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第三章 ギルド結闘編
第64話 イベントストーリークエストその3
しおりを挟む数日後。
王室に四人の勇者が姿を現した。
剣使いの勇者
「大陸の危機とお聞きし、我々、馳せ参じました」
王様
「おぉ、勇者よ。遠路はるばるご苦労だった」
弓使いの勇者
「いえ、私たちの仲ではありませんか」
杖使いの勇者
「王よ。我々には勿体ないお言葉です。ご用件をお聞かせ願えますか?」
王様
「そうじゃな。諸君も知っての通り、この大陸に突然、暗黒の魔物が現れて、大陸をこの国を闇に染めてしまった。
今回集まってきてもらったのは、他でもない。あの、魔物たちの殲滅をお願いしたい」
魔道具使いの勇者
「そんな事でよろしいのですか? それでしたらすぐに準備を整え出発しましょう」
剣使いの勇者
「おい、勝手に仕切るんじゃない。それに、最後のセリフは俺のセリフだ」
王様
「まあまあ、いいではないか。
勇者殿たちには期待している。気をつけて行ってきてくれ」
勇者一同
「はい! 必ずやこの国のために勝利を!」
場面が変わり、闇の眷属との戦闘画面へと変わる。
勇者と僕たちプレイヤーが共闘し、闇の眷属と戦闘をするらしい。
相手のレベルは8~10か、弱いな。
目の前に現れた魔物を勇者たちと、ともに見事討伐した。
僕は興味本位で、勇者に話しかけてみた。
だが、勇者からの返答はなかった。
《何度も暗黒の神の眷属との戦闘を繰り広げ、平和を取り戻した勇者一同。
平和の象徴として、彼らは、【四天の勇者】と呼ばれるようになりました。
国民たちは、四天の勇者たちへの感謝を忘れないように、銅像を作り讃えました》
貴族
「おいおい、本当に討伐しやがった。このまま、平和が続けば、我々の身分が脅かされかねん」
「追放する事も可能だが、あの力を手放すのも惜しい。
どうにかあの力を我々の手中に収めたい。いずれ使い道はあるだろうしな」
「また、暗黒の神、本体が攻めてくるか分からんしな」
「それにしても、あの勇者の力を一つにしたらもう、最強なのではないのか? まあ、さすがに無理か。あはは」
科学者
「四人いることが、恐怖なのであれば、数を減らすため、勇者様のお力を一つにしましょう。ケッヘへ」
貴族
「数を減らす? 簡単に言うが、一人でも強いのに我々が勝てるはずがないではないか」
科学者
「ケヘヘ。勝つ必要はありません。
まあ我々に任せてください。我々のコマにして差し上げますよ。ケーっへへへ」
国民
「四人の勇者様ーーー! この国のために戦ってくれてありがとうーーー!」
「これでまた、平和に暮らせるわ!」
「そうだ! 四人の勇者様だから、【四天の勇者】と呼ぶ事にしよう! 平和の象徴のため銅像を作ろう!」
「それはいい! また、闇の眷属たちがきても四天の勇者様がいれば安心だ!」
少し長かったな。最後の貴族たちの会話が気になるところだ。
「ねぇ。ハニポン。本当にこれ、ラブコメなの? 今のところ、そのエモさってやつを感じないんだけど」
「おかしいなぁ。あーしが見た時こんなんじゃあなかったんだけどなぁ。
でっもぅ、最後のシーンとか、バイヤーからのやばたんなんだからねぇ! きっと度肝を抜かれるよぉ」
ハニポンが見たやつは二回目のイベントストーリークエストの可能性もあるよね。
最後のシーンが流れ始めた。
イーリス姫はベットに座り、剣を持った男性が膝をつきながら、手と手を握り合っていた。
あれは、イーリス姫と剣の勇者?
あの二人は恋人同士なのかな?
お菓子でテーブルを囲んで、二人でお茶を飲んだり、楽しそうにお話している。
まさか、あの王子様がヴァンパイアなのか!?
これからどうなるのか楽しみだな。そんな事を思いながら報酬を貰い、次へと進む。
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