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最終章:知識の街

247話

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 商業ギルドマスターが俺に近寄ってきて声をかけてきた。

「そういや学校の名前は決まってるのか?」

 ふっふっふ! あたぼうよ!

「決まってますし、看板も既に俺が作って今日の式典でお披露目しますよ?
 それに……初代校長のガルファス様も張り切ってますからね?」

 共和国内に居た変人と呼ばれた知識学者の話を聞いてすぐにスカウトすると
 知識の街に本の寄付と初代校長を快く引き受けてくれた。

 そしてこのガルファス様はどこかの州の元王族で幼少期から人を使ってただけあって
 運営掌握という舵取りのバランスがかなり上手い。

 つまり、幼少期に変人だと看破されないようにバランスを取って動いていた人だからこそトップの座をすぐに空けたのだ。

 王族時代のお小遣いは屋敷と本の購入と本の所蔵の場を作ることに全てを注ぐとか変人、奇人の類だ。

 それにこの爺さんは空間魔法の適性が無かったが故に無属性魔法の結界に風属性と重力魔法は多分偶然っぽいのを付与して
 『ミニマム』という本棚と本を無傷で圧縮して置く魔法を見せてくれてのが切っ掛けでもある。

 人は努力や自分の欲しい事象を追い求めれば新たな可能性を開くことが出来るということだ。
 ガルファス様は錬金術や科学も知らないし、魔道具職人でも無いのに付与を感覚で施し空気を抜く圧縮を扱うのだ。

 まさか物に半不壊を付与して物自体を小さくするなんて空間魔法が使える者にはない発想だった。

 商業ギルドマスターは学校開校の式典の司会進行役なのですぐに壇上へ上がる。
 皇女様達と獣王は1番壇上に近い来賓席だ。

 今日は開校の式典に合わせて初代生徒達の入学式でもある。
 街の人や保護者達は羨望の眼差しで初代生徒を見つめる。

 ガルファス様の挨拶、獣王、皇女様達の挨拶が終わり教師達の紹介も終わった。

『では最後にこの学校の開校の立案・建設・運営母体の初期構築、知識の街の中核のアイディアの父。孤児院のケビンだ!!』

 俺はこの街で孤児院のケビンと言えば誰でもわかるくらい有名だった。

「新入生諸君、入学おめでとう。今回生徒の抽選から弾かれた観客席の皆には冬に試験を行う。
 弾いた理由は手に職があったり家族の生活を維持しなきゃ生きていけない人達を弾いた。
 それに既に生活の基盤が成り立ってない子を優先的に入れたかったのでそこは理解してください。

 それとこの新入生達は全員が多種族で構成しています。
 この学校での基本方針は『身分・権力の振りかざしの禁止』『亜人という言葉の禁止』だ。

 これから君達は沢山の面白い学問や知識、未知の世界を見せて勉強意欲を爆発させてもらう。
 その学ぶ姿勢が全員同じなら仲間だ、賢い人と書いてこの学校は賢人学校と名付ける。

 これは君達生徒が先人の賢人を見て更なる飛翔を願って着けた名前だ。
 聞かぬは一生の恥、知らぬは一瞬の恥だ。
 どんどんと知識を吸収してください!

 生徒諸君達は周りとぶつかり同じ熱量を持ち勉強していきき今ある原石を研磨していくことを祈ります。

 この学校では皆さん学生は賢人見習として扱います。人とか魔人とか獣人、エルフ関係ありません。
 平民・貴族も関係ありません、等しく賢人見習です

 では頑張ってくださいね?」


 そう言うと割れんばかりの拍手が巻き起こった。
 学校内でのイジメや差別は起こるかもしれないが表面上はフラットに戻しこれが日常になれば良いなと思っている。


 こうして賢人学校は開校された。


 世界初の本当に全ての人を平等に扱う学校が出来た瞬間だった。
 何故なら……この学校、入学願書に名前を書く欄しか無い。

 初等部から入れば本当にずっとフラットに関係を保てるしまず先生が全員マジで貴族・王族なんて気にせず知識・武力・魔法を追い求める。

 むしろ学者に引き込もうと知識を与える人達を集めた。
 全員がフィールドワークに出る様な人を優先的に集めガルファス様がそもそも元王族だから本当に気にしないで良いのが楽だった。

 貴族・王族の教育は自国でやることや各自でやっておく様に親達には魔法契約書を最初に書いてもらっている。

 イジメには対応するが、身分による物は徹底的に排除して各国の文化の違いの摩擦を起こして新たな文化が出来ることを願ってのことだ。

 貴族・王族との薄っぺらい関係や平民との差を理解するのに理解するのに丁度良い場や交流出来ることを願ってるし

 本当の平民の姿を見せたかったのだ。
 食堂も前世ベースの料理になるので美味しいと思う。

 まぁ……快適過ぎて帰らないという生徒が出たらどうしようとは思ってる。
 学費は完全に無しにしている、商業ギルドでこの学校名義で口座を作り

 俺はこの間、保証契約を結んだ物を何個か名義や権利を渡して今も口座にお金が入っていくことだろう。
 これから先の運営資金はこの保証契約と各国の資金提供が主になる。

 それと、この学校の開校に触発されて他の国や都市で同じ様な形に一応なっていた学校が触発されたら良いなと思っている。

 既にクロス伯爵領の学校からは提携のお願いが来ていたりする。
 留学のお願いもね? 帝国の学園では伸び悩んでいたり優秀だったのに成績が急激に落ちた子の受け入れを通達もしている。

 下位貴族や平民にそのような兆しがあったので皇女殿下達には伝えた。


 式典が終わると俺はとある屋台へと向かう。
 そこにはせかせか動いている
 孤児院の子供達が居た、この屋台は汁うどんの発売では無く

 焼きうどんみたいな限定商品を多く発売すると爆発的に客が増えたのだった。
 念話で応援を頼み、俺も調理に入る。

 醤油が熱されたり焦げたりした時の匂いって暴力的だよねぇ。
 ここの隣の屋台では焼き鳥や焼きオーク串も売っている。
 試験的にタレを継ぎ足しながら使うのを試している。

 焼き鳥焼きオーク串の屋台自体は1か月前位から店員を孤児院の子供では無く
 元スラムの青年で何をしたら良いか分からず料理系の指針を貰った青年達が居たので任せている。
 元スラムの子供達は皆、協力し合って生きてきただけあり仲間意識が強いのでちょうど良いので引き込んだ。
 それに騎士様の青空教室にも参加していたのでそこそこの武力もあるしな。

 1か月前に比べると既にタレの一体感が凄く角が取れた様な味になっていた。
 これが有名になってくれればノース辺境伯はもっと潤うだろうね。

 この醤油の仕入れには流石に辺境伯に手紙を出した。
 すると呆気ないほど簡単に専属買取契約が結べた。

 手紙の最後に『お前が作った物なんだ、欲しいと思えばいつでも送ってやるのに』と書いてあったが返信に

『現地青年達に商売の難しさを教える為の教材でもあるので気になさらないでください』と書いておく。

 この契約はドワーフ族と人族の醸造所がある村かこちらのお店が潰れない限り継続することを盛り込んである。

 そして青年には孤児院から醤油を仕入れて貰うのだ。
 これで青年は雇われ屋台店主では無くてそのうち自立するだろうね。

 計算方法と内部留保は事前に教えておいた。
 内部留保は転ばぬ先の杖と言うことをみっちり教えた時は顔は青年だけに青かったな!!

 こうして1人の伝説の串焼き職人が出来るなんて思いもしてない。


­­--­­--あとがき­­--­­--

大変申し訳ございません。
いつの間にか寝て起きたら5時でした……
夕方に仮眠しようとしただけなのにね。

ということでこの時間帯になりましたorz
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