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世界樹を救え?

233話

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 色々とやらされた次の日の朝。
 黒子と琥珀と俺で作った結界に罅が入り始める。

 各自幻術を纏わせ配置着く。
 結界に綻びが出始めてから1時間ほどで結界が壊れた。

『ふははは!脆いわこんな結界! む? 多少の時間は経ってしまったらしいな!
 エルフ族の小隊を集めた所で何の足しにもならんわぁ!』

 この結界、精神と〇の部屋の逆バージョンで中に居る時間は短いのに外はかなり時間が経ってるという夢の状況だ。

 愚者っぽいだろ? 先延ばし先延ばしして答えにたどり着こうと努力する点がそんな感じするでしょ?

 そんな時、恨みの溜まった連中が動き出す。

「クソッタレがぁぁぁ!聖剣解放『セイント・ジャッジメント』」

「後鳥羽くん行くよ!」

「OK天野さん!」

「「『サンクチュアリ・エリア』」」

 うわぁ……瞳術師の聖属性の魔法と結界師の空間固定はえぐいね。

「『女神の祝福』追加ですよ! 私達を騙した報いを受けなさい!」

 へぇ? 聖女の大技を見て思うんだけど……この世界ヤバい運命の女神以外、女神って見た事ないぞ?

 死神は幼女神だからな! あいつ超絶ヤバいから効果期待出来ないんだけど?

『ぐっ!? 貴様らァ!? 【我に逆らうな!】……? 【我に逆らうな!】……?
 どうして指示が出来ない? それに紋も現れないだと?』

 俺を目敏く見つけ睨んでくる邪龍に対して俺は笑みを浮かべてしまう。

「おおう? どうした邪龍さんよ? どうして俺を睨むんだよ?」


 してやったりと思うからこそもっと怒り狂って欲しいよね。
 さっきから死の吐息を吐いてるけど結界師と瞳術師の力でねじ伏せてるのが意外だった。

 この子達まだ召喚されて2週間経ってないとは思えないくらい強いんだけど?

 それに意外と効いたのが……

『グォォォォ!!? 卑怯だぞ貴様ァァ。辛ァァァ』

 口を大きく開けて無防備なもんだから1回試してみたくて『サイコキネシス』で唐辛子をぶち込んでみたら結構ダメージ与えたわ。

 そんな時に強大な魔力の昂りを感じでそちらに目を向けると影の大剣が空中に浮かんでおりその影の大剣は回転を始めて
 魔力と回転力がどんどん上がり邪龍にぶち込まれた。

『ぐぬぬぬ? どういう事だぁ? エルフ族が影属性だと?』

 いやぁバレたか? なんて気をそらそうと動こうとすると美味しい所を持っていくのはカロンだった。

「うるさいなぁ。私のカレー食べ放題の為にさっさと消えてなくなれよ!『神槍ロンギヌス』」

 えっ!? 食べ放題とか聞いてないんだけど。
 それにカロンが持ってた槍はめちゃくちゃ頑丈だと思ってたら神槍だったのかよ!

『は? なんだその威力はえぐぉぉぉぉ!!』

 邪龍さんでも引いてる威力になってるじゃんかよ!

 そんな時、遠くから魔法が打ち上げられるのが見えた。
 俺の脇に控えて居たタビが耳打ちしてくる。

「昔の同僚です! こちらも魔法を打ち上げますね!」


 俺は許可に同意する頷きを見せると青白い聖剣みたいな輝きを見せる槍が飛んできた。

「カロン!! 帝国からの武器の支援だ!」

 カロンは空中にふわりと浮かぶと飛んできた槍を掴む。
 カロンが持った瞬間に青色の輝きが増して本当に聖なる武器っぽいんだけど……
 邪龍に勝ちたい理由が食い放題という食い気だと思うと気が滅入るな。

 俺の横にハビスがやってくる。

「坊っちゃま、帝国影32小隊全部隊救援に来ました。今からケビン・クロス様に全部隊指揮権をお渡し致します!」

 俺はそんなことを言われてもと思ったがふと隣を見て思う。

「わかった! 全部隊の指揮権を現在コードネームタビに移行する。
 本件の君達の役割は嫌がらせでその間に強火力の攻撃を浴びせ続けることだ! 頼むぞタビ!」

「かしこまりました。では翁行きましょうか?」

 ハビスは翁なのねー。
 それに羨望の眼差しで見られてるのは何なんだろうかね?

 まっいっか! 取り敢えず帝国最強軍が支援に来るとは思いもしなかった。
 親父は外遊からの帰宅途中だったからハビスが来ること自体結構なことなんだけどな?


 そんな時、上から悲鳴の様な声が響く。

「私はいつになったら許して貰えるのですか!!
 いつまでもこんな状況じゃ嫁の貰い手も無いじゃ無いですか!」

 そう剣を邪龍に思いっきりぶつけた姿に冒険者になれば旦那の貰い手はあるんじゃない? と言いたかったが目が血走ってて言えなかった。


「おーう……久しぶりだな。ハンナもうすっかり忘れて次に向かってると思ってたんだけど?
 親父なら再登用もしただろうし、冒険者としてもA~Sランク確実なんだぞ?」


 ぷくぅと頬を膨らませるハンナは子供の頃に関わっていたまんまだった。

「それをケビン様と一緒にするって言ってたじゃないですか!!
 こっちが悪いことしたのは事実ですけれど新しい街作るなら教えてくださいよ!」

 いや、情報早いよ……

 念話が飛んでくる。

『くくくっ、痴話喧嘩か? 面白い余興だもっとやれやれ!』

 水仙国王のヤジが入ってきてカオスになる。

「よっしゃぁぁ! 戦闘バリバリすんぞぉぉオラァ!」

『「逃げた……」な』

 止めて……念話と会話どっちもハモるとか恐怖体験よ?
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