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2.迷宮都市ルグランジ
2-5.拠点にて
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結局、元締めの元で4時間もの間、着せ替えごっこをさせられた。
流石に、娘がこんな服を着たらと思うと恥ずかしい服もあったが、どうにか精神は壊れずに済んだ。
そして着せ替えに飽きたのか、ベッドに連れて行かれる。
結局はそれか!なんて思ったが、ただの抱き枕替わりにされただけだった。
苦痛なのはおっさんの胸元で眠らされる事くらいだ。
そして、夜が明け、元締めの部屋にノックの音がした。
その音に俺は目を覚まし周りを見ると、元締めがベッドから落ちて死んでるではないか!
あれだけの苦痛を俺に与えといて、勝手に死ぬなんて許し難いと思いつつも、ノックの音が俺を焦らせた。
今すぐ騒動を起こすか、それとも一旦泣き寝入りをするか悩んだ。
その前に服をどうにかしないといけない。ネグリジェはまずい。
脱出するにしても外を出歩く姿ではない。
俺は外に出ても一番マシな服を……というより、娘に着せたい服を急いで探した。
結果、少しスカートが広いが膝が辛うじて見える程度の可愛い服を選ぶ。
他の服はスカートはもっと短い。
メイド服ですらスカートが短いのだ。こんなのはメイド服と認めねえ!って言いたくなる。
そして、ノックをしている者が声を上げ始めた。
「元締め!朝ですよ!早く朝の号令を!」
「お、おまえリーダーか」
俺は急いでドアを開けて、リーダーを部屋に入れた。
リーダーは元締めの死体をみて頭を抱える。
「まじか。お前、手が早いな」
「俺じゃねえよ、朝起きたら死んでたんだ、信じろ」
「いや、顔に足形がついてるぞ、さてはお前、寝相がかなり悪いな?」
「知らねえよ」
それから少し考えたリーダーが死体を担ぎ、俺をつれて、元締めの椅子のある広間まで連れて行った。
そしてなぜか、俺はその椅子に座らされた。
そこには誘拐犯のメンバーがずらりと並んでいる。
だいたい30名程だ。
「おい、お前ら、よーくきけ。みての通り、元締めは死んだ」
そこでざわざわと声が上がる。
しかし、それを気にも留めず、リーダーは話し続ける。
「つまり、後継者を選ばなければならない!そこでだ、ここに居るリーナを元締めにしたいと思う!異論はないか?」
その言葉に、移動を共にしていた奴らが声を上げた。
「俺もそれでいいッス!」
「俺もだ!」
そしてそれに納得してないのはそれ以外の奴だ。
だが、その事にリーダーが威嚇をした。
「文句のあるやつは俺が相手にしてやる!」
「いいや、俺が相手にしてやるよ、腕に自信がある奴は出て来い!」
その言葉にペロリと舌なめずりをしながら出てくるヤツが多い事多い事。
お前ら見事な団体行動だと褒めたくなった。
身の丈に合わない大人用の大剣を渡され、それをブンブン振り回すと感嘆の声が上がる。
「さあ、かかって来い!」
一人目の全力で振り下ろした剣を受け止め、合の位置を相手の鍔の部分まで滑らせ火花を散らす。
その火花に気圧されたたのか少し後ろに下がったのを見計らい、剣を上に振り上げた。
たったそれだけで剣は宙を舞い、俺の後ろに剣先から着地する。
その状況に移動を共にした奴らが歓声を上げるが、それ以外の奴らにすれば舐められた真似をしたと思われ、一斉に襲い掛かって来た。
それを華麗に避けながら、掌底や剣の腹で気絶させてゆく事、約20名分。
やっと落ち着いたと思えば、胴上げをされた。
そして、再びイノカツを作らさせられる。
それで残りのメンバーもどうにか懐柔する事ができたのだ。
飯よりも強さに惚れろよ、なんて思ったものだ。
*
「これ食べれるくらいなら、足洗ってもいいっス。どこまでもついて行きますぜ」
「調理方法は教えるから、自分で作りやがれ。ああ、迷宮都市で飯屋やるのもいいかもな」
「それじゃあ、子供たちにも教えましょう」
「ああ、それはいい考えだ、それなら、迷宮都市に店と大きな屋敷を買うか、ため込んでるんだろ?金」
「結構あるっス、幼女服買うしか趣味の無い元締めでしたから」
「それであの量の服なのか…、制服を作ろう、迷宮都市に着いたらその服飾店に案内してくれ」
「わかりやしたっス!」
流石に、娘がこんな服を着たらと思うと恥ずかしい服もあったが、どうにか精神は壊れずに済んだ。
そして着せ替えに飽きたのか、ベッドに連れて行かれる。
結局はそれか!なんて思ったが、ただの抱き枕替わりにされただけだった。
苦痛なのはおっさんの胸元で眠らされる事くらいだ。
そして、夜が明け、元締めの部屋にノックの音がした。
その音に俺は目を覚まし周りを見ると、元締めがベッドから落ちて死んでるではないか!
あれだけの苦痛を俺に与えといて、勝手に死ぬなんて許し難いと思いつつも、ノックの音が俺を焦らせた。
今すぐ騒動を起こすか、それとも一旦泣き寝入りをするか悩んだ。
その前に服をどうにかしないといけない。ネグリジェはまずい。
脱出するにしても外を出歩く姿ではない。
俺は外に出ても一番マシな服を……というより、娘に着せたい服を急いで探した。
結果、少しスカートが広いが膝が辛うじて見える程度の可愛い服を選ぶ。
他の服はスカートはもっと短い。
メイド服ですらスカートが短いのだ。こんなのはメイド服と認めねえ!って言いたくなる。
そして、ノックをしている者が声を上げ始めた。
「元締め!朝ですよ!早く朝の号令を!」
「お、おまえリーダーか」
俺は急いでドアを開けて、リーダーを部屋に入れた。
リーダーは元締めの死体をみて頭を抱える。
「まじか。お前、手が早いな」
「俺じゃねえよ、朝起きたら死んでたんだ、信じろ」
「いや、顔に足形がついてるぞ、さてはお前、寝相がかなり悪いな?」
「知らねえよ」
それから少し考えたリーダーが死体を担ぎ、俺をつれて、元締めの椅子のある広間まで連れて行った。
そしてなぜか、俺はその椅子に座らされた。
そこには誘拐犯のメンバーがずらりと並んでいる。
だいたい30名程だ。
「おい、お前ら、よーくきけ。みての通り、元締めは死んだ」
そこでざわざわと声が上がる。
しかし、それを気にも留めず、リーダーは話し続ける。
「つまり、後継者を選ばなければならない!そこでだ、ここに居るリーナを元締めにしたいと思う!異論はないか?」
その言葉に、移動を共にしていた奴らが声を上げた。
「俺もそれでいいッス!」
「俺もだ!」
そしてそれに納得してないのはそれ以外の奴だ。
だが、その事にリーダーが威嚇をした。
「文句のあるやつは俺が相手にしてやる!」
「いいや、俺が相手にしてやるよ、腕に自信がある奴は出て来い!」
その言葉にペロリと舌なめずりをしながら出てくるヤツが多い事多い事。
お前ら見事な団体行動だと褒めたくなった。
身の丈に合わない大人用の大剣を渡され、それをブンブン振り回すと感嘆の声が上がる。
「さあ、かかって来い!」
一人目の全力で振り下ろした剣を受け止め、合の位置を相手の鍔の部分まで滑らせ火花を散らす。
その火花に気圧されたたのか少し後ろに下がったのを見計らい、剣を上に振り上げた。
たったそれだけで剣は宙を舞い、俺の後ろに剣先から着地する。
その状況に移動を共にした奴らが歓声を上げるが、それ以外の奴らにすれば舐められた真似をしたと思われ、一斉に襲い掛かって来た。
それを華麗に避けながら、掌底や剣の腹で気絶させてゆく事、約20名分。
やっと落ち着いたと思えば、胴上げをされた。
そして、再びイノカツを作らさせられる。
それで残りのメンバーもどうにか懐柔する事ができたのだ。
飯よりも強さに惚れろよ、なんて思ったものだ。
*
「これ食べれるくらいなら、足洗ってもいいっス。どこまでもついて行きますぜ」
「調理方法は教えるから、自分で作りやがれ。ああ、迷宮都市で飯屋やるのもいいかもな」
「それじゃあ、子供たちにも教えましょう」
「ああ、それはいい考えだ、それなら、迷宮都市に店と大きな屋敷を買うか、ため込んでるんだろ?金」
「結構あるっス、幼女服買うしか趣味の無い元締めでしたから」
「それであの量の服なのか…、制服を作ろう、迷宮都市に着いたらその服飾店に案内してくれ」
「わかりやしたっス!」
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