彼氏持ちの高嶺の花は生徒会の玩具

朝果あさ

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最終章

05※

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 那智から聞かされた計画が実行されたのは、俺が2年になってからだ。
 那智と類、そして入学したばかりなのにどうやって生徒会に入ったのか疑問なところではある、咲良の義弟である弥生の3人しかいない生徒会で、追加で一人募集する、という形で生徒会選挙が開かれることになった。
 俺は勉強とスポーツは得意な方で、何なら友人も多かった。今回の選挙では、多くの生徒が俺に投票するだろうと那智は予想した。
 そして那智はそれを逆手に取り、生徒会は不正をしている、生徒会に嵌められて選挙に落とされたと周りに広めろと、俺に言うのだ。
 それは生徒会の信用に関わるんじゃないの、と類が那智に言うと、生徒からの信用などどうでもいい、と奴は言うのだ。
 ・・・こいつ、咲良のことになるとどんだけ見境ないのだろうか。咲良を手に入れる為に生徒会になったのかと思うレベルだった。
 いや、さすがにそれはないだろうが。

 そして那智の目論見通り、なんと生徒の大多数が俺に投票したのだ。かくして俺は那智の言う通りに生徒会に嵌められて落とされたということを、周りに広めた。
 このことを、正義感の強い咲良に言えば俺は知っていた。どうなるかを。
 咲良はいつも真っ直ぐで、曲がったことを許さない奴だ。
 俺が咲良になかなか言えないでいると、那智に母の会社を潰すぞと、俺には金も権力もある、お前の家のことなどどうとでもできると、何度も脅された。
 そして、ついに心が折れかかった俺は、咲良に生徒会選挙のことを話してしまった。
 その後は、すべて那智の手のひらの上で、流れるように、最終的に那智は咲良を手に入れたのだ。











「朝日、俺、知らない間に朝日を追い詰めてたんだな・・・」

 あの後、程なくして警備員に捕まった俺達は、強制的に寮に連れ戻された。
 そして後日、夜中に刃物を持ち出し、騒ぎ立てたことを学校に報告されると、十数日ほどの謹慎の処分を学校から下されたのだ。
 なぜ那智によって退学にされなかったのかは疑問だったが、首の皮一枚繋がった俺達は朝日の部屋で、朝日の口からすべてを聞いていた。

「咲良、それは違う。全部、全部、俺のせいなんだ」

 本当に、申し訳ない、と朝日は何度も俺に頭を下げる。

「・・・俺、知らない間に少しずつみんな離れていって、そんなに俺といるのはつまらなかったんだなって、一人で凄く寂しかったんだ」
「だから、朝日が次の日も話しかけてくれて、凄く嬉しかったのを、今でも覚えてる」
「でも、お前の家族が・・・・・」

 声が、震えてしまう、

 すると朝日は「咲良」と名前を呼ぶと、顔を上げた俺の肩を優しく掴むのだ。

「大丈夫なんだ、もう、俺の家のことは」
「なにが、大丈夫なんだよ、だって・・・」
「ちゃんと、それも説明するから」

 そう言う朝日は、すべて、那智の父が手助けしてくれたと俺に説明した。
 那智の父は、那智が何かを隠していると踏んでいて独自で調べていたらしい。そして、那智が何をやっていたのかをすべて知ったそうだ。
 そして那智の父は病院にいる朝日の母への謝罪をし、多額の慰謝料と会社へも損害賠償を支払ったそうだ。

「多分、那智もあの後謹慎か、親父さんに退学とかにさせられたんじゃないか?俺も、親父さんには何度も謝られたよ」
「そ・・・、っか」

 肩の力が抜けた俺は、ぽすん、と朝日の肩に顔を乗せた。
 すると朝日は俺の背に腕を回すと、力強く抱き締めるのだ。

「・・・俺が夜中に生徒会室に咲良と那智がいることを知ったのは、お前の弟が教えてくれたからなんだ」

 ぱっと顔を上げると、朝日と目が合った。

「弥生が・・・?」
「ああ。・・・本当は、あいつが助けに行きたかっただろうな。でも、俺に行けって、あいつが言ったんだ」
「でも・・・、俺は那智に名前を呼ばれて、手を止めちまった。結果、お前に傷を付けることになった」

 朝日は、先ほど消毒をしたばかりの頬と首に、労るように優しくちゅ、ちゅ、と口付ける。
 久しぶりの朝日の体温に、それだけで体が溶けてしまいそうになる。

「っあ、さひ・・・、っぁ・・ッ、」

 すると、朝日は腰から下にかけて手をするっと滑らせるのだ。

「・・・ぁ、」
「ごめん・・、咲良。・・・触っても、いいか?」

 ズボン越しに閉じた場所を撫でられると、あまり焦れったさに身をよじる。
 中に手を差し込むと、つぷぷっと、少しずつ指を埋めるのだ。

「ひ・・ッ、・・・も、触ってんだろ・・、あっ・・」

 朝日の背中にしがみ付き、朝日の指が中をまさぐると、途中で指がぴたっと止まるのだ。

「・・あ、さひ?」

 抱き着いている体勢のせいで、朝日の顔が見えない。どうしたんだろうか、さっきから何も言わないし。

「どうしたーーーっひぁ・・ッッ」

 体を持ち上げられたと思えば、朝日の膝に座らされ、あまり解されていない股の奥に性器が押し込まれるのだ。
 しかもこの体勢、俺の顔が丸見えでめちゃくちゃ恥ずかしい。
 尻を鷲掴みにされ、ぐぷっぐぷっと朝日の性器に沈められては持ち上げられ、ピストンを繰り返される。
 あまり慣らされていないにも関わらず、久しぶりの朝日の感覚に、溺れてしまいそうになる。

「あ、・・ッ・・、ぁ・・ぅ、・・ひ・・、ぁ・・ッ、ぁ」
「・・咲良、他の奴にもそんな顔見せたの、俺のせいだけど、ムカつく、本当・・、」
「もう、俺だけの咲良だから。触らせんなよ、誰にも。お願い、咲良、」

 消え入りそうな声で、俺に懇願する朝日は、相当不安だったのだろう。それはそうか、恋人が何度も他の奴らに犯されて、嫌なわけがない。
 俺が、朝日を、埋めてあげなければ。

 肩に手を乗せると、こちらに顔を向ける朝日にちゅっと口付けた。
 すると後頭部に手を回され、頭を固定されると唇に舌を這わせてくるのだ。朝日を受け入れるかのように口を開けると、奥にある舌が捕まってしまった。
 くちゅくちゅと絡まると同時に、朝日の先が中の凝りを解すかのようにぐちゃぐちゃと打ち付けてくるのだ。

「んっ、ぅ・・、ん・・ッ、んん・・・ッ、ふ・・、ぅ・・、」
「っん、・・・咲良、可愛い。俺の咲良、可愛い、可愛い」
「っぁ、あ・・、や・・・ッ、あ・・・さひ・・・、ぁ・・っ、も、・・いく、・・から・・ぁ・・ッ」
「ん、イって、咲良。見ててあげる」
「ひ、・・ぅ、・・や・・、みな・・い・・で、・・っあ、・・いく、・・いく、いく・・、ぁ・・ッッ」

 朝日に見られながら、朝日の腕の中で達したと同時に、最奥の壁に打ち付けられた朝日の性器が震えるのだ。
 どくどくと、奥に流れ込んでくる熱い感覚が、なんだかとても幸せで、ずっとこうしていたいと思ってしまったのだ。








 謹慎中、弥生から何度か連絡がきていた。
 一つは、那智が退学になったこと。
 もう一つは、生徒会が解散になったこと。那智が朝日にしたことを重く受けとめた学校側は、生徒会の役員を、一から再構成することにしたらしい。
 朝日が生徒会に陥れられたことから、不正がないように、完全に指名制だそうだ。指名が多かった生徒が生徒会入り、ということになるらしい。
 
 不正がないように、教師がチェックするようで、先日、その集計が終わったようなんだが、

「ーーあ、・・・朝日が生徒会長・・・?!」

 電話越しの弥生に
「に、兄さん・・、声が大きいよ・・・」
と注意される。あ、ごめん・・と弥生に謝ると、俺から離れたところにいた朝日は俺の声が聞こえたらしく、
「は・・・?俺が、生徒会長・・・??」
と、ぽかんと口を開けていた。

「いや、兄さん、まだ話終わってないからね?」
という弥生にごめんごめん、再び耳を傾ける。もー、と息を吐く弥生に再度謝ると、俺はまたしても驚愕したのだ。

「兄さんが副会長だってさ」
「・・・・・・え、」

 聞き間違い、ではないよな?俺が、生徒会の、副会長・・・?

「ま、ままままま・・・ッま・・・・・?!?!!」

 すると、またも電話越しから深いため息が聞こえた。

「ちょ、兄さん、本当落ち着いて。他にも話がーーー」

プツッ、ツー、ツー・・・

 興奮のあまり、間違えて通話を切ってしまった。・・多分これ、弥生めちゃくちゃ怒ってるな。
かけ直そうとすると、どすん、と朝日が後ろからのしかかってくるのだ。

「・・・俺が生徒会長ってさ、めちゃくちゃ嬉しいんだけど、・・・咲良との時間、減るの嫌だな」

 そう言う朝日は、俺の肩に顔をぐりぐりと押し付けるのだ。
 そんな朝日の頭を撫でながら、
「・・・そのことなんだけど、」
と、俺が含みある言い方をすると、勘のいい朝日はその意味を汲み取ったのか、
「・・・え、もしかして、」
と呟くのだ。

「・・・俺、副会長だって」
「・・・・・・・まじ?」

 一瞬、2人で固まった。が、次の瞬間、
「まじか・・・っ!!」
ぎゅうう、と朝日は思い切り俺を抱き締めるのだ。

「やばい、超嬉しい」
「俺も、嬉しい」

けど、と呟くと、朝日は首を傾げるのだ。

「一応、俺達、謹慎中だよな・・・・・?アリ、なのか?」
「謹慎中だろうがなんだろうが、それが全生徒の総意なんだろ。いーんだよ、細かいことは気にしなくて」

 な、と笑う朝日を見ると、なんだか俺も釣られて笑ってしまった。
 不安はないことはない、けど、

 ーーーまあ、いいか。朝日がいるなら。

 これからどんなことがあっても、朝日となら怖いことなんかないだろう。
 そしてこれからの期待を胸に、遂に、謹慎が明けたのだ。









「・・・いいか、朝日。開けるぞ」
「いいって。どうせ俺ら2人しかいないんだからさ」
「・・なんかちょっとさ、怖いから、手、繋いでいいか?」

 すると、なんだよそれ、と笑った朝日は俺の手をぎゅっと握るのだ。

「ほら咲良、開けるぞ」
「・・・ああ」

 これから、俺達の新しい学校生活が始まるんだ。希望と期待、それと少しの不安を胸に、扉をゆっくりと開ける。

 その先に見える光景は、とても光り輝いているのだろうーー

「ーーは?どうせそれ"も"那智の妄想でしょ~?」
「妄想じゃない!!しかも"も"ってなんだ!"も"って!!」
「本当なんだ・・!!「那智先輩、もう、俺、我慢できない・・♡早く入れて・・・♡♡」と、確かに咲良は俺に言ったんだ・・・!!!」
「はい嘘乙~」
「ついに夢と現実の境目が分からなくなったんですか?」
「結城、別にいいでしょ。夢くらい見させてあげても」
「お前達・・・、俺が生徒会長じゃなくなったからって急に手のひら返しすぎなんじゃないか・・?!」

 ーーー前言撤回。不安しかない。
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