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共和国編〜好きに生きる為に〜

126話

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 次の日の早朝、建物に付随してきた庭でスクテロとトヤと模擬戦をしてコテンパンにした。

「つ、強過ぎる……寝てたのに何で強くなってるんだ!!  理不尽だぞ!ケビン!」

 トヤがそう叫ぶが身長をからかわれた昨日の事を未だに根に持ってる大人気ない俺は

「ふははは!! 4年前俺は魔力回路の太さが全く足りないのに魔物を倒す事で魔力を更に増やす悪循環をしていたのを
 夢の中で修行して克服したのだ!!」

 そう言ってる間も魔力をわざとダダ漏れさせてるので
 スクテロに至っては魔力感知が苦手なのにその膨大な魔力に当てられ顔を青くしていた。

 笑い声を上げてローブをはためかせていると正しく魔王と呼ばれる程気味悪いだろうなぁ。

「次は本気で行くぞ! 『竜気解放』!!」

 そういうとトヤの威圧感が更に増す。
 先程まで気の強化をしていても色は無かったが
 今は青い気の色が所々鱗の様に見える。
 意外と竜の力を使いこなしているみたいだな。

「うぉら!『竜爪牙』!」

 俺は最初成長やその鱗が現れる姿に厨二チックな姿に興奮していたが……技名を聞いてスンっと真顔に戻り。
 クロと修行していた時に使っていた魔力刃を手に作りトヤの技を真正面から受け止め。

「爪か牙がどっちなんだこのアホ!!」

「ふべらっ!」

 そう言って受け止めた力を使って空いてる手でトヤの顎を拳で打ち抜く。

「うぉぉぉぉぉ??! 何だこれ? 足に力が入らん!?」

「産まれたての小鹿の様なトヤに質問だ。
 そんなに膝をガクガクさせて……隙だらけなんだが?」

 次の瞬間、トヤには雷魔法で痺れて貰った。
 スクテロ? 一緒に気絶したよ。

 2人の事は放っておいて俺は飲食スペースに戻り準備の手伝いを始めるのであった。


 この日のお昼前に俺とタビの忙しさのピークが来ていた。

「へいっ!鶏塩一丁!お待ち!」

 うどんの配布に思ったよりも人が集まり、食べた後は
 成人前や成人したばかりの奴らは保護。

 それに該当しない連中には今庭でトヤとスクテロとトアに技術指導を頼んでいた。

 ここで孤児院プラス就職活動の為の技能実習生にしようかな? と俺は目論んでいた。

 飲食店を経営させる事でお金の使い方を学ばせる人間や接客等の人も最速で仕込む事が出来る。

 毎日、毎日の食事や生活。命の心配をしてた連中からすれば神域にも見える場所にしようとしていたのであった。

 うどんは人によってかなりの差が生まれる職人技だけれど……
 ある一定の基準までは教え方や作り方の手順と量、後は慣れで出来るのだ。

 この日、この孤児院(仮)に入院したのは女の子10人と男の3人だけだった。

 男の子は希望者が後15人程居たのだが……
 妨害行為に出ようとしたり、女の子達に危害を加えようとした為に

 衛兵の詰所に連行した。
 かなり喚いていたり、目先の金に目が眩んだ事を泣いて謝る者も居たが。

 衛兵の取り調べで威圧を受けると逆ギレしたり、現実逃避行動をする奴らが殆どだった。

 技術指導も手っ取り早い力を寄越せと最低限の礼儀も出来ない奴が多過ぎた為に
 トヤやスクテロに外に連れ出されていた。


 タビと俺が孤児院(仮)に戻ると赤い装備やバンダナを着けた連中がうろついていた。

「おい、うちに何か用か?」

 俺が声をかけると、そいつらはニタニタと底意地の悪い笑みを浮かべ

「おう? ここタダ飯食わせてくれる場所なんだろ?

 暁の蛇様が食堂代わりに使ってやるよ? 光栄だろ?
 後、そんな施しが出来るんなら金持ってるだろ? 死にたくないなら出せ」

 10人以上が抜剣しやがった……
 俺は頭を抱え、タビはため息をつく。

「何、今更びびった所で」

 バタバタ……

 目の前に居たリーダーらしき男はマリオネット人形の糸が切られたが如く地面に伏した。

「お、おい? リーダー?」

 コイツらからは見えなかっただろうな。
 魔力刃を心臓目掛けて一突きしたのだ。

「おやおや? 襲撃犯の癖に仲間が死ぬ事は許容出来ませんかねぇ?」

 タビは狼狽えていた奴以外全員を即座に殺した。

「さて、お前にはやって貰う事があるなぁ?」

「ひぃぃぃ……すみませんすみません。もうやりませんから見逃して。
 ぎゃぁぁぁぁ!!腕がぁ……腕が取れちゃったよぉぉぉ」

「心配するな。やって貰うことがあると言ったろ?
 腕がなくなった程度では死なせんよ」

 俺は即座に治癒魔法で腕の傷を塞ぎ両腕を切り落とした。

「さて……君にはこいつらの頭をアジトに連れて帰るんだ。

 もしもだ。次も人が来るようなら……」

「来るようなら?」

 男は俺の言葉に興味本位で言葉を繰り返し質問してきたので答えてやる。

「全員干からびて死なせることも出来るぞ?
 超高温の場所に水無しで放置してやることも出来るし。

 全員を狭い洞窟に閉じ込めることも出来るさ!
 さぞかし壮観な眺めになるぞ? 人は飢餓状態が長い間続くと必ず共食いが出るからな?」

 そう言うと、狼狽えていた男はズボンに大洪水を起こしていた。

「す、すぐに去ります。あ、でも首だけは括りつけて貰えますか?」

 俺はタビの方を向くと既に布に包まれた首を男の首にかけた。

「さっさと帰りな。俺の気が変わらないうちにな?」

「ひぇぇぇぇ。おかぁちゃーん」

 そう叫びながらどこかに走り去っていってしまった。

 俺とタビは男達の死体を即座に穴を堀り埋めたのであった。
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