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共和国編〜好きに生きる為に〜
105話
しおりを挟むこのダンジョンはどうやらD~Cランク冒険者パーティ位の難易度らしい。
そして、野菜、虫、獣、全てが食用可の魔物ばかりだった。
俺にとってはジャイアントコクローチ以外は、前世でも昆虫食の中にはやばめの奴とかいたし
Gも食べられるというのは知っていたけどそれをする勇気は無い。
話を戻すとCランクダンジョンには罠がそこそこあり、
Bランククラスになると魔物湧き部屋があったりする。
なのでこのダンジョン難易度の今の階層ではモンパレは起きていなかった。
「それにしても見事な位の食材ダンジョンだな……」
トヤよ、ヨダレ垂らしながら魔物に飛び掛るのはやめなさい。
ゴブリンやオークと同等の知能しか無いように見えるぞ?
「トア、妨害。魔法は使いやすいので何でも良いぞ!」
「はいっ!『エリアフロスト』」
俺はトアに最低限度の魔法の基礎を教えていた。
エリアフロストとは床一面に氷を張る進行妨害系魔法だ。
今も杖の持ち手の先から床に氷が
「「あ……」」
「ちめてーー」
オーク達とフレンドリーファイア食らったトヤがこちらを睨む。
まず、トヤは基本を覚えるべきだと思う。
俺は睨みを無視してトアに話しかける。
「まぁ、トヤが飛び出したのが悪手だからトアは気にしないように」
「は、はい!」
トアは素直な子です!
「トヤは端から攻撃ねー、気を剣に纏わせて殺らないとすぐに刃の切れ味悪くなるからなー」
俺は2人のミスを素早くカバーする為に魔法と剣どちらもすぐに行けるように中衛に居る。
「てぃやー」
俺は柔い魔力球をトヤに当てる。
「隠密行動や奇襲の類で声を出すな!ヘイト管理が面倒くさくなるだろっ!」
「うるっせぇい!!」
「!!?『プロテクト』危ねー……」
トヤの攻撃に合わせて後方から弓が飛んできたので防御魔法をかける。
「ちっ、上位種だな。トヤ後退しろ。
後、気でも使える技を魔力で再現するから覚えろ『身体強化』」
俺は魔力を高め、脚に集中させ気の技の代表格の『瞬動術』を使う。
「これを気で使うと『縮地』になる。
そして、気の強化を纏う様に鎧化すると『金剛鎧』や力を振るう時には『金剛力』になる。
魔法剣士はこれを半分でやる人と俺みたいに魔力のみで再現する人が居る」
瞬動術を使い、オーク3体の目の前に着いてすぐに首を斬る瞬間に魔力を薄く周りに広げ索敵を行い
「こっちは再現無理だから『テレポート』」
索敵で見つけた、ジェネラルオークアーチャーの背後に転移して俺は首を掻っ切った。
ドロップを拾い、再びトアとトヤの前に戻る。
「2人に聞きたいんだが、お前らはコンビで活動するのか?
それともパーティを組んで活動するのか?」
2人は少し悩み、トヤは
「俺はコンビが良い」
君は知ってる、なんて言ったってお姉ちゃん大好きっ子だからな。
「う~ん、出来ない事があるなら人を増やすべきかと」
トアはリアリストだな。
「トヤが索敵出来なければコンビはまず、無理だな。
そしてコンビで動くならトヤが索敵、タンク、アタッカー。
トアが後衛、治癒、範囲攻撃を受け持たなければならない。
2人に共通するのは気配察知と隠蔽をどちらも取得しなければならない」
2人とも難しい顔をするけれども、これは確定事項なのだから。
「最悪、気配察知と隠蔽は覚えないとお前らが狙われ続けるぞ?
成人前の竜人族がノコノコ歩いていたら犯罪組織達に攫ってくださいと宣伝してる様なもんだぞ?
水の中に居るはずの魚が串を自分でさして塩化粧までして後は焼かれるだけです!
って待機してる様なもんだからな」
「だったらケビンが!「俺より弱い足でまといは要らない」うぅ、ごめん」
トヤが言い返そうとしたが、俺はぶった切った。
「これはお前らの為でもあるんだぞ?
最初からそこそこ高いランクの冒険者にくっついてると
寄生だ、何だかんだと絡まれるし狙われる」
その時に実力があるなら良いが、無いなら屈服させられて終わるぞ?
冒険者ギルドでは竜人族を保護対象にしてるだけあって生態やルールをよく知ってる。
トアなんてすぐに狙われるぞ?
魔法が使えて、頑丈で尚且つ風、水、氷の適性があるから
アクアヒール系の回復魔法まで使える適性があるんだからな」
女の冒険者はそこそこ居るとは言え、姉弟だとしてもパーティ内に女1人のソロは頂けないのだ。
竜人族の特性の強い者に屈服を1度してしまえば逆らえないのを逆手に取り
トヤを屈服、その後をトア攻略に使うなんて普通に考えられる。
「い、嫌だっ、姉ちゃんは俺が護るのぉぉ」
「さっき俺がトヤに魔圧をかけて屈服させた事が今のままだと簡単に出来てしまうから
ここのダンジョンで修行してるんだから早く強くなれ」
グズり始めたトヤに俺は厳しめに言う。
ダンジョンに一緒に潜り始めた頃にトヤがサクサク倒せるからと
調子に乗って俺に喧嘩を吹っかけてきたので
魔圧をぶつけてみたら、一瞬で獣人族や竜人族が行うお腹を見せて服従のポーズを取ってしまった。
ちなみに俺の後ろで顔を真っ赤にしてるトアもしてしまったので本当に危ないのだ。
「共和国のダンジョン都市にはトアだけじゃなくてトヤも危険になるんだよ。何故だかわかるか?」
俺は先程とは打って変わって優しげに2人に問うも
2人とも首を横に振る。素直でよろしい。
「 戦闘女民族アマゾネスが居るからだ。奴らは種族の潜在的強度で異性を判断するからな。
あっという間に屈服させられアマゾネスの村に連れてかれるぞ?」
そういう俺も魔人王種になっている為、結構危ないから基本認識阻害をかけて行動しなきゃいけないからな。
アマゾネスの特徴は何故か女性至上主義で子供を作っても女の子で無ければ捨ててしまうのだ。
恐ろしや。
俺達はそこで丁度良いとダンジョンの奥地に向かうのであった。
ふむ、既にCランク下位クラスの難易度になってきてるから
より慎重にいかないと怪我しそうだなぁ。
まぁ、治癒魔法あるし。知らんけど。
ここを踏破した時には食材たんまりあるから今度は純然たる武術の訓練だなぁ。
俺は休憩を終わりにして索敵と間引きを交互に行いトヤに気配の探り方を学んでもらうのであった。
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