高卒できなかったわたしは今日も時間が巻き戻る

赤衣 桃

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ナイトプール

2話目

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 すぐに目を開いたユニと悪びれた様子のない白髪の男の視線がぶつかる。口内に侵入してきた彼の舌の猥褻わいせつな動きに翻弄されてか彼女はされるがまま。
「んぅっ」
「抵抗しなくて良いの? お姉さん」
 ユニの左右の小さな手を包みこむように握り、白髪の男は再びキスをする。目を細めている彼女を冷ややかに彼は見下ろす。
 たっぷりと時間をかけてキスを堪能し、ふらつくユニの肩を白髪の男は抱き寄せた。
「それではエスコートさせてもらいますね」
 今まで経験した覚えのないキスで混乱をしているのか上機嫌に口笛を吹く白髪の男にユニは左肩を抱かれて、イフェメラル内でも一際目立つ五重塔のある方向へ引きずられていく。
 ミッドミッドナイト期間限定で借りられるスペシャル個室の鍵をもらうためか白髪の男とユニは五重塔の中に入った。
 手際良くカード払いを済ませ、フロントにいた女性の店員から白髪の男は四番の鍵を手渡される。

 五重塔から和モダンな瓦屋根の平屋にユニを連れこむと白髪の男は鍵とドアガードをかけた。ビーチサンダルを脱ぎ捨てて、二人は木目調のクッションフロアの上を裸足で歩く。
 ユニの逃走を警戒しながら白髪の男が遮光カーテンを開ける。全面ガラスがはめこまれた東障子からプールで写真撮影を行うネイビーの水着姿の女性が見えた。
 室内プールやL字のレザーソファーにはしゃぐ白髪の男と違い、ユニは部屋の開放感を気にしている。
 ベッドがないから、このソファーで今日初めて会ったばかりの男の人とエッチを。
 白髪の男と不意に目が合い、顔を逸らしたユニは足早に東障子のほうへと移動した。
 慌ててユニが遮光カーテンを閉めようとすると白髪の男が彼女に近づき、元の状態に戻してしまう。
「恥ずかしがらなくても、マジックミラーだからあっちからおれたちの姿は見えていない」

 正面から白髪の男に左手だけで首を絞められてしまいユニの動きがとまる。なんとか呼吸をしている彼女の姿を見てか、彼がにんまりとする。
「お姉さんのピンク系の乳首はここだよね」
 寸分の狂いもなく水着越しに乳首を力強くつねられてユニは甲高い声を上げるが東障子の向こう側にいるネイビーの水着姿の女性はぴくりとも反応しなかった。
「今みたいな可愛い声で鳴いても、ここなら誰にも迷惑はかからないから好きなだけ叫んでオッケー」
 乳首の甘い痛みに痺れているユニに優しく声をかけ、白髪の男は彼女から奪った黒色の防水ポーチを出入り口の近くに投げ捨てた。
「ひゃうっ!」
 無遠慮に背後から抱きついた白髪の男の両腕がユニの餅肌に触れる。びくつく彼女の初々しいリアクションを見てか彼がほほえむ。
「そこの高級そうなソファーに座って、ゆっくりとくつろぎますか。立ちっ放しでお姉さんも疲れたでしょう」
「触ら」
「お姉さんほどの胸の大きさだったら肩が凝ったりして大変だろうし。たまにはゆっくり休ませてあげないと」

 聞く耳を持たず、一方的にユニの負担を軽くしようとしてか白髪の男の両手が豊満な乳房を持ち上げるように触ると彼女は頬を赤らめた。
 逃げようと懸命に抗いながらもユニは白髪の男に色白で程良い肉付きの身体をまさぐられている。彼の左隣で密着するように彼女は強引にレザーソファーに座らさせられた。
 名前も知らない男の人に触られて……気持ち悪いはずなのにこんなに身体が熱くなるなんて。
 白髪の男の厚めの胸板を小さな両手で押して、ユニが彼から距離をとろうとする。
「相変わらずお姉さんは優しいね。けど、もっと本気でやらないとここからは逃げられないよ」
 ユニの後頭部に左手を添える白髪の男との何度目かのフレンチキスは静かな室内に淫らな音を響かせる。短い黒髪を左右に揺らしていたはずの彼女が緩やかにまぶたを閉じていった。



「お姉さん、名前は?」
 舌を引き抜き、隣に座るユニの肩を左手で抱き寄せて白髪の男が囁く。彼の澄まし顔を彼女が睨み上げる。
 質問に答えてもらえないままユニにそっぽを向かれたが白髪の男は心を痛めた素振りもなく、むしろ従順ではない彼女の態度を楽しんでいる様子。
「了解。声を出したらお姉さんの負けゲームだね」
 白髪の男に太腿ふとももをさすられて、びくつきながらも唇を真一文字に結ぶユニが彼の大きな右手を押さえこもうとするも無駄。不意に彼女が右耳を舐められた。
 くすぐったそうにユニは顔を逸らすも白髪の男が勝手に提案したゲームのルールに従ってか律儀に彼女は口を閉ざし耐えている。

 ぷっくりと柔らかなユニの唇をなぞるように白髪の男の舌先が動き、挨拶代わりと言わんばかりに彼女に軽く口づけをした。
「いぅっ」
 いきなり太腿を平手で叩かれて驚いたユニが白髪の男の顔をおそるおそる覗きこむ。はっと思い出したように慌てて彼女が両手で自分の口を塞いだ。
「お姉さんの負けなんだから名前を教えてほしいな」
「あなたが勝手に提案をしただけで、ゲームに参加していたつもりはありません」
「ぐうの音も出ない正論だと思うけどお姉さんもゲームを楽しんでなかった?」
 首を横に振り、否定をするユニの態度を面白がってか白髪の男に笑みが浮かぶ。
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