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第三章 ギルド結闘編
第57話 サブ職業
しおりを挟むジークさんとルナさんは修行へ、ヒロさんは、ギルド会館の依頼を受けに向かっており、
やる事のない僕は、余った『音奏魔獣メロディアス』の素材で、何か作成できないか一覧を見ていた。
なぜかと言うと先程、システムのアップデートがあり、『サブ職業』が追加されたのだ。
この機能はゲーム時代のエタドリにも存在した。『鍛冶職人』や『シェフ』などの『サブ職業』がある。
これらは、期間限定で実施される、『資格試験』をクリアしなければならない。
十問の問題が出題され、その内の八問を正解すれば合格となる。
『サブ職業』は、直接戦闘では効果は発揮しないものが多いが、戦闘に役立つアイテムやバフなどの付与ができるため、何かと役に立つ。
例としてあげると、『鍛治職人』は、自分で装備やアクセサリーの作成ができるようになる。
それらを装備すると、ステータスを伸ばしたり、スキルを得る事ができる。
もちろん、NPCの鍛治職人に頼むことは可能だ。
自分で作成したり、NPCに作成してもらったりする際は、それぞれにメリットやデメリットが存在する。
自分で作成する際に、一番のデメリットと言えるのが、失敗する確率があること。
まあ、熟練度レベルを上げれば、失敗するリスクは減るが、それまでに行き着くのが大変だ。
そして何より、作成までに時間がかかる。物によって様々だが、レア度の高い物となると、数日か数週間、最悪数ヶ月かかることも……。
メリットは自分の腕が上がれば、微量だが、ステータスを追加して盛れたり、スキルを付与することができる。
一度作成までやってしまえば、放置しとけば勝手に出来上がるのだが。
NPCに頼んだ場合のメリット、デメリットは、ドリーと素材を渡せば勝手に作ってくれる。そして、数分から数時間で完成する。
だが、自分でステータス上昇やスキルはデフォで決まっているため、好きなようにいじれないので、融通が効かないなどはある。
『シェフ』は、戦闘中に使用できる、料理系アイテムを作成ができる。
それらは、使用する素材によって変わってくるらしい。もちろん、戦闘中以外でも食べることはできる。
閉じ込められたこの世界では、優先度の高い職業なのかもしれない。
『音楽家』は、自分で作成した楽譜を楽器で演奏することによって、仲間にバフ効果などを付与できる。
『サブ職業』は、各種ミッションをクリアしたり、使用するにつれ熟練度が貯まっていき、一定値に達するとレベルが上がる仕組みだ。
今は五種類、追加されたがまだまだ、多種多様な『サブ職業』があるため、これからも追加されていくだろう。
僕は、最初は『鍛冶職人』を取ろうと思っている。
『鍛冶職人』で武器や防具を作成するのはもちろんだが、商売道具として、女性に人気がでそうな、アクセサリーを量産しようと思っている。
女性に人気が出て、出来前などが良ければ、たちまち噂になり、流行を作る事ができる。
さらに、アプローチに使おうと男性も購入してくるはず。
それに、いつもお世話になっている、ヒロさんやルナさんたちへのプレゼントを贈りたいと思っているし。
喜んでくれるかは分からないけどね。
時間はかかるだろうが、いずれは全ての『サブ職業』を取るつもりだ。
結構めんどくさがって、やらない人が多いが、個人的にはきちんとやった方が色々と便利だと思っている。
熟練度のレベルの上限は3なので、僕には、そんなに苦とは思わない。色々自由にできて楽しいし。
でも、まずは、ギルドハウスの家具を調達して設置などもしないといけないし、部屋割りもしなければならない。
家具は自分たちで作ってもいいし、雑貨屋があるのでそこで購入してもいい。
人数もかなりいるから、テーブルなども大きいの二つくらい用意しないといけないかもしれないし。人数分の食器や椅子も……出費がかさむ。
ギルド対抗戦・本戦のために、対抗戦の専用アイテムなども購入をしないといけない。
対抗戦の専用は、ギルドを作成した時から、一週間経つと、人数に応じて『ギルドメダル』と言うのが貰える。
そのコインを使用することで、限定家具やアイテムと交換ができる。
本戦に出場すると、ギルドランクに応じて、『ゴールドメダル』が貰える。
『ゴールドメダル』は、強力な限定装備やアイテムと交換ができる。
名前が違うだけで、似ているので非常に間違いやすい。
やるべき事が多すぎてこれから忙しくなるぞ!
そういえば、リーフィスさんから、ギルドハウスに来て欲しいと言われていた時間だな。
ゲームパッドを開き、早速『ジャンプ』機能を使う。
すると、僕を中心に、白い魔法陣のようなものが現れ、五秒くらい経つと、光に包まれ、シュンッ! と音を立てた。
そして、光が晴れると、僕はギルドハウスの目の前に立っていた。
ギルド会館のクエストと同じような仕組みかな。
そして、背後から僕を呼ぶ、リーフィスさんの声が聞こえてきた。
振り向くと、そこには、リーフィスさんとドリアード様にトゥビーさんの姿があった。
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