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3.王宮
3-13.モルバーン学園にて
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大聖堂で祝福治療というのを受け、痣はあっさり消えて元通りになった。
だが、王子の事を忘れて兄について行ってしまったのは失敗かもしれない。
また拗ねてしまわないかが心配だ。
ちなみに王女は無事救出され、今は王宮内が厳戒態勢となっている。
俺でも入れない。
そんな訳で、今は学園にお邪魔している訳だが。
「きゃーかわいいー!」
「ブレイク君の妹!?撫でて良い?触って良い?抱きしめて良い?きゃー!」
女子が集まれば姦しいというが、まさにその通りで、俺は女子生徒達の玩具になっていた。
『俺が~』なんていうだけで、「きゃー!俺属性ー!」って訳分からん事を言うし、口調に至っては「すれてて可愛い」とまで言われる始末。
何を言っても騒ぐ彼女らに、俺の口数はどんどん減っていった。
そこに先生が入って来た。
俺に群がってた女子が解散し席に戻る。
号令と共に挨拶をするが、俺は席に座っていて大丈夫なのだろうか。
ちなみに、兄は制服に着替えに寮に戻っているので不在だ。
先生が一人ずつ名前を呼び、それに生徒が返事をする、そして兄の番が来た。
「アバークロンビー」
「はい!」
俺は元気に答えてやった。
まぁ、既にバレてるだろうから半分ふざけて返事しただけだ。
「お前、随分小さく、可愛くなったな」
「「あはははははは」」
俺が返事した時点で殆どの生徒が笑いを堪えていたが、先生の一言で笑い袋の紐が千切れてしまった様だ。
「それに制服はどうした」
「もってませーん」
「そんな事だろうと、丁度ここに女子の制服がある、ちびっこ用だ。更衣室で着替えて来なさい」
「なんで、そんな物持ってるんだよ!」
「王妃様に預けられたんだ、どうしてかは知らん」
「更衣室は場所が分からん、ここで着替えたっていいだろ?」
そう言って、服を脱ぎ始めると、女子が男子を教室の隅に追いやり先生諸共視線を妨害した。
「こんなところで着替えちゃ駄目でしょ!」
「でも、着替えるなら今の内よ、私達でブロックしておくから、ぱぱっと着替えちゃって」
「私、手伝うわ!」
「私も!」
女子の団結力すげええ!
てか、手伝ってる奴ら、妙に息切れしてるんだが、もっと体力付けるべきなのではないか?
まぁそんな感じで無事お着換え完了した。
少しスカートが短くて心もとないが、皆とお揃いというのは中々気分がいい。
統一された服は騎士団みたいで身が引き締まるのだ。
着替えが終わったと言うのに、まだ女子のブロックは続いていた。
それが何故か気になっていると、女子の一人が宝珠映像を撮影すると言い出した。
なんでも王妃様の命令だそうだ。
「はーい、そこでくるっとまわってー。あ、スカートの中が見えない程度にね!」
「こうかな」
「そうそう、それくらいのギリギリ見えない程度がいいのよ!ハァハァ」
「お前大丈夫か?息切れしているぞ」
「大丈夫、まだまだ撮影するからね!次は前屈みで!」
「こうかな」
「いいねー!いいねー!じゅるるっ」
というか、お前ら勉強しろよ。今授業中だろう?
*
「兄よ、この学校は大丈夫なのか」
「あまり言いたくはないけど、俺もこんな事になるとは思わなかったよ」
「それでもう帰っていいか?」
「ああ、今日は泊っていくだろ、王妃様も会いたがってたよ」
「そうだ、なんで王妃様が俺がここに来るって知ってるんだ?」
「俺が話したからだけど?ちなみに制服は急遽作ったらしいよ」
「王妃様すげー!」
「じゃあ寮に泊まるとして、明日はまた王宮に出て来いって事か」
「うん、そう言う事。今度は俺も行くよ」
「一緒に寝るのはいいんだけどさ」
「うん」
「死ぬなよ」
「!?」
だが、王子の事を忘れて兄について行ってしまったのは失敗かもしれない。
また拗ねてしまわないかが心配だ。
ちなみに王女は無事救出され、今は王宮内が厳戒態勢となっている。
俺でも入れない。
そんな訳で、今は学園にお邪魔している訳だが。
「きゃーかわいいー!」
「ブレイク君の妹!?撫でて良い?触って良い?抱きしめて良い?きゃー!」
女子が集まれば姦しいというが、まさにその通りで、俺は女子生徒達の玩具になっていた。
『俺が~』なんていうだけで、「きゃー!俺属性ー!」って訳分からん事を言うし、口調に至っては「すれてて可愛い」とまで言われる始末。
何を言っても騒ぐ彼女らに、俺の口数はどんどん減っていった。
そこに先生が入って来た。
俺に群がってた女子が解散し席に戻る。
号令と共に挨拶をするが、俺は席に座っていて大丈夫なのだろうか。
ちなみに、兄は制服に着替えに寮に戻っているので不在だ。
先生が一人ずつ名前を呼び、それに生徒が返事をする、そして兄の番が来た。
「アバークロンビー」
「はい!」
俺は元気に答えてやった。
まぁ、既にバレてるだろうから半分ふざけて返事しただけだ。
「お前、随分小さく、可愛くなったな」
「「あはははははは」」
俺が返事した時点で殆どの生徒が笑いを堪えていたが、先生の一言で笑い袋の紐が千切れてしまった様だ。
「それに制服はどうした」
「もってませーん」
「そんな事だろうと、丁度ここに女子の制服がある、ちびっこ用だ。更衣室で着替えて来なさい」
「なんで、そんな物持ってるんだよ!」
「王妃様に預けられたんだ、どうしてかは知らん」
「更衣室は場所が分からん、ここで着替えたっていいだろ?」
そう言って、服を脱ぎ始めると、女子が男子を教室の隅に追いやり先生諸共視線を妨害した。
「こんなところで着替えちゃ駄目でしょ!」
「でも、着替えるなら今の内よ、私達でブロックしておくから、ぱぱっと着替えちゃって」
「私、手伝うわ!」
「私も!」
女子の団結力すげええ!
てか、手伝ってる奴ら、妙に息切れしてるんだが、もっと体力付けるべきなのではないか?
まぁそんな感じで無事お着換え完了した。
少しスカートが短くて心もとないが、皆とお揃いというのは中々気分がいい。
統一された服は騎士団みたいで身が引き締まるのだ。
着替えが終わったと言うのに、まだ女子のブロックは続いていた。
それが何故か気になっていると、女子の一人が宝珠映像を撮影すると言い出した。
なんでも王妃様の命令だそうだ。
「はーい、そこでくるっとまわってー。あ、スカートの中が見えない程度にね!」
「こうかな」
「そうそう、それくらいのギリギリ見えない程度がいいのよ!ハァハァ」
「お前大丈夫か?息切れしているぞ」
「大丈夫、まだまだ撮影するからね!次は前屈みで!」
「こうかな」
「いいねー!いいねー!じゅるるっ」
というか、お前ら勉強しろよ。今授業中だろう?
*
「兄よ、この学校は大丈夫なのか」
「あまり言いたくはないけど、俺もこんな事になるとは思わなかったよ」
「それでもう帰っていいか?」
「ああ、今日は泊っていくだろ、王妃様も会いたがってたよ」
「そうだ、なんで王妃様が俺がここに来るって知ってるんだ?」
「俺が話したからだけど?ちなみに制服は急遽作ったらしいよ」
「王妃様すげー!」
「じゃあ寮に泊まるとして、明日はまた王宮に出て来いって事か」
「うん、そう言う事。今度は俺も行くよ」
「一緒に寝るのはいいんだけどさ」
「うん」
「死ぬなよ」
「!?」
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