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世界樹を救え?
222話
しおりを挟む俺はとあることを思いつき今はそれの作成に勤しんでいる。
世界樹の森でダメになった樹を伐採して錬金術で加工する。
そして今まで膨大に溜め込んできた魔物素材を放出する。
俺が超特急で作ったのは太鼓だ。
前世の古代人間文明から楽器というのは民族舞踊や士気上げ、敵への足音の笠増し等色々な用途に使われてきた。
この世界、音楽が全く発展してないことを思い出して相手の士気を下げる用途にも使えると踏んだのだ。
音楽とは最初に部族ごとに発展していくものだがこの世界種族がポロポロといきなり現れていることから鑑みると原始人が居らず神が一気に作ったのでは? と思っていたのだ。
ちなみに追い込み猟としても使っていたという説もあるらしいぞ?
大きな音を立てて動物をその方向に追い込む時に犬や狼と共に人間が包囲網を敷く時に使うことも人間の知恵だね。
大規模化することによって用途が変わって行ったとも言われている。
太鼓や笛、狼煙の組み合わせで連絡を取り合ったり武将の存在を大きく見せたりするのにも使われていたともね。
完成した太鼓を使うとエルフ族は肩をビクッと跳ねさせていた。
しかし用途や大勢のひとで使うと足並みが揃ったり足音の様に聴かせることも可能と言うと驚いていた。
バチは木で作った物に布を着けたり毛皮の端材を布で纏めた物を装着したりした。
「はぁ……君の着想は何だか次元を超えてるきがするよ」
アラレオさん正解! 前世の近代においては悪手でしかないが
魔法があるとは言え殴り合い主流のこの世界では未だに有効になる。
勇者には一切効かずとも強制徴集された平民には未知なる音と存在は効果大のはずだ。
せっせと大小様々な太鼓を作り俺達は森の近くの結界ギリギリの場所に本陣を作り始めた。
1番大変だと思っていた仮設砦の建設は俺じゃなくてエルフ族の戦士が得意だった。
流石は激動の時代を生きていた人達だ。
砦は壊し壊され直し直されを繰り返していた時代で何回も経験があるらしい。
そこに俺の無駄な雑学を組み込むことにより新たなる知識が生まれる。
「こ、これは……凄いな。ここなら手を出すだけで精霊術が使える!!」
これは城の護りに火縄銃を壁から砲身だけ出して使っていたという先人の知恵を使わせて貰った。
今回の戦闘参加者は明らかにこちらが人数的に不利なのは初めからわかっていたからだ。
相手は1万人規模の徴兵でこちらは500人居れば御の字なのだから。
俺は木製の壁に『強靭』『耐火』『堅固』の魔法陣を刻み込んだ。
アラレオさんと世界樹の精霊にも相談し結界も張る。
弓兵は狙われるからね。
エルフ族の怖い所は弓は苦手だという人でも弱い魔物なら狩れるということだ。
弓の名手とはなんぞや? 聞いてみたら。
「む? 弓の名手だと?
オークの大軍相手取っても離れた場所からオークの指揮官の眉間を撃ち抜ける者のことだ」
アラレオさん……それ名手じゃなくてスナイパーだからね?
ゾッとしたよ、そんな名手が過去の弓とは別格の弓を使ってるんだから……
作ったのは知識の街に来ていたドワーフ族だ。
同じ精霊派生種として弓を作ってくれたのだ。
素材と対価に酒を渡したら5人で100張の弓を作ってくれたよ……2日で。
1人あたり1日20作り2日目は乾燥と出来具合を確認してこちらに持ってきて最後にエルフ族が弦を張り威力確認をした。
そして俺はドワーフにとある素材を渡して作って貰ったらえらいもん作って寄越しやがった。
俺の目の前には金属製の弓がある。
鑑定を使うと
『魔導弓/SS/使用者の魔力を吸い取り矢を生成し使用者の魔力を使い威力が上がる』
なんてもん作ってんだよ!
アローレインとかやってみたくなるじゃないか!
全力で止められた。
雷属性を込めて適当に撃ったらなんかすごい剣幕でワイバーンが攻めて来た。
「おかしいな……ワイバーンって北の魔の森生息なんだけどな?」
エルフ族の全員がこちらに非難の目を向けて来やがる。なんて日だ!
ワイバーン? 魔力大鎌で頭と体をバイバイして貰いましたけど何か?
その後20体位後続から来たけど黒子と琥珀に追い回されて逃げ惑っていたよ。
獣耳双子のワイバーンサッカーを見て複数人が立ったまま気絶していたよ。
そして何でこんなに蹴鞠? サッカーが好きなのか聞いたら驚愕の事実を知った。
『んーん? 君が言った』『言った!言った!』
『『お肉は叩くと柔らかくなるって!きゃははは!』』
うん、ハンバーグかなんか作ったりトンカツ作る時言った記憶があるんだけどさ……
俺は太鼓で遊んでいた龍神がバチを落としたのを見逃さなかった。
『我も食材扱い……?』
肩を震わせていた。現世で初めて会った時に確かに龍神蹴鞠にされていたのを俺も覚えてるよ。双子にとって君非常食だね……
「おめでとう……もしそうなったら美味しく調理するよ」
『お主我に対して遠慮が無さ過ぎるぞ!?』
知らねぇよ……俺にとって
双子=魔法神・破壊神>家族・友人・孤児院の子供>その他大勢>龍神>魔物・獲物
という優先順位だからな。栄養になってください!という意味も込めてニヤリと笑ってやんよ!
創造神様? あーあれは殺しても死なねぇよ。
絶対にドッキリ大成功とか言って死んだフリするタイプの道化は心配するとバカを見るからやめてる。
※ワイバーンは皆で唐揚げにして美味しくいただきました。
その時の双子の言葉によりまたしても嫌がらせを思いつく。
『『遠くから流れてきてもこの匂いは幸せ~』』
へ? そんな遠くまで流れてんのこれ?
黒子と琥珀に聞くと結界の外には沢山の鼻の良い魔物が集まってきてるらしい。
毎日、ボアやオークを狩ってくるから何事とか遠出しすぎだと思っていたがこちらが引き込んでいたらしい。
「料理から始める料理テイマーというのも良いかもしれない……」
餌付け、えづけ、E・DU・KE!
えずけオェー。ズパんとタビからハリセンで叩かれた。
「何をしてらっしゃるのですか?」
俺は机に向かっていた紙を取られて内容を読まれると呆れられた。
実験出来ないかなぁと簡潔にやりたい実験内容を書いていたのだ。
テイムは出来なくても美味しい料理の匂いの嫌がらせと魔物の誘導はできるなと考えてたのだった。
「ケビン様? やってること御伽噺の魔王ですよ?」
グハッ!? 心に傷を負うのであった。
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