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第三章 ギルド結闘編
第99話 勝つのは僕たちだ!
しおりを挟む橘さんは僕たちの周りに高さは約二メートルくらいある岩を投げつける。
僕たちの視界を奪う気か。でも、そんなことしたら、橘さんも見えないはずだぞ。
すると、橘さんは巨大な腕で岩を上半分を次々と壊していく。
「ーー『ストーンスピアー』!」
続けざまにスキルを放ってくる。
「そうはさせないよぉ! 『煌めく星』!」
「降り注げ! 火の雨よ。『驟雨灰燼《しゅううかいじん》』
「ーー『アクアトルネード』」
ヒロさんたちは、ストーンスピアーと降ってくる岩を壊してくれた。
トゥビーさんのアクアトルネードも前と比べて、威力が上がってきている気がする。
これなら、恩寵を発動してなくても大丈夫そうだな。
「トワ君! ジークさんから申請きたから変わるね! あとは派手にやっちゃってー!」
多分ジークさんは、司令塔の使い方を知らないなぁ。さすがに一回じゃ、覚えられなかったか。
「はい! ありがとうございました! あとはお任せください!」
ヒロさんは元気よく手を振りながら去っていった。
「何をするか分かりませんが、そう簡単にはさせませんよ。『ストーンハンマー』!」
「ダメージカウンター」
攻撃を受ける前に小さな声でそう呟いた。
僕はダメージを受けながら吹き飛ばされる。
「挑発!」
僕は橘さんに挑発をかける。
橘さんは『グランドスピアー』や拳で殴りかかってくる。
僕はそれを全て受け切る。HPが減れば、ルナさんの回復魔法やヒロさんの『回復カプセル』の援護を受けて耐えきる。
しかし橘さんの手は緩まない。挑発の効果が切れると、透かさずトゥビーさんに攻撃を狙う。
「ダメージカウンターを狙っているんですね。
ーーしかし、このゴーレムに当てても、ただの泥や岩。僕やギルドガーディアンにダメージはありませんよ!」
「知ってますよ。僕が狙うのは……橘さんとギルドガーディアンです!」
「ほう。では、どう当ててくるか楽しみにしておきましょう」
「分かったところで、この一撃は避けることはできません!」
橘さんの言葉にそう返しながら、アイスウルフに乗る。その背にさらにトゥビーさんを乗せ、フィールドを駆ける。
橘さんは力を溜める。そして、その巨大な腕をルチアに標準が合うように伸ばす。
狙いはルチアに変わったか!
「これで終わりです! この一撃で沈めます。これで僕たちの勝ちです」
「いや、勝つのは僕たちだぁ!」
「ーー『岩魔砲《がんまほう》』!」
「イタズラモグラ! 今だーー!」
僕がそう言うと、橘さんが立っている地面が崩れ、地面に巨大なゴーレムの膝当たりまで綺麗に埋まった。
橘さんの放とうとした『岩魔砲』はゴーレムの顔あたりで爆発を起こす。
まあ、どこが首でとか胴体とか分からないんだけども。
その落とし穴を掘ったのは二匹目の召喚獣のイタズラモグラ。
鋭い爪で地面を削って落とし穴を作ったり、相手の背後に回り攻撃を仕掛けたりするのが得意な召喚獣だ。
ルナさんのフラッシュボールの時にアイスウルフと一緒に召喚していた。
トゥビーさんを狙うと踏んでいて、フィールドの中央に移動するように仕掛けたのだ。
「ーー『サステナブルエフェクト』! では、みなさん! トドメといきましょうか。作戦開始!」
「「はい!」」
「「おう!」」
僕は一つの魔法を唱えた。
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