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世界樹を救え?

220話

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 アラレオさんが思考停止の行動停止になったので暇になった。

 仕方ないので龍神がバンバン叩いている結界を解析して組み換えた。
 その組み換えは今、俺達やエルフ族(悪意無し)と言った人だけが入れる結界で
 ちなみに土竜も話せる高位魔物ということでアラレオさんに頼んで入れるようにして貰っていた。

 土竜もワームが豊富に居るこの森は餌に困らないとウィンウィンの関係だからだ。
 なのでその判別術式は魔力の個人識別を行っておりそこの余白にウザい龍神を付け加えた。

 その結果何が起きるかというと……

『うぉぉぉ!?』

 結界を透過して龍神が落ちてきた。
 地面に激突して顔面から落ちたが一切怪我してないのには呆れた耐久力だと思う。

 かすり傷位付けよ……

『ふむ、ケビンよ久しいな! 我が来た理由はわかるだろ?』

 憎たらしい笑みを浮かべた龍神が偉そうにするのでボケーっと視線を合わせない。

『む? 我の声が聞こえぬかったか? おーいーケービーンー』

 空間把握で人の居場所は確認しているのであたかも目の前には誰も居ません的な反応でアラレオさんの正気に戻す。

『見えておるのだろ? え!? ほんとに我見えてない?』

「アラレオさん? いい加減正気に戻ってください。『ビリビリ』」

 このビリビリは俺が初めて作ったオリジナル魔法である。
 罰ゲームのビリビリや込める魔力を変えるとライターの電気位のちょっと痺れて少し痛い程度の嫌がらせ魔法だったりする。

「んひゃ!? あ? あぁすまない。それで今はどういう状況なんだい?」

「ん? 何がですか? 至って普通ですよ?」

 俺はニッコリと笑うも今俺の腕や上半身にしがみついたり揺らそうとする龍神を無視して揺らしは耐えてる。
 
『わーれー見えてないのー?』 

「ひっ!?」

 アラレオさんが反応しちゃったよ……

「初めまして先々代世界樹の巫女のアラレオ・ユグドラシルレインです!」

『ふむ、そこの不敬なチンチクリンと違いグベェ……痛いぞケビン!』

 俺の横で偉そうにチンチクリン発言しやがったから
 本気で魔力まで纏って横腹に蹴りをかましたのに少し吹き飛んだだけで耐えやがった。

「ちっ、頑丈だな……あっ!そうだ!黒子~琥珀~」

『『なぁーにぃー??』』

『ぬっ!? 何故こやつらがここに居るのだ!?』

『『あ~おじちゃんだ!!』』

「遊び相手が来たぞー」

 俺はニヤリと笑みを浮かべる。
 その瞬間に龍神はガードをかためたが黒子と琥珀のパンチで体が浮かび上がる。

「里は壊すなよ~」

『『はーい!!』』

 あれ? 龍神マジで蹴鞠にされてる様に見えるんだけど? 神同士の力関係がわからんな。

 アラレオさんは盛大に顔が引きつってるけど気にしないよ俺は。

「ケビンは何か龍神様に恨みでもあるのか?」

 俺はスッキリとした笑顔で頷き。

「つい最近神罰があったんですけどその元凶でダンジョンの最下層の更にしたの出口の無い場所に閉じ込められ殺されかけました」

 ドン引き超えたドン引きしてるよ。

 その後は色々食事の下拵えをしておやつの時間(双子用)になったからテーブルを出す。
 アラレオさんにも座ってもらい2人を呼び出す。

「黒子、琥珀! おやつだぞ!」

 音も立てずに2人は戻ってきて座る。

「今日は……プリンアラモードと最中だぞ!」

『『わーい!』』

 前におやつと呼んだら爆速スピードで戻ってきてテーブルを吹き飛ばして怒ってからは一切空気のゆらぎすら見せずに登場するようになった。

 食べたいからって急いできておやつ吹き飛ばしていたら本末転倒だもんな。


 その10分後、食べ終わった2人は食休みのお昼寝に入る。
 それと同時に疲れきったボロボロの龍神が戻ってきた。

「なぁ龍神って弱いのか?」

『うむ、地球の神使よりは弱いの……摂理が違うからの。
 我を倒して英雄という国が多過ぎるのじゃよ。
 そんな理を持つ世界の神使に勝てるわけがないじゃろ……寝てる間は可愛いのにのう』

 ふむ? 思い込みって奴かな? 前世の日本では神の中でも最上級だと思っていたんだけどな。
 龍神は龍でもあり竜でもあるということなら有り得るな。

 英雄譚の怪物ドラゴンは竜だからな。

『ケビン、創造神様からの伝言だ。
 今回の召喚で次元に穴が盛大にあいてそこから邪なる存在がこちらに入ってこようとしているのを止めているから雑な神託を出した。
 男は特に何もしないけど女は貞操具を着けて外せない様にした……だそうだ』

 まぁ、ギリ許せる感じかな?

「それで全世界の魔力が引っ張られた理由って分かるか?」

 お茶を出してやるとそれを飲み一息つく。

『簡単じゃ、召喚者を次元空間の圧力から守る為に強制的にとられたんじゃ。

 本来の勇者召喚は神と地上の者の合意で行われ神が召喚者を守り許可を出して次元に道を作るのじゃ。

 だからこそ禁忌と呼ばれているって昔居た隠居神が言っておったぞ?』

 いや……疑問形で言われてもね?
 なんかいきなりじゃとか言うからキャラ付けし始めたと思ったら受け売り通り一言一句そのまま俺に渡してくんのかよ!

「はぁ……あの感じだとここ狙ってくるよな?」

『ふむ、そうだろうな? 黒幕が狙ってるのは魔力だろうしここを管理するのがエルフということも気に食わないだろうな』

 だよねぇ……本当に嫌になるよ。

 俺はあの既に召喚時に組み込まれ魂に刻まれた隷属の効果を消す為の研究に頭を悩ませるのであった。
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