236 / 296
世界樹を救え?
235話
しおりを挟む俺が魔力を練り込み臨界点を超えて黒い魔力を纏い本来の魔法戦士の戦闘法に戻る。
すると俺の横に水仙国王が来て
「ふむ、ケビン。お前の戦闘法は興味深い。見させて貰うぞ」
俺は足に魔力を込めて瞬動術を使い邪龍の横に近付き大鎌の刃とは逆側の部分で思い切りぶん殴る。
この大鎌めっちゃ頑丈なんだよね。
ほぼ使い方が斬るじゃなくてハルバードだけど怒られねぇよな?
そして邪龍のクビに目掛けて転移してそのまま自分脚に『グラヴィティ』を掛けてかかと落としを見舞わせる。
それに合わせてレンカやネロ、カロンが動く。
長いこと戦ってきて魔法は龍らしく効きづらいことがわかってるので皆近接戦闘に移行している。
それにしてもレンカとネロの拘束術効かないとはいえかなり嫌がってるね。
そんな時に邪龍の体の下に魔法陣が現れる。
邪龍へ強力な氷魔法が撃ち込まれる。
「ネロ! レンカ! 下のはトアの氷魔法だ。魔法行くぞ!『炎禍』」
「おうよ!『紫炎爆殺塵』」
「『妖狐炎蒼』攻めどきだぜ!」
上は大火事、下は冷凍とか勘弁願いたいね。
「エルフ族を守るのに貴方達ばかりの活躍は許せないんですの!『エアリアル・バースト』」
風の刃が俺達の放った火に更に火力を与える。
『貴様ら……調子に乗るなよぉぉぉ』
そう言うと邪龍は光輝き人型になった。
えっ!? 普通逆じゃないのか?
その姿はローブ姿の黒髪の青年で普通の日本人って感じだった。
ネロが一瞬で接近し何回か切り込んでみるも人型でもあの鱗の硬さは変わらないらしい。
そして人型になったことで邪龍の攻撃方法は自称大賢者の方になる。
魔法陣を通した魔法が展開されるが……
「おいおいおい……これだから昔の混沌としてた時代の魔法は嫌いなんだよ」
5重に重なる魔法陣を見て俺は顔を引き攣らせる。
俺は逆を行う、大賢者は自分を中心地に周りに爆発を外に向けて放出しようとするのを
俺は侵食の影属性と重力魔法でアイツを中心に内側に圧縮するように魔法を展開した。
一瞬光り、最高温度の燃焼が起きたのだろうと思うが負ける訳には行かねぇよ。
あのアホ賢者はさっきの魔法に範囲設定をしてなかった。
あの一撃でここにいる連中全員が一瞬で蒸発した可能性もあるのだ。
カタカタカタと魔法の攻め合いで今も尚膨張を続ける魔法を抑えこもうと必死になる。
耳が遠くなり視界が赤く染まろうが知ったこっちゃない。
あのクソ野郎をそのままミンチ肉にしてやろうという気持ちで圧縮を続ける。
遂に魔法と魔法の圧力に耐えきれなくなった力が上空に流れて大爆発をする。
その爆発の暴風に俺の嫌な予感は当たっており有り得ない程の空気が流れ出た。
「ふざけるなふざけるなぁぁ! 貴様が関わってから計画が全て台無しだ!
この世界に来た時のアイツの様に我を邪魔しやがって……」
知らねぇよ……そして止めた奴ヤバすぎんだろ。
「お前がどの世界が好きで嫌いかなんか関係ねぇんだよ。
今、生きてるのが現実で過去も未来も虚飾や映像の記憶でしかねぇんだからな……」
時間を進めたり遅らせたりは出来ても過去に行ったりピンポイントに未来に行くのなんて出来るのは神ですら出来ねぇんだから。
時空間魔法もあくまで今現在生きている時間に干渉してるだけの魔法だしな。
「我は竜人、人、獣、エルフ、ドワーフ全て敵になった連中全てに復讐する為にその全てを魂になってからそれに捧げてきたんだ
邪魔をするなぁぁ」
あぁ俺がコイツを嫌いな理由わかったわ。
前世の死ぬ前の俺と同じだわ。
全ての存在が嫌いで嫌で今、転生して思い返して観ると優しく気にかけてくれていた人すら
何か計画してるんじゃないのか? と勘繰ってすら居てそんな自分も嫌いなんだけど
そんな自分すら嫌いなことに精神が耐えきれなくなって
周りだけに憎悪を振りまく存在となった……
いやこいつの場合は力を持っていたから成れてしまったのだろう。
「ふはっ、良いじゃん。最高に俺は愚者だって今なら神に向かって誓えるぜ?
死んで尚変われなかった奴と死んで優しさや善の想いを受け取って変われた奴の戦いだもんな……」
それがまさかの賢者と愚者の戦いなんて皮肉過ぎるけどな。
俺は呪い属性の鎖を大鎌から魔法で付ける。
これは『カースチェイン』って言う相手にチマチマ確率付与の状態異常を与えるだけの魔法だ。
大賢者はロングソードを持って斬りかかって来たので大鎌で受け止めつつ鎖を当てる。
闇の本質は侵食、吸収、分断だ。
分断は闇の中に居ると周りに人が居ても確認出来ず孤立した様に見えるその本質が分断になる。
大賢者を見て俺は哀れんでしまった。
こいつがなんで今更勇者召喚なんかしたのか理解出来た。
コイツは共感者が欲しかったのだ。
昔は神同士の話し合いや許可があっても召喚された当事者達は理不尽にこちらの世界に連れてこられた人達だもんな。
剣と大鎌の刃を合わせていると奴の感情は激的な怒りの孤独しかない。
首に目掛けて刃を当ててみたが邪龍の時の様に鱗のみでは無く少し切れていた。
「我を憐れむな! ふざけるなよ……『メテオ・インパクト』ふはははは! 貴様は先程周りを護ったな?
ならば我と戦いながら周りを護れるか試してやろう!」
俺は少しは考えたのかと思ったがこいつ結局馬鹿だろ? と評価を変える。
「俺はお前のおくりびとになってやるよ。なぁ? 上は任せた!」
「「「「『『任せろ!!』』」」」」
だって下手したら俺より強い人が居るのに心配じたいがまず間違いだよ。
10
お気に入りに追加
2,533
あなたにおすすめの小説
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
異世界でも目が腐ってるからなんですか?
萩場ぬし
ファンタジー
目付きが悪さからか理不尽な扱いを受けるサラリーマン、八咫 来瀬(やた らいせ)。
そんな彼はある日、1匹の黒猫と出会う。
「仮にラノベみたいな……異世界にでも行けたらとは思うよな」
そう呟いた彼は黒猫からドロップキックをされ、その日を境に平凡だった日常から異世界生活へと変わる。
決して主人公にはなれない男のダークファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる