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2.迷宮都市ルグランジ
2-15.ルグランジ地下迷宮にて(フロアボス)
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まるで岩をきり抜いた様なエリアに巨大な扉は聳え立っていた。
そして、俺達はフロアボスを倒すべく、その巨大な扉に手をついた。
「開けて、いいんだな」
「ええ、怠りはありません」
ゴゴゴゴという音と共に部屋に入ると、暗すぎて良く見えない。
だが、その広い部屋に青白い光が点々と灯されてゆく。
「どうやら今のフロアボスはアンデット系の様ですね」
「それなら俺の剣が使えるな、丁度試したかった所だ」
「いえいえ、私が聖職者だと言いましたよね?アンデット系は私の専門分野ですよ」
そんな言い合いをしている所、部屋に声が響いた。
『儂の眠りを妨げたのはお主らか──』
「リッチロードか!」
「20,30、40、50、アンデットが増え続けてます、これ1フロア目で出る敵じゃないですよ!」
「なーにちょっとハズレを引いてしまっただけだろう?」
「ちょっとじゃないでしょ!魔力だって完全に回復していないんですよ、技何度出せるんですか」
「2,3回かな」
「こっちだって、それくらいです、これは無理!逃げましょうよ!」
ぎぎぎぎーばたん。
背後の扉が閉まる音がした。
「おぉ、入場制限みたいだな、これはアトラクションを楽しむしかねー訳だ」
「どうするんですか!もうリール使っちゃいます!?ヤバイですよ、かなりの数の、ああ、しかもアンデッドメイジが多いですよ!?どれだけここで死んでるんですか!」
「魔法はちーと厄介だな、数打たれればヤバイかもしれん」
「逃げ場がない、どうしましょう!」
「先ずは部屋の中で逃げろ、敵が集中した所で技を使うんだ、最悪でも魔力切れを狙う!」
「メイジ相手に逃げるの大変ですよ!」
「あれ?」
警戒していたアンデットメイジが殴って来た。
俺はそれを、片手で剣を振って倒す。
なんで物理?緊迫感の欠片もありゃしない。
「技をだすまでもないぞ、魔法使わないみたいだ、こいつら魔力切れか?」
「考えてる間にやっつけましょう!」
次々と切り倒す事、50体、技を使うまでも無かった。
残りはボスだけとなった時だ、俺の目とリッチの目が合った……気がする。
暫くの間があり、思い出したかの様にリッチが襲ってきた、素手で!
「なんでリッチが魔法を使わないんだ?大魔法使いじゃないのか!?」
「ああああ!カロリーナ様!ヘイトリングのせいですよ!」
「ああ、そうか、これか!これやべえな、メイジ狩り放題だな!」
「いいモノ拾いましたね!」
「もういい、やっつけちまおう、えいっ」
なんとも締まらない終わり方をしてしまった。
俺はこんな戦いをしたかったのか?
このフロアボスをやり直すべきか、なんてとこまで考えた。
「いいのかこれで……」
「宝箱出ましたよ」
「開けてくれ、ついでに鑑定も」
「隷属の腕輪(1年)ですって。1年だけ使えるらしいです、意味あるんですかね」
「まぁ、オマケみたいなもんだし」
*
「じゃあセーフティーエリアまで行ってリールで戻るか」
「そうですね。それで通礼の門が使える様になります、次からはここがスタート地点ですね」
「1フロア目とおさらばとなるとあの鍛冶屋とも会えないのか、少し寂しいな」
「またどこかで会えるでしょう」
「ああ、運命が導くだろうな」
「くさ……」
「何!?まだ中ボスの臭いがっ!?」
そして、俺達はフロアボスを倒すべく、その巨大な扉に手をついた。
「開けて、いいんだな」
「ええ、怠りはありません」
ゴゴゴゴという音と共に部屋に入ると、暗すぎて良く見えない。
だが、その広い部屋に青白い光が点々と灯されてゆく。
「どうやら今のフロアボスはアンデット系の様ですね」
「それなら俺の剣が使えるな、丁度試したかった所だ」
「いえいえ、私が聖職者だと言いましたよね?アンデット系は私の専門分野ですよ」
そんな言い合いをしている所、部屋に声が響いた。
『儂の眠りを妨げたのはお主らか──』
「リッチロードか!」
「20,30、40、50、アンデットが増え続けてます、これ1フロア目で出る敵じゃないですよ!」
「なーにちょっとハズレを引いてしまっただけだろう?」
「ちょっとじゃないでしょ!魔力だって完全に回復していないんですよ、技何度出せるんですか」
「2,3回かな」
「こっちだって、それくらいです、これは無理!逃げましょうよ!」
ぎぎぎぎーばたん。
背後の扉が閉まる音がした。
「おぉ、入場制限みたいだな、これはアトラクションを楽しむしかねー訳だ」
「どうするんですか!もうリール使っちゃいます!?ヤバイですよ、かなりの数の、ああ、しかもアンデッドメイジが多いですよ!?どれだけここで死んでるんですか!」
「魔法はちーと厄介だな、数打たれればヤバイかもしれん」
「逃げ場がない、どうしましょう!」
「先ずは部屋の中で逃げろ、敵が集中した所で技を使うんだ、最悪でも魔力切れを狙う!」
「メイジ相手に逃げるの大変ですよ!」
「あれ?」
警戒していたアンデットメイジが殴って来た。
俺はそれを、片手で剣を振って倒す。
なんで物理?緊迫感の欠片もありゃしない。
「技をだすまでもないぞ、魔法使わないみたいだ、こいつら魔力切れか?」
「考えてる間にやっつけましょう!」
次々と切り倒す事、50体、技を使うまでも無かった。
残りはボスだけとなった時だ、俺の目とリッチの目が合った……気がする。
暫くの間があり、思い出したかの様にリッチが襲ってきた、素手で!
「なんでリッチが魔法を使わないんだ?大魔法使いじゃないのか!?」
「ああああ!カロリーナ様!ヘイトリングのせいですよ!」
「ああ、そうか、これか!これやべえな、メイジ狩り放題だな!」
「いいモノ拾いましたね!」
「もういい、やっつけちまおう、えいっ」
なんとも締まらない終わり方をしてしまった。
俺はこんな戦いをしたかったのか?
このフロアボスをやり直すべきか、なんてとこまで考えた。
「いいのかこれで……」
「宝箱出ましたよ」
「開けてくれ、ついでに鑑定も」
「隷属の腕輪(1年)ですって。1年だけ使えるらしいです、意味あるんですかね」
「まぁ、オマケみたいなもんだし」
*
「じゃあセーフティーエリアまで行ってリールで戻るか」
「そうですね。それで通礼の門が使える様になります、次からはここがスタート地点ですね」
「1フロア目とおさらばとなるとあの鍛冶屋とも会えないのか、少し寂しいな」
「またどこかで会えるでしょう」
「ああ、運命が導くだろうな」
「くさ……」
「何!?まだ中ボスの臭いがっ!?」
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