257 / 296
最終章:知識の街
256話
しおりを挟む俺達は堂々と王都の中に入り込む。
知識の街にある様な強制誘導魔道具はなかったらしい。
まぁあの魔道具は空間魔法の魔法陣を理解してないと
使われた魔法に対しての狙い撃ちで強力な術式にしてるから仕方ないっちゃ仕方ないか?
空を飛んできたりするのは目立つので結局忍びこむには空間魔法か隠蔽系のスキルや魔法が必要になる。
それと相手が高レベルな気配感知・察知系のスキルを持ってるとバレるからな。
俺達がやった行動はとてもシンプルだ。
住民が城の近くに行くことは許可されているので
それに紛れた上で一瞬で門を視認転移で通る。というものだった。
そしてこういう場所には結界が張られてるけれども俺からしたらセキリュティが甘すぎる。
パソコンと同じ原理で中に入るまでが大変で入ってしまえばやりたい放題になっている。
結界を乗っ取れば極小量の魔力で探知も出来るし
「さてさて国王陛下の居場所は……居た。
セラあそこの屋根に転移行けるか?」
セラが転移するとどこかの魔道具のベルが鳴った。
「おぉ! どこかの貴族とは大違いだ!」
場内が慌ただしくなってきたので俺が城に魔力を流し
屋根裏部屋を把握して俺達は城特有の隠密がいるような場所に転移した訳だが
「ホコリ臭い……」
セラにそう顔を顰められたのでそのまま転移して突撃訪問してやることにした。
部屋に入ると何故か笑みを浮かべ魔力を昂らせる水仙国王陛下が居た。
そんなアホに呆れつつも普通に声をかけた。
「毎度~!」
「まいどー?」
セラ? 分からないなら真似すると恥ずかしいぞ? しかも完全なる棒読みじゃないか。
「「!!? 誰だ!?」」
俺はフードをとる。
「あのさ!貴族嫌いの国民性の国に押しかけ婚約者とか要らないから?
苦情言いに来たわ……それとかなりセキュリティ甘いぜ?」
「甘いかも?」
そっちは理解してんのね……
「ケビン!? やっぱりお前か!」
おろ? バレてたん? まっいっか!
「それに孤児院に来て平民見下すような奴送ってくんな!!」
俺が怒り、魔力を少し漏れ出ると焦った様にここに近付く奴が居たので結構強力めな結界を部屋に張る。
「後、辺境伯領地のバカ3トリオの領地えらい荒れててあれじゃ税金もはらえんぞ?
なんだあの暴力が全てな領地は!
因みに亡命を望んだ連中は既に知識の街に送った。慰安訪問するならお早めにね?」
そう言うと水仙国王陛下は音がこちらに聞こえるほど悔しそうな顔をして歯が鳴る。
1人の隠密がこちらに向かってきたが最初から居ることに気付いてるので余裕で対処する。
四肢を切り落とし水魔法で傷口から出る血を止めてやる。
「陛下と知り合いってわかった時点で襲って来るなよ……確かに知り合い同士でも平民じゃ国王陛下に会えないのがわかるだろ!!
なら直接的に侵入するしか無かったんだわ」
「ほう? なら貴殿はこの国に爵位でも貰いに来たのか?」
俺を怪訝な顔をして見た後に将来有望そうなセラを見てニヤニヤしていた爺さんが
こちらに声をかけてきた。やり手の社長みたいな雰囲気があるから宰相かな?
「いや、要らん。本来なら街からの正式な苦情を入れたいが
実質的な被害はアピール合戦で毎日、毎日孤児院の目の前でわちゃわちゃやってることくらいだからな。
俺はこの国を見て思ったことを伝えに来ただけだ」
「それはなんですかな?」
宰相の儂偉いんじゃぞーアピールを無視して普通に話しかける。
「お前らさ? 力が正義というのは国や種族の文化だから何も言わんが……
子供達は護り育てて行かないとその力すら得る場所がねぇんだよ?
伯爵家では人身売買をしていたぞ? 男は皆女性達の前で殺されったってさ?
なにやってんの……?」
魔力が漏れ出て宰相に攻撃的になると宰相は顔が真っ青になった。
「宰相良い……ケビン。正式に謝罪と感謝をする。
それと我が国民を助けてくれたことにも感謝する」
この人根は良い人だからな。
相当堪えてんな?
「謝罪は受け取った。大体200~300人位が亡命を希望したので送った。
何か伝えたい時にはよく考えて来てくれよな?」
2人ともその言葉に首を傾げる。
おい!? 2人とも身分が高過ぎて平民のこと理解出来てねーじゃんかよ!
「国王や大貴族なんて平民は会えないし
凸凹した道に座り頭を垂れないと不敬罪になる領地もある」
セラがそう言うと何故か驚いていた。
嘘やん……
「あと、回ってきた当主の不正な書類とか全部持ってきたから。何かに役立ててくれ」
水仙国王陛下と宰相が書類を見終えると水仙国王陛下は怒り、宰相は老人特有の得体の知れない冷酷な目をしていた。
言いたいことも言えたので最後に俺達の孤児院に押しかけてきた奴らの名簿を渡す。
「他国に迷惑かけているんだから責める材料位にはなるぜ?」
そう言うとセラが『飽きた』と言うので水仙国王陛下は顔を綻ばせながらお茶の準備を始めるのであった。
セラが1番大物かもしれん……あのシリアスな状況でつまらん飽きたとはっきり言うのだからな。
「ケビン……それと暗部の者を治してやってくれ」
あ……忘れていたわ。直ぐに治したよ。
11
お気に入りに追加
2,524
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生5回目!? こ、今世は楽しく長生きします!
実川えむ
ファンタジー
猫獣人のロジータ、10歳。
冒険者登録して初めての仕事で、ダンジョンのポーターを務めることになったのに、
なぜか同行したパーティーメンバーによって、ダンジョンの中の真っ暗闇の竪穴に落とされてしまった。
「なーんーでーっ!」
落下しながら、ロジータは前世の記憶というのを思い出した。
ただそれが……前世だけではなく、前々々々世……4回前? の記憶までも思い出してしまった。
ここから、ロジータのスローなライフを目指す、波乱万丈な冒険が始まります。
ご都合主義なので、スルーと流して読んで頂ければありがたいです。
セルフレイティングは念のため。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
【味覚創造】は万能です~神様から貰ったチートスキルで異世界一の料理人を目指します~
秋ぶどう
ファンタジー
書籍版(全3巻)発売中!
食べ歩きだけが趣味の男、日之本巡(ひのもとめぐる)。
幻の料理屋を目指す道中で命を落としてしまった彼は、異世界に転生する。
転生時に授かったスキルは、どんな味覚でも作り出せる【味覚創造】。
巡は【味覚創造】を使い、レストランを開くことにした。
美食の都と呼ばれる王都は食に厳しく、レストランやシェフの格付けが激しい世界だけれど、スキルがあれば怖くない。
食べ歩きで得た膨大な味の記憶を生かし、次から次へと絶品料理を生み出す巡。
その味は舌の肥えた王都の人間も唸らせるほどで――!?
これは、食事を愛し食の神に気に入られた男が、異世界に“味覚革命”を起こす物語である。
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる