221 / 296
世界樹を救え?
220話
しおりを挟むアラレオさんが思考停止の行動停止になったので暇になった。
仕方ないので龍神がバンバン叩いている結界を解析して組み換えた。
その組み換えは今、俺達やエルフ族(悪意無し)と言った人だけが入れる結界で
ちなみに土竜も話せる高位魔物ということでアラレオさんに頼んで入れるようにして貰っていた。
土竜もワームが豊富に居るこの森は餌に困らないとウィンウィンの関係だからだ。
なのでその判別術式は魔力の個人識別を行っておりそこの余白にウザい龍神を付け加えた。
その結果何が起きるかというと……
『うぉぉぉ!?』
結界を透過して龍神が落ちてきた。
地面に激突して顔面から落ちたが一切怪我してないのには呆れた耐久力だと思う。
かすり傷位付けよ……
『ふむ、ケビンよ久しいな! 我が来た理由はわかるだろ?』
憎たらしい笑みを浮かべた龍神が偉そうにするのでボケーっと視線を合わせない。
『む? 我の声が聞こえぬかったか? おーいーケービーンー』
空間把握で人の居場所は確認しているのであたかも目の前には誰も居ません的な反応でアラレオさんの正気に戻す。
『見えておるのだろ? え!? ほんとに我見えてない?』
「アラレオさん? いい加減正気に戻ってください。『ビリビリ』」
このビリビリは俺が初めて作ったオリジナル魔法である。
罰ゲームのビリビリや込める魔力を変えるとライターの電気位のちょっと痺れて少し痛い程度の嫌がらせ魔法だったりする。
「んひゃ!? あ? あぁすまない。それで今はどういう状況なんだい?」
「ん? 何がですか? 至って普通ですよ?」
俺はニッコリと笑うも今俺の腕や上半身にしがみついたり揺らそうとする龍神を無視して揺らしは耐えてる。
『わーれー見えてないのー?』
「ひっ!?」
アラレオさんが反応しちゃったよ……
「初めまして先々代世界樹の巫女のアラレオ・ユグドラシルレインです!」
『ふむ、そこの不敬なチンチクリンと違いグベェ……痛いぞケビン!』
俺の横で偉そうにチンチクリン発言しやがったから
本気で魔力まで纏って横腹に蹴りをかましたのに少し吹き飛んだだけで耐えやがった。
「ちっ、頑丈だな……あっ!そうだ!黒子~琥珀~」
『『なぁーにぃー??』』
『ぬっ!? 何故こやつらがここに居るのだ!?』
『『あ~おじちゃんだ!!』』
「遊び相手が来たぞー」
俺はニヤリと笑みを浮かべる。
その瞬間に龍神はガードをかためたが黒子と琥珀のパンチで体が浮かび上がる。
「里は壊すなよ~」
『『はーい!!』』
あれ? 龍神マジで蹴鞠にされてる様に見えるんだけど? 神同士の力関係がわからんな。
アラレオさんは盛大に顔が引きつってるけど気にしないよ俺は。
「ケビンは何か龍神様に恨みでもあるのか?」
俺はスッキリとした笑顔で頷き。
「つい最近神罰があったんですけどその元凶でダンジョンの最下層の更にしたの出口の無い場所に閉じ込められ殺されかけました」
ドン引き超えたドン引きしてるよ。
その後は色々食事の下拵えをしておやつの時間(双子用)になったからテーブルを出す。
アラレオさんにも座ってもらい2人を呼び出す。
「黒子、琥珀! おやつだぞ!」
音も立てずに2人は戻ってきて座る。
「今日は……プリンアラモードと最中だぞ!」
『『わーい!』』
前におやつと呼んだら爆速スピードで戻ってきてテーブルを吹き飛ばして怒ってからは一切空気のゆらぎすら見せずに登場するようになった。
食べたいからって急いできておやつ吹き飛ばしていたら本末転倒だもんな。
その10分後、食べ終わった2人は食休みのお昼寝に入る。
それと同時に疲れきったボロボロの龍神が戻ってきた。
「なぁ龍神って弱いのか?」
『うむ、地球の神使よりは弱いの……摂理が違うからの。
我を倒して英雄という国が多過ぎるのじゃよ。
そんな理を持つ世界の神使に勝てるわけがないじゃろ……寝てる間は可愛いのにのう』
ふむ? 思い込みって奴かな? 前世の日本では神の中でも最上級だと思っていたんだけどな。
龍神は龍でもあり竜でもあるということなら有り得るな。
英雄譚の怪物ドラゴンは竜だからな。
『ケビン、創造神様からの伝言だ。
今回の召喚で次元に穴が盛大にあいてそこから邪なる存在がこちらに入ってこようとしているのを止めているから雑な神託を出した。
男は特に何もしないけど女は貞操具を着けて外せない様にした……だそうだ』
まぁ、ギリ許せる感じかな?
「それで全世界の魔力が引っ張られた理由って分かるか?」
お茶を出してやるとそれを飲み一息つく。
『簡単じゃ、召喚者を次元空間の圧力から守る為に強制的にとられたんじゃ。
本来の勇者召喚は神と地上の者の合意で行われ神が召喚者を守り許可を出して次元に道を作るのじゃ。
だからこそ禁忌と呼ばれているって昔居た隠居神が言っておったぞ?』
いや……疑問形で言われてもね?
なんかいきなりじゃとか言うからキャラ付けし始めたと思ったら受け売り通り一言一句そのまま俺に渡してくんのかよ!
「はぁ……あの感じだとここ狙ってくるよな?」
『ふむ、そうだろうな? 黒幕が狙ってるのは魔力だろうしここを管理するのがエルフということも気に食わないだろうな』
だよねぇ……本当に嫌になるよ。
俺はあの既に召喚時に組み込まれ魂に刻まれた隷属の効果を消す為の研究に頭を悩ませるのであった。
10
お気に入りに追加
2,533
あなたにおすすめの小説
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる