上 下
70 / 113
高嶺の花はおねだり上手/本編その後if

13※

しおりを挟む
 舌の上を這うどろどろとした液を吐き出したくて堪らなかった。
 別人のような弥生を涙が滲む瞳でキッと睨むと、弥生は急かすかのように頬を撫でるのだ。

「ちゃんと飲めたらイかせてあげるけど、どうする?」

 いつの間にか熱くなっていた下腹部を弥生の足でぐっと押されると、腰がびくっと跳ねてしまった。すると弥生はベルトを緩め、ズボンとパンツをずり下ろすのだ。
 すでにパンツには先走りのシミができていて、それを見た弥生は笑った。

「俺の舐めただけでそんなになっちゃったの?兄さんこそ、早く入れて欲しくて堪らないんでしょ」
「·····これ、このままでいいわけ?·····ま、俺は別にいいけど」
「ーーっ、ん·····、ぅ」

 弥生は指先を性器にするっと這わせると、先走りで手が汚れるのもお構い無しにちゅぷちゅぷとしごくのだ。
 口の中のものを思わず飲み込んでしまいそうになったのをぐっと耐え、やめて欲しいと訴えるように弥生の腕にしがみつくと、弥生の動きがピタッと止まったのだ。

「っ·····、」
「·····やめて欲しそうだったからやめたのに、なんかもの寂しそうだね、兄さん」

 弥生の言う通りだった。下腹部が熱くてじんじんする。もっと触って欲しい、イかせて欲しい、その気持ちだけが大きくなっていった。
 そして俺はすがるように弥生の袖をきゅっと掴むと、弥生に見せつけるかのように、未だ口の中にあったどろどろとした液をこくんと飲み込んだのだ。
 そんな俺を見た弥生は一瞬驚いた様子だったが嬉しい、と呟きこちらに向かって微笑むと、ぽんぽんと頭を撫でるのだ。

「本当に飲んだんだ。偉いね」
「っ·····」

 すると弥生は先程飲んだら触ると言っていたにも関わらず、どうしようかなと顎に手を当てるのだ。

「あー·····、でも俺さ、他の男の匂い付けた兄さん抱きたくないんだけど?」
「その匂い、他に誰も気付かなかったみたいだけどさ」

 ーーちゃんと洗ったはずなのに、朝日がいるからと急いでいたせいで落としきれてなかったのか。確かにあれだけヤれば少し流したくらいでは匂いは残ってしまうのかもしれない。
 そんな弥生の言葉に特に驚いてもいない俺を見た弥生はへえ、と呟くのだ。

「匂いが残るくらいヤったわけ、那智先輩と」
「·····てかそもそもさ、そんなに抱いて欲しいなら、自分からお願いしなよ」
「っ、だれが······ッ」
「·····へえ、いいの?これ、このままでさ。·····ま、俺はいいけど、別に」

 先程俺が馬鹿にしたように煽ったからだろう。その仕返しをするかのように、反り勃った性器を指先でつんつんと触られるだけで、腰が甘く痺れてしまうのだ。

「っぁ、ぅ·····」
「ちゃんとお願いできたら、入れてあげてもいいけど」

 尿道の回りをくるくるとなぞられるじれったい感覚に、頭の中が痺れていった。
 もっとぐちゃぐちゃとしごいて欲しい。奥を思い切り突いて欲しい。そんな欲望でいっぱいになった頭の中は、だんだん麻痺していった。

「や、よ·····い·····、さわって、おねが·····、い·······っ」
「ーーっ、ちょ、兄さん·····、」

 今も尚指先だけ性器に触れている弥生の大きな手に俺の手を添え、弥生の手ごと性器を包み込んでしごくと、弥生は驚いている様子だった。
 自分の手ではない弥生の筋張った手に先走りが絡み、ちゅくちゅくとしごくのは腰が浮くほど気持ち良くて、手が止まらなかった。

「っぁ、やよ、い·····、」
「·····ねぇ、俺の手で勝手にオナニーするの、やめてくれる?」
「あ··········、」

 もう少しで達することができたというところで手を押しのけられてしまい、寸止め状態の俺はもう限界だった。
 そんな腰が震えている俺を見る弥生は仕方ないなと呟き立ち上がったと思えば、俺の体がふわっと宙に浮いたのだ。
 驚いた俺はぱっと弥生を見上げると俺を抱き上げた弥生はねえ、と呟くのだ。

「兄さん、お風呂一緒に入ろう?小さいころはよく一緒に入ったしさ」
「·····え、」

 いや子供のころと今では一緒に風呂に入ることは意味がだいぶ違ってくるだろう。
 そんな俺の思考はお構い無しに、こちらに意味深な笑顔を向けた弥生は俺を抱えたまま浴室へと向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

朝起きたら女体化してました

たいが
恋愛
主人公の早乙女駿、朝起きると体が... ⚠誤字脱字等、めちゃくちゃあります

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

山本さんのお兄さん〜同級生女子の兄にレ×プされ気に入られてしまうDCの話〜

ルシーアンナ
BL
同級生女子の兄にレイプされ、気に入られてしまう男子中学生の話。 高校生×中学生。 1年ほど前に別名義で書いたのを手直ししたものです。

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

僕の兄は◯◯です。

山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。 兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。 「僕の弟を知らないか?」 「はい?」 これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。 文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。 ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。 ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです! ーーーーーーーー✂︎ この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。 今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。

3人の弟に逆らえない

ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。 主人公:高校2年生の瑠璃 長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。 次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。 三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい? 3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。 しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか? そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。 調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m

白雪王子と七人の男たちとあれやこれや

ゆめゆき
BL
美しく成長した白雪王子は継母に命を狙われ、森の奥へ逃げ込むことになるが…。 (長くなってしまったのでちょっと分割して投稿します!)

処理中です...