変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜

赤井水

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共和国編〜好きに生きる為に〜

113話

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 依頼の紙の束を貰ってから2週間。

 俺は依頼を片付ける為に西に東にと走りまくって居た。

 ランクの場所を念入りに塗りつぶしてあるが、絶対Dランクじゃないものも混ざってら!!

「Bランクダンジョン内部の素材回収とか普通にCランク上位依頼だろうに!!」

 そう言いつつも俺はBランクダンジョンの12階層の湖の湖畔にて霊薬草を採取しては束ねてマジックボックスへ。

 多分、時間停止か遅延の収納魔道具・スキル持ち・魔法使いしか受けれない足の早い草なのだから。

 ダンジョンのランク付けは基本的に深層の強さと魔力保有量で変わる。
 まぁ、最深層まで調査では行ってないので偶にランクが変わる場合もあるらしい。

 多分この位の深さだろうと思ったらもっと下があって強さが桁違いだったとか
 深層の先で他のダンジョンに繋がっていたとかこんな事も偶にあるらしい。

 ダンジョンにも様々なタイプがあるので一概には〇ランクと定義付けも難しいらしいけど。

 例えば前半部分だけ罠無し、敵弱しで15階層を超えたら
 急に敵が3段階ランクアップ何て誘い込みをかけて来たダンジョンもあったり。

 スライムだけの階層を抜けて階層移動用の転移魔法陣が罠で
 次の階層、毒沼+スライムとヒュドラだらけだった何て1発終了のダンジョンもあったらしい。

 そういうダンジョンは特殊ランクという特定環境特化の冒険者や
 高ランク冒険者が確認してランク付けをして封鎖かどうか決めるらしい。

 そんな事を考えつつも俺はダンジョンから出る為に15階層のボス部屋に到着する。

 依頼書の補足情報によるとここの15階層ボスはハーピーなので
 遠距離攻撃が苦手なパーティや冒険者は引き返す事を勧めると書いてあった。

 扉を押しのけると……20m以上ある天井付近に何か出っ張りがあり

 そこに奴らは巣を作り暮らしてる様に見えた。

「うん、いきなりだけどごめんね?『レイ』『サンダースピア』」


 俺は速度重視の光魔法と攻撃到達時に範囲攻撃になる雷魔法を初撃ぶっぱなした。

 別に視認転移をして近接戦闘をしても良いが演出の如く固まって
 上から降りてくるのを見ている必要は無いという判断だ。

 ソロだからこう言う敵にも味方にも合わせる必要の無い
 容赦の無い攻撃が出来るのは利点だと俺は思う。

 多分味方が居たら慈悲の無さと呆気なさにジト目で睨まれてもおかしくはないだろう。

「ちぇっ!ドロップ品は魔石だけか。ちゃっちゃと帰りますか!」

 俺は転移魔法陣に乗って帰るのであった。




 冒険者ギルドに向かい、現在23件あった依頼も残り1件なのだが……

 非常に私情が入った依頼だった為にその真意を聞こうと最後に回した。

 素材納品受付に向かい、依頼書を提出しながら1件、1件納品をしていくつもりだったが

 量が多かったので奥に連れていかれた。

「Dランクのケビン様ですね? ギルマスから依頼の事は聞いてます」

 奥に案内してくれた受付嬢さんから俺が知らない情報がポロッと出てきた。

「え? 塩漬け依頼?」

 あっ!やっちゃったみたいな顔しても遅いよ?

「何か、Dランクに見合わない依頼ばかりだったんだけどな~?」

「そ、そそそそんな事はありませんよ?」

 動揺し過ぎだろ!?

 もう少し我慢しろよっ!

 そんな茶番をしつつも、全ての納品を終えた
 後に俺は依頼の最中に倒した魔物や採取した物を納品する。

 それが終わり受付に戻り精算をする。

「依頼23件達成を確認しました。それと素材買取額を合わせまして……
 金貨24枚と大銀貨7枚です。ほぇーDランク冒険者では大金星の報酬金ですね?
 どうです? 年上に興味は? チラッ?」

「はいはい、全部タグに入れといてください。
 そして、10歳に何て誘いしてるんですか?」

 俺は胸元を開けた受付嬢さんをガン見しつつもタグを渡す。

「ちぇー、でも興味津々の様なので押せば行けそうですねー。あ、私ナミハって言いますよー」

「共和国は未成年の子供を押し倒したら捕まる法律は無いのか?
 帝国では不能刑だったけど……」

 そう、恐ろしい刑なのだ。
 不能刑とは鞭打ちされつつ呪印を押されて強制的に生殖機能を不能にされるという。

「共和国ではダンジョンが多い為に、人口が減りやすいので両者同意の場合のみOKですよ?」

 いや、怖っ!共和国怖っ!

「いや、そこは減らさない努力もしろよ……
 まぁ、良いや。後この依頼について聞きたいんだけど?
 ギルマスの家の掃除、しかも特殊ランク扱いってどういう事?」

 依頼書を見るとナミハさんは驚いた後にコソッと耳打ちして来た。

「えっと? ケビン様は魔力が多いんですか?」

 俺は意味が分からないが多いので頷く。

「ギルマスの家は趣味の魔道具や意味の分からない道具を集め過ぎて変な魔素溜りや力場が出来てまして……

 前に新人冒険者に整理させようとしたら家に入った瞬間に全員気絶しちゃいまして。
 それ以来、何度か確かめると魔法使いや神官の魔力が多い方が気絶しないと分かりましたので
 この依頼は魔力が多い人限定なんですよ。

 新人程度では魔法使い系統の魔力量でも脂汗かきながらしていたらしいので
 相当キツいので1日金貨1枚の依頼になってますが
 珍しいですね? これ本来ならパーティ用依頼何ですけど?」

 俺はそこで理解した。

「あー多分掃除の荷物運びは収納魔法があるし、一応魔法剣士と名乗っているから
 力はあると判断されてるんじゃないかな?」

 首を傾げつつもナミハさんは納得してくれた。
 そう言えば俺……いつから剣握って無いんだっけ?

 そろそろ鍛錬しとかないと不味いな。

 そんな事を思いつつも冒険者証を返してもらい

「明日、ギルマスの家に行くと伝言よろしく!」

「かしこまりました。またのご利用をお待ちしております」

 定型文の返事をもらい宿に帰るのであった。

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