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第三章 ギルド結闘編
第59話 呪われた制度
しおりを挟むドリアード様の話は続く。
「人間族は、仲間であるエルフ族に死んでほしくない思いで、その制度を利用させたの。
そして、その制度を使用したエルフ族のスキルや能力が制限をかけられたせいで、エルフ達が弱体化してしまったわ」
「その制度を利用したら、エルフ達が弱体化するんですか?」
「そうね。結果的に弱体化したわ。
元々、物理的な力がないエルフは魔物を倒せず、死んでいくだけ。
もちろん生き返るんだけど、魔物を倒せるほど力がないから、レベルを上げられずに魔物に挑んでも負けてしまう。
そして、いつの日か人間の恩恵を受けた者は呪いにかかると伝わるようになり、エルフ族は徐々に人間との距離を取り、心も閉ざしていくようになったの」
それは、心を閉ざしてしまうな。そんな意図がなかったとしても、エルフの人からしたら辛いだろうし、呪いと言われても仕方ない。
昔にそんな事があったんだ。だから、アイヤさんたちは、僕たち人間を毛嫌いしていたのか。
今なら納得できる。 人間が申し訳ないことをしてしまったな。
でも、その時の人間の気持ちも分からなくもないし、何か複雑な気持ちになる。
「そう……なんですね。エルフ達からしたら嫌ですね」
「まあ、仕方ないのよ。
まとめると坊やが見た、職業やレベルがあるエルフは、昔、人間族が開発した制度を使用した者で、何もないエルフは制度を使用してない者になるわ。
でもそれは、エルフ族に限った事ではないけどね」
その話なら、魔人族や獣人族にも適応できるだろう。今でも、利用している可能性は高い。
まあ、まだエルフ族と獣人族、竜人族しか見たことないけど。
「嫌った理由は、その制度を呪いと称し人間がエルフ族を罠にはめたと思っているからなの。
もちろん、今の子たちに人間は悪気があった訳じゃないとは言っているんだけどなかなか分かってくれなくてね……」
リーフィスさんは手を口に当て、驚きの表情を見せている。
その瞳には涙が少しでている。
本当に、心から優しい人なんだな。もらい泣きしそうだ。
僕は色々な感情を抑え、口を開いた。
「なるほど、色々あったのですね。ありがとうございます。
それは、悪態突かれても仕方ないですよ。
あ、あと、最後に確認したいことが一つあります!」
「どうしました?」
「失礼な言い方になりますが、現住人であるリーフィスさんたちには、職業やレベルがありますが、そんな人たちがHPが0になって死んでしまったらどうなるんですか?
ちゃんと、教会で生き返るんですか?
あと、そのシステムの恩恵を受けれる条件って分かりますか?」
「えぇ。もちろん。教会で生き返ることができるわ。
仕組みに関しては私も良く知らないんだけどね。
条件は、ギルド会館で冒険者登録をすること。それだけらしいわ」
ちゃんと、リーフィスさんたちも教会で復活する事ができるのか。それを聞いてホッとした僕だった。
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