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世界樹を救え?
216話
しおりを挟むあれから1週間が経った、今や里に残っていたエルフ族の男性には細マッチョブーム旋風が巻き起こっている。
そして……
バシーンーーという音と共に怒声が聞こえる。
「軟弱者がぁぁぁ! そんなもんで私に愛を告げるなど烏滸がましいわぁぁ!」
「ひゃい! ありゅがちょうごじゃいます!」
ナンニモ ミテナイヨ?
グロリアスですらドン引きしてるさ。
ちなみに1番痛ましい顔をしているのはエルフ族の戦士の男性人である。
「時代って変わるもんだな……」
「あのビンタが嫌で俺たちゃ死に物狂いで訓練したのに……アイツら喜んでるぜ?」
数人が遠い目をして空を眺めていた。
因みに巫女さんはもっと悲惨だ。
ーー1週間のことだ
アラレオさんに怒られ、巫女は言ってはいけないことを言ってしまった。
「先々代だかなんだか知らないが高貴な私に指図ブヘェェ」
古代のエルフ族の女性なんでそんなにビンタ好きなの? こえぇぇよ。
そこから今代の巫女のお尻をパチンパチンと叩き太鼓の達人始めて周りのエルフ族の戦士が
アラレオさんが「はいよぉー!」と言うと空間魔法から楽器を出して演奏しだしたんだけどさ……
何故か尻を叩く音と打楽器の音、巫女の悲鳴と弦楽器の音がマッチしてんだよ。
昔のエルフ族はこうやって悪いことをすると自分のお尻が楽器となって恥ずかしさと痛みを持って反省させるらしい。
演奏? 精霊達も協力して演出するもんだから幻想的でしたよ? 演奏終わりの静寂な余韻に浸る時に泣き声が聞こえなきゃね。
俺達はそんな地獄な里にドン引きしつつ、この1週間毎日粉砕チップや腐葉土を森にばら撒き、外縁部のやせ細った奴らに炊き出しをしていた。
そんな中、世界樹の巫女と精霊も先々代にこっぴどく叱られ毎日涙目になってる。
アラレオさん曰く「史上最低の実力の巫女」らしい。うん、確かに弱かった気がする。
途中タビが合流して現代の常識の擦り合わせを行いながら2人の再教育を行っている。
炊き出し準備中は怒声とドン引きの「アヒィィ」「もっとー」という悲鳴? 嬉声? が聞こえてくるのだ。
この森には世界樹の精霊と先々代の巫女、そしてミアとカイナとユリアさんで結界を張り直していた。
まさか陽の光の効果すら通さない結界を張ったことにより沼地みたいになりワーム侵攻が起きてたなんてな?
植物は確かに光さえあれば光合成を行うがそれでも日光に比べればかなり薄い。
そしてこの結界を巫女に教えたのは元老院の長老のうちの1人だった。
それに迷いの森と名を与えて里自体に他種族が近付けない様に細工していた。
まぁ、森が正常だったら多分AランクからSランク冒険者には効かないけど。
それでも普通の軍なら確実にかかる、斥候や隠密系統の職は戦闘系ではない為にほぼ個人戦力でSランク冒険者クラスの人は国軍には居ないからだ。
そんなに強かったり特殊なスキルを持っていたとしたらダンジョンに1人で潜った方が何倍も稼げるからな。
そんなある日、嫌な雰囲気の気配が俺の感知範囲に入った。
この里の権力者達だった……国を見捨て逃亡した愛国心すら持たない欲の権化だ。
呆れて厚顔無恥さに俺がある意味尊敬したよ欲深さと精神力の強さに
そもそもここの結界を世界樹の精霊は『精霊』と『世界樹』と『エルフ族』に対する欲望や害意や敵意を見せなければ普通に入れるタイプの結界なのだ。
入れない時点で敵確定なんだよね!
そもそも1週間も帰ってこないから家探ししちゃったんだよねぇ。
外縁部のエルフ族は木造建築に拘った為に1度全ての建物をマジックボックスに収納したりして再分配や新戸を建てた。
オマケで魔法陣の魔改造付きなのでそうそう壊れないし燃えない。
増設を繰り返しぐちゃぐちゃで汚かった里を綺麗に見えるように通路をしっかりと決めて再配置と建築に動いていた。
元老院の建物だが……アラレオさんが建物の中身を見て中身全てを収納した瞬間に正拳突きをして破壊した。
アラレオさんから重大な話も聞けた。
たまたま世間話程度で長老達の精霊術が酷いと言った時に
「当たり前よ。精霊様は過度な欲に嫌悪感を持っていたり自然に感謝出来ない奴には協力しないのよ。
そんなことも知らないので老害だわっ!」
石化期間も含めたら老害って……すみません何もカンガエテ ナイデスヨ?
あの時の殺気のこもった視線を思い出して身震いした。
大気が震える程の魔力が流れる。
これはユリアさんとアラレオさんだな?
ユリアさんが戻って来て『ここは儂らの国だ!』とのたまう連中を精霊術で空中に飛ばし
それを火炎系統の精霊術でアラレオさんが空に向かって行った連中にぶち当てた。
容赦ないっすね。
「たーまーやー!!」
俺はそう掛け声をかけると何故な2人共テンポよくお昼過ぎの空に炎が上がるように攻撃してる。
花火と言ったらこの掛け声だよね! 意味は知らんけど。
エルフ族の子供達がキャッキャッと真似してきて加速していた。
「グロリアス!!?」
俺とグロリアスは全速力で走る。
そして2人共に同じタイミングで木の枝にジャンプしてそのまま空を飛ぶ。
狂信者の元皇国側の反対から軍隊規模ほ軍がこちらに向かってきていたのだ。
「グロリアス! 共和国じゃねぇな?」
そう言うと一瞬振り返り器用にこちらに見えるように頷いた。
あーヤダヤダ、軽度の世界の危機に尽力してるのにどうしてこうもアホなんだよ。
あっ……なんか忘れてると思ったけど水仙国の密偵兼暗殺者に俺ご飯あげてなくね?
カレー何回か作った記憶が……まぁいっか!
そんな時、共和国で1人の毒竜能力使いの女性がくしゃみしてたなど俺は知らない。
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