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第三章 ギルド結闘編

第84話 ギルド対抗戦・本戦トーナメント開始!《前編》

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 あと少しで、ギルド対抗戦・本戦トーナメントが行われる。
 橘さんの試合を見に行きたいけど、同時刻に別のルームで僕たちも試合をするので、基本的に見に行けない。
 こちらの試合が早く終わり、橘さんの試合が長引けば話は別だが……。

 色んな作戦を考えた。奥の手はあるが、それは橘さんとバトルする時に取っておきたい。
 奥の手を見せずに残りの対抗戦は勝利しなければならない。

 僕たちの第一試合の対戦相手は、『皇帝なる隼』というギルド。
 それしか情報がないので、どんな相手かは分からない。
 不安もあるが、何よりみんなと戦えることが楽しい! 必ず勝ち進んで優勝してみせる!

 そして時間になったので、僕たちはギルドロビーに移動して、今回の作戦を伝えた。


 今回はヒロさんが司令塔をして、僕はフィールドに出る。ルナさん1人のサポーターで僕は守護獣の警戒に入る。

 やがて、対抗戦の始まりの合図が響く。と、同時に、ザーハックさんとジークさんが前進する。
 相手のステータスを見てみると、レベルとステータスが高い。理想のステータスで、良い装備も揃っているように見える。
 
 相手の構成は、ビショップ、スナイパー、ウィザード、パラディン、ウォリアーの5人で、守護獣は騎士《ナイト》型だ。
 
 ザーハックさんとジークさんは、相手の守護獣に攻撃を仕掛けるも、相手のパラディンに止められた。
 二人同時の攻撃を一つの大剣で受け止めるとは……あのパラディンすごい。
 相手のウォリアーとスナイパーが僕の方向に走ってきた。接近のウォリアーと遠距離のスナイパーに連携されるとかなり厄介だ。
 
 パーティーのボイスチャットでヒロさんの指示が聞こえてきた。

「うちの守護獣にウォリアーとアーチャーが接近中! トゥビーちゃんは、トワ君のフォローに行ってあげて! ルナちゃんは近づいてくる相手に牽制を!」

「了解です!」
「了解ですわ!」

 早めのフォローすごく助かる! 敵を守護獣から早めに遠ざけたい!
 ルナさんは『フラッシュボール』などで、相手のウィザードを牽制する。

「トゥビーさん、あのウォリアーの動きを止められますか?」

「任せてください!」

 僕の問いかけにトゥビーさんは力強く返事を返してくれた。
 トゥビーさんは手を地面につけながら言った。

「ドリアード様には遠く及びませんが。ーー安らぎを与える植物よ、木々の力と交ざりて、対象を捕捉せよ! 『ボタニカル・キャプチャー』!」

 言い終えると、地面から細長い、複数の植物が現れた。
 その植物はウォリアーの男性を縛りつけた。

「うおぉ!? 動けねぇ!」

「いきますよぉ! えい!」

 トゥビーさんは植物を自在に操りウォリアーの人を宙に浮かせ、叩きつける攻撃を連続でおこなった。

 弓の女性が、植物を切ろうとしてるのが分かったので、僕はその女性にスキルを放った。

「『挑発』!」
 
「か、体が……勝手に……。うぅぅ」

 挑発の効果を受けたスナイパーの女性は、植物に標準を合わせていたが、徐々に腕が下がっていき、やがて、僕に標準が向いた。

「ソルジャーのスキルか! では、お望み通り! 攻撃してあげる! 『リンゲージショット』!」

 連続で放たれる矢を僕は剣を盾にしてガードする。
 そうしていると、トゥビーさんがスナイパーの女性を植物で拘束した。よく見ていると、ビショップの男性も拘束していた。
 このスキル……対抗戦で最強なのでは? 一人で複数人を拘束できるのであれば、人数有利を作れる。

「トゥビーさん! ナイスフォローです! このまま耐えて下さい!」

「わ、分かりましたぁ、頑張りますぅ!」

 トゥビーさんはMPを持たない分、魔力を消費しているので、大変だと思う。
 申し訳ないけど、ここは耐えてもらおう!

「行くよ、ルチア!」

 このルチアは僕たちのギルドの守護獣のフェアリーの名前だ。女性陣が考えて名前をつけていた。多分、発案者はヒロさんだと思う。

 トゥビーさんに耐えてもらっている間に、ルチアを守りながら僕は、敵軍に突っ込む。
 ヒロさんからチャットが飛んできた。

「いいねぇ! みんなで攻めちゃえーー!!!」

 ヒロさんは『ギルドダークキャノン』を発射した。
 ダークキャノンは守護獣を守っていた、ソルジャーに向かっていった。
 ソルジャーの男は避けようとしたが、ジークさんは持ち前の機動力で、そのソルジャーの逃げ場をなくし、ザーハックさんは持ち前の怪力でソルジャーの男を取り押さえた。
 
「このままくらっちまいな!」

「や、やめろ! は、離せぇ! う、うわぁぁぁっ!!!」

 ダークキャノンはジークさんとザーハックさんの機転でソルジャーにフルヒットした。
 耐えた、ソルジャーの男は守護獣に指示を出す。

「こ、この二人を分断させてくれ!」

 相手の守護獣はジークさんに攻撃を仕掛けるが、ジークさんは攻撃を交わし、スキルで反撃にでた。

「ドラゴンスピアァァ!」

 ジークさんの攻撃で相手の守護獣は吹き飛んだ!
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