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第三章 ギルド結闘編

第47話 トワの初デート?

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 二人の会話を聞いていると、ルルード王国の過去がみえてきた。
 
 以前のルルード王国は花や木が育たない土地だったそうだ。

 ルルード王国が立った土地は、魔物の死骸が腐り、養分などが足りず土などを腐らせていたらしい。

 そして、当時七歳だったリーフィスさんは願っていた。「精霊様、どうかこの国に緑を実らせて下さい」と。

 その想いがドリアード様に届き、共鳴し、初めてリーフィスさんの加護の力が発動したという。

 リーフィスさんはその力を使い、ルルード王国に木々や花を咲かせていったという。

 それから、ルルード王国の人たちは、大精霊ドリアード様を讃えるようになったらしい。

 それでずっと、お礼を言いたかったみたい。ちゃんと、感謝の言葉を言えたみたいで良かった。

「それでドリアード様、どうしてこちらに?」

「あぁ、少し困った事があってね。ギルド会館に依頼を頼みにきたの」

 リーフィスさんの問いにドリアード様は答えた。

「何かあったのですか? 私、ドリアード様に恩返しがしたいです。私にできることなら、何でもします!」

「気持ちは嬉しいのだけど、とても大変よ? あなたはお世辞にも強いとは言えないでしょうし。
 気持ちだけは受け取っておくわね。ありがとう」

「そう……ですか……。すみません」

「あ、気を悪くしたのなら謝るわ。そんな傷つけるつもりじゃないのよ」

 リーフィスさんの気持ちを考えると、気の毒に思い。

「依頼の内容はなんですか? 強さを求めている所をみるとモンスターの討伐ですか?」

「そうね。依頼の内容はルルード大森林の奥に、『エルフ』たちが住む、【エルフの里】があるのだけれど、魔物が暴れ出して里がピンチなの。その魔物の討伐依頼よ。
 暴れだした原因はメロディアスって魔物のせいだとは思うんだけどね。あ、エルフの里があるってことは内緒にしてね」

 エルフきたぁぁぁ! と、一人テンションが上がる。落ち着くんだ僕。話は終わっていない。
 
 魔物の討伐依頼か、メロディアス本体の討伐ではないのか。

 やはりあの森にはメロディアスがいるようだ。敵のレベルは知らないけど、リーフィスさんの気持ちを汲んであげたいと思い、

「了解しました。では、魔物の討伐依頼ですね。ドリアード様は、里の皆さんにお忍びで依頼をしに来たように見えますが。違いますか?」

 なぜ、そんなことを思ったかというと、僕がやっていたゲームは、だいたいエルフ族の人は人間を嫌っていたからである。だから、ただの感だ。

「坊やには何でもお見通しね。そうよ。
 私は人間の力を借りようと提案したのだけれど、里の者は自分たちの里は自分たちで守る、人間の力は借りないって言うことを聞いてくれなくてね。
 昔ね、人間族とトラブルになって、それから人間嫌いな子が増えちゃってね。
 根はいい子だし、私を信仰してくれる可愛い子なの。だから、力になってあげたくてね」

「トワさん。どうにかなりませんか? 私、力になりたいんです。お願いします」

「わたくしも、この大陸に住まう者としてお役に立ちたいですわ」

 やはりそうか。ドリアード様はエルフの里の親みたいなものか。
 
 過去に何があったかは聞かないけど、リーフィスさんの頼みだ。僕も力になろう!
 ルナさんもやる気満々のようだ。

「僕にできることならお手伝いさせてもらいますよ。人間と何があったかは聞きませんが、その、モンスター……。魔物のレベルとか分かりますか?」

 癖でモンスターって言っちゃった。このゲームは、普通のフィールドに存在する敵を魔物といい、イベントクエストなどに出てくるのは普通にモンスターなのだ。
 ややこしい。モンスターで統一してほしいよ。

「ありがとうございます!」

 ドリアード様は、顎に手を当て少し考えた後、

「私が確認したのは、レベル25~27だったよ。坊やと同じくらいかな? 坊やに頼んだら討伐してくれる?」

「まあ、僕一人では無理ですが、僕にはギルドメンバーがいますから。なんとかします。これが、初のギルド活動になるね」

「それは頼もしいわね。じゃあお願いしようかな。里のみんなには伝えておくね。でも無理はしないでね」

「はい。ありがとうございます。よろしくお願いします」

 ドリアード様は、明日のお昼頃に向かいに来ると言い残し姿を消した。

 相手のレベルが27くらいならもう少しレベルを上げないと厳しそうだな。

 ルナさんやリーフィスさんのレベル上げもしないといけないと思うし。

 僕はギルドチャットに今回の件を書き込んだ。僕たちのギルドの初の仕事だ。勝手に決めて申し訳ないけど。

 みんなからもコメントやスタンプが送られてきた。なんか反応してもらえるのは嬉しいな。

_______


 数時間が経ちアルバイトが終わった。

「お疲れ様でした! お先に失礼します」

「お疲れ様でしたーー!」

「お疲れさーん」

 アルバイト中に、僕はメルさんとデザートを食べる約束をしていた。

 メルさんも甘い物が好きみたいで、ご馳走してくれるそうだ。
 今回は素直にお言葉に甘える事にした。甘いものだけに。

 そんなくだらないことを思った矢先、仕事を終えたメルさんが手を振りながら近づいてくる。
 合流した僕たちは、メルさんの案内でお店に向かった。


 お店に着き、店員さんに案内された席に座る。プライベートのメルさんと二人きりのこの状況。今思えばとっても恥ずかしい。

 女性の人と二人きりで食事なんて、家族以外なかった。それにどんな内容の話しをすればいいのか分からない。

 クラスの女の子と話す事はあったけど、ゲームの話や勉強を教えるくらい。
 メルさんにゲームの話をしても伝わらないだろうし……。緊張している僕を見てか、メルさんが話しかけてきた。

「トワさんは何を注文するか決めましたか?」

「ひゃいっ! あ……。では、じゃあこれを」

 緊張のあまり変な声が出てしまった。僕はカスタードプリンを頼んだ。

 数分でその商品は届いた。

 濃厚かつ少し苦味のあるカラメルに極上に甘いカスタードが混ざり、口の中を駆け巡る。

 食事をしながらメルさんは色んな話をしてくれた。メルさんの恋愛事情や好きな男のタイプ。
 ギルド会館のウガルンダ支部の人たちの過去話も。色々聞けて楽しかった。

 緊張していた僕だったが、いつのまにか緊張はなくなり楽しくお話ができた。あんまり自分の事は語らなかったけど。
 
 次回は僕の恋愛事情や経験してきたお話を聞かせて欲しいと言われて困ったけれど。

 また今日のような機会ができたと嬉しく思う。

 僕はメルさんにお礼を言ってお店を後にした。
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