もちを付いた瞬を尻目に、走って自室に戻ったのだ。
部屋に入り、バタンとドアを閉めると、ドアを背にそのままずるずるとへたりこんだ。
もしも拒否をしていなかったらどうなっていたかと、未だドクドク脈打つ胸を抑えながら考えたが、ぶんぶんと頭を振りそれ以上は考えないようにした。
それよりも、明日からどうやって瞬と接すればいいかを潜ったベッドの中でずっと考えていたのだ。
...。
.....。
.......。
頭を悩ませていると、気付けば外は明るくなっていた。
軽く身支度を整えた後に重い体を引きずるようにリビングに行くと、冷蔵庫で何かを探している宮と気まずそうにこちらを見る瞬がいたのだ。
「あ、和夏くんおはよー」
「おはよう」
冷蔵庫を開けた脇からひょこっと宮が顔を出すと、
「あれ、別にいいんだけどさ、冷蔵庫にあったお酒って誰か飲んだ?」
と、俺と瞬を交互に見るのだ。
すると、ソファに座っていた瞬はなぜか俺に目をぱちっと合わせてきたのだ。
「あー・・・、悪い。俺飲んだわ」
「はー?和夏くんならいいけど瞬くんは駄目ー。ちゃんと買ってきてよね」
「悪い悪い」
昨日のこともあり庇ってくれた、ということなのだろうか。
瞬に気まずいながらも申し訳なさそうにに目を合わせると、大丈夫、とでも言うかのようにこちらに目を合わせてくるのだ。
「てかさ、和夏くんクマ凄くない?昨日寝れなかったの?」
急に振られた為、俺と瞬2人で一瞬肩がびくっと震える。
「・・・あー、納期近い仕事やってたら朝になってた」
「まじで?今日は休んだら?」
ちらっと横目で瞬を見やると、再びぱちっと目が合った。
気まずくなりふいっと顔を逸らす。すると、
「・・・大丈夫か?和夏」
とこちらまで近付いて来たと思えば、そのまま顔に手を伸ばしてくるのだ。
ーーーぱしっ
昨日のことがまだ頭から抜けきっていない俺は、反射的にその手を払ってしまった。
「・・・あ、悪い」
「い、や、俺こそ。急に触ろうとして悪かった」
ーー沈黙。
重苦しい空気に耐えきれなくなった俺は、
「あー・・・、これから仕事の打ち合わせあるからもう出る。戸締りよろしく」
とだけ言い残すと、荷物だけを持ってその場を後にし、まるで逃げるかのように家から出たのだ。
「・・・え、なに2人喧嘩でもしたの?」
「・・いや、俺が一方的に怒らせただけだ」
「ふーん・・?」
***
家に帰って来て早々に、自分で飲んだ分の酒を補充していた。
瞬があの後に片付けてくれたであろう、飲み終わった酒の缶が入っているごみ箱の中を確認し、打ち合わせの帰りにスーパーで買って来た。昨晩は意識が朦朧としていて、何を飲んだか全く覚えてなかったのだ。
「あれ、和夏くんお酒飲むんだ?俺に襲われてから懲りたと思った」
リビングの扉からひょこっと顔を出してきた宮に、肩がびくっと震えた。
帰って来ない内に補充しておこうと思い、いつもより早く帰って来たのだ。だが早く補充をすることしか頭になく、宮の靴が玄関にあることを見落としていたようだ。
せめて何の酒を買ったのかバレないように、スーパーの袋から急いで冷蔵庫に移した。
「・・別に、俺だって酒を飲みたくなる時くらいある。お前も今日は随分と早いんだな」
「なんか疲れたから帰って来たんだよね。今日はバイトもないからさ。ーーーん?」
すると、何かを思ったのか、俺の隣に来て冷蔵庫の中を覗くのだ。
ーーまずい。
開いたままの冷蔵庫を背に隠すが、宮と俺とでの身長の差では全くの無意味だった。
俺の肩に手を置き、ひょいっと頭の上から中を覗くのだ。
「ーーーね、和夏くん。何で和夏くんが瞬くんが飲んだお酒買ってきてんの?」
「っ、」
代わりに買ってきただの言えばいいものの、突然振られたことで、言葉に詰まってしまうのだ。
すると、冷蔵庫をパタンと閉められたと思えば、片手を捕まれそのまま背にある冷蔵庫に押し付けられるのだ。
「別にあの時正直に和夏くんが飲んだって言えば良かったのに、何で瞬くんが庇ったのかな?しかもあの時なんか瞬くんと目ぇ合わせてたよね?」
「そ、れは・・・」
「しかも今日君たちなんだかよそよそしいと思ってたんだよね。もしかして、ーーー瞬くんとヤったの?」
もう片方の手は腰に手を回され、唇が触れそうなほどぐっと顔を近付けてくる。
「っや・・・」
ぱっと顔を逸らすと、腰に回していた手で顎を掴み、宮の方を向かせられるのだ。
「ね、まさか和夏くんから誘ったの?酒の力でも借りたのかなあ。でも喧嘩してるってことは合意じゃなかった感じ?」
図星でびくっと体が震えた。誘ったわけではないが、そう捉えられても仕方のないことをしたのは事実だ。
だが、別に俺と宮は付き合ってるわけではないのになぜこんなにも問い詰められているのだろうか。
俺のことが好き、と何度か言われたのも半分冗談だと思っていた。
ーーけど、これはもしや・・、まじなやつか?
「じゃあさ、俺の相手もしてくんない?」
片手を背にある冷蔵庫に押し付けられ、身動きが取れない。
すると、テント張った自らのものをへそにぐりぐりと押し当ててくるのだ。
腹の裏側にまでドクドクと脈打つ宮の熱が伝わり、ぐりっと押される度にきゅうと腹の奥が疼いてしまう俺は、もう手遅れなのかもしれない。
15
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
離したくない、離して欲しくない
mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。
久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。
そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。
テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。
翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。
そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら
夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。
テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。
Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。
執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
つまりは相思相愛
nano ひにゃ
BL
ご主人様にイかないように命令された僕はおもちゃの刺激にただ耐えるばかり。
限界まで耐えさせられた後、抱かれるのだが、それもまたしつこく、僕はもう僕でいられない。
とことん甘やかしたいご主人様は目的達成のために僕を追い詰めるだけの短い話です。
最初からR表現です、ご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる