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第三章 ギルド結闘編
第66話 イベントストーリークエストその5
しおりを挟む【EXS1-5 終焉を阻止する希望の矢】
[民は絶望して嘆き、王国への信用はなくなりました。
そして、暗黒の神が攻撃を仕掛け、この世の終わりを悟ったその時でした。
遥か彼方から、虹色に輝く一人の者が姿を表したのです! 二人の戦いは大陸全土に及ぼすほどの激しい戦いとなりました。
虹色に輝く者は最後の力を振り絞り虹色の矢を放つ。その一撃に暗黒の神はもがき苦しみ消滅したのです。
虹色に輝く者のおかげで平和を取り戻すことができたのです。
皆が気づいた時には、黒く染まっていた空には、綺麗な虹がかかっていました]
国民たち
「もう終わりだ……。この国はもう時期滅ぶ……」
「あの勇者ども……裏切りやがった」
「おい! 暗黒の神が動き出したぞ!」
「王族たちも、こうなるのを分かっていて、俺らを見下していたに違いない」
「喋ってないで逃げろ! 死ぬぞ!」
最後のセリフを聞き終わると、目の前には、暗黒の神と呼ばれていた、黒い球体があった。
そして、球体が変形しながら、纏っていた闇も徐々に剥がれていく。
だんだんと、姿を見せる暗黒の神の正体。
空を覆う巨体。怪しく光らせてる赤い瞳。所々に七つに光る、黒い結晶。長く伸びている黒爪。黒光りする七つの角。
エタドリのゲームプレイヤーなら、見覚えのある神がそこにはいた。
「あ、あれは……。【暗獄神エレボタロス】!? いきなり、ラスボスのおでましか!?」
でもよく見たら、何か違和感を感じる。翼がない?
でも、それだけではない気がするけども。
突如、近くでパタンっと何かが落ちる音がした。
視線を下に向けると、泡を吹いて倒れているハニポンだった。
僕は、ハニポンを落ちないように肩に乗せる。
その魔物の名前を確認すると、【暗黒神エレボタロス】と表記されていた。
エレボタロスが魔力を解放すると、地が砕け散り、雲は塵《ちり》ひとつ残さず消え去った。
そして、イベントボス用のBGMが鳴り響く。
これから、エレボタロスと対決か。さすがにレベルは調整されているよね?
対策とかしてないよ……。てか、空にいるから、攻撃手段がアイテムしかないのですが……。
エレボタロスに近づき一応、『魔力《マジック》放出砲《キャノン》』を取り出し打ってみた。
攻撃は当たったが、ダメージは0だった。はい。詰みました。勝てませーん。無理ゲーだぁ!
【ダークネスワールド】
『ダークネスワールド』は、『ダークフィールド』系のスキルの上位互換となる。
ダークフィールドは、闇属性スキルの威力を20上昇し、光属性スキルの威力を20低下させる。
さらに、闇属性の属性値が10以下の場合、回復量を10%ダウンする。
ダークネスワールドとなると、威力は30上昇になり、闇属性の属性値が15以下の時、回復量が50%ダウンに変わる。
エレボタロスは、闇属性のスキルを好んで使う。
フィールドを支配し、デバフや特殊なデバフを付与しながら戦うのが得意としている。
【ダークネス・ジャッジメント】
エレボタロスが大技の準備を始める。
『ダークネス・ジャッジメント』は、五からカウントダウンが始まる。
カウントが0になると、暗黒の力を解き放ち、敵を即死させるエレボタロスの必殺技の一つだ。
光属性の攻撃でダメージを与え続けることで、攻撃をキャンセルできる。
が、しかし、僕には光属性の攻撃スキルは持ち合わせていない。
よって、僕は即死するだろう。もうどうしようもできないので、気絶しているハニポンが巻き込まれないように削れた岩の上に置いた。
カウントダウンが始まった。
カウントが『一』になり、終わりを悟った僕の前に、突如、虹色に輝く一つの光が横切った。
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