領地育成ゲームの弱小貴族 ~底辺から前世の知識で国強くしてたらハーレムできてた~

黒おーじ

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第六章 魔境の奥で

第56話 wktk

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 俺がダンジョンを越えてマギル族の集落に来てからもう一か月がたっていた。

「=’hA!」

「ywおー##!!」

「なあ、お前ら。そろそろ拝むのヤメろよー」

 オークの攻撃から集落を守ってやってからというもの、部族の人々はまるで仏像かご神体かでもあるように俺をありがたがる。

 最初は生贄にしようとしてたくせになあ。

「uGty’’♡♡」

 ただ、あのイイ乳した女族長だけは他の者たちとは違って俺を拝んだりはしないんだけど、その代わりめっちゃチューしてくる。

 文明が素朴なだけ好意の表現も素朴なのだろうか。

 Sッぽい釣った目からはこんなふうになるなんて想像できなかったな。

 まあ可愛いからいいんだけど、みんなの前でも平気でイチャイチャしようとしてくるので大和男子やまとおのこの俺にとっちゃちょっと恥ずい。

「イヤー、公衆ノ面前デ接吻ナンテ恥知ラズネー(///▽///)」

「うるせーよ!」

 あの一人だけ言葉が通じる爺さんはあいかわらずだ。

 でも、役に立たねーと思っていた爺さんも、ここに至ってはなくてはならない存在だったんだけどな。

 というのもさ。

 こうやって部族の人らと暮らしてみているのは、こうしてりゃだんだん言葉もわかってくるだろうという思惑もあったんだが……

 ちょっとやそっと一緒に生活したからと言って言葉なんてわかるものではないらしかった。

 まあ、そういや前世でも英語とか全然喋れんかったもんな。

 言葉の壁ってのは海や大砲以上に民族性を守ってくれるものなのかもしれない。

 だから、マギル族の現状についての情報は、おおよそ爺さんの通訳によって仕入れたものだった。

「最近ノ一年ダナ。オークノ襲撃デ集落ガ三ツ落チタノハ」

「そうなのか?」

「ソウダ。コノ集落ガ最後ノ砦。仲間モタクサン死ンダ……」

 それは俺の知っている展開とは違っていた。

 確かにゲームTOLでもマギル族はオークと対立していたけれど、そこまで劣勢に追い込まれてはいなかったはずである。

「なるほど。だから魔石を掘りにいかないのか……」

「魔石? ナンダソレ?」

「ああ、この石だよ」

 俺は女族長の裸の乳房の上で華美に踊る首飾りを左手に取り、その中の蒼い石を右手に摘まんだ。

 この蒼い石には魔力が凝結していて、MPを回復させたり、魔機器を駆動させたりすることができる。

「蒼イ石、ココデハ採レナイ。奪ワレタ土地ニアル」

「……そうか」

 原作ではそんなややっこしいことはなく、まず魔石の存在をチュートリアルする感じのクエストだったんだけど……

 これは元々のパワーバランスに何か影響を与えるものがあったのかもしれない。

 一瞬。

 王都で邂逅した勇者の姿を思い出した。

 あの勇者がこの件に関わっているかどうかは別として、転生者が俺だけではないことだけは確からしいからな。

 そう簡単にゲームの通りいくとは考えない方がいいかもしれない。

「……いずれにせよマギル族の集落を取り戻してやらないとな」

 手に取っていた美しい首飾りを乳房の上に返しながら言うと、女族長は勇敢さを称えるように小麦色のかいなを回して抱き着いてきた。

 あれ? この女、俺の言ってることがわかって来てるのかな?

「wktk♡♡」

 あいかわらず俺の方は何言ってるかわかんねーけど。

 裸の乳をむにゅりと潰して抱き着いてくる女族長にレロレロとキスを返してやっていると、爺さんが口をはさんでくる。

「ソリャ無茶ネ。オークハ何デモ喰イ、メチャ増エル。奴ラ本隊ハ今ヤ数百ノ群……オマエデモ一人ジャ奴ラの数ノ多サニハ敵ワナイネ」

「わかってるさ。だから準備してる」

 そう答えた時だ。

 なにやら集落がワーワーと騒がしくなる。

 何事かと広場の方へ行ってみると、屈強な部族の男たちがあの日のように『えっさほっさ』と人を抱えて帰って来るところだった。

 しかも4人もいる。

 ツルピカの頭と、白パンティのような女のお尻……

「つーか、ジレンとネーニャじゃねーか!?」

「ボク? どうしてここに??」

「いや、そんなことより坊主、助けてくれえ!!」

 そう。

 つたで縛られて運ばれて来たのはシャイニング・ケトルの面子だった。

 そこで女族長が壇上へ上がり「ナry%ー!!」と嬉しそうに乳房を揺らす。

「なんて言ってんだ?」

「パール様ハ『生贄ダ』トオッシャッテイル」

 やっぱり(汗)

「おい、パール。神様や精霊を信仰するのは大事なことだけど、生贄はむごいからよせよ」

「……??」

 女族長はきょとんと首をかしげる。

「こういう時だけ通じてないフリはよせって! 絶対わかってるだろ!」

 それからなんとか頼みこんでジレンたちを生贄にすることだけは取りやめさせた。

 やれやれ。

 マギル族の暮らしぶりは素朴で好感が持てるからなるべく口を出したくないんだけど、生贄のクセだけはヤメさせたいところだな。

「ひー、死ぬかと思ったぜ」

「助かったわ。ボク」

 まあ、とにかく彼らを死なせずにすんでよかった。

「マジお疲れー。ところでここまで来たってことはダンジョンの地下8Fまでクリアしたってことだよな?」

「もちろんよ。ボスも全部倒したわ」

「ああ。それで出口を見つけて登ってきたらこのザマだ」

 さすが! シャイニング・ケトル、いいパーティじゃねえか。

「よし、これでオークの軍団から集落を取り戻せるぞ」

「待テ待テ。コノ冒険者ヲ加エテモ5人。オークノ群ハ数百ハイルンダゾ?」

 爺さんはそう言って引き止めるが……

 俺は何もたった5人で攻めようなんざ思っちゃいない。

 そう。

 軍勢に対しては軍勢。

 これで戦闘ジョブを与えた領民100人隊を呼び寄せることができるのだから。



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