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本格始動知識部!

86話

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帝都の低ランク冒険者達のフィーバーはウェスタン辺境伯の愚行により
 終わった所かギルド職員達も顔顰め、頭を悩ます事態に陥った。

 こういう争い事は数年に1度起こるので仕方無いと言えば仕方ないが今は時期が悪かった。

 獣人族の戦闘が得意な種族は1人で身体能力だけなら既にCランク冒険者に匹敵するのだ。

 国と国の争い事なのに、冒険者資格を逆手に取り相手国に入り暴れる者が少なからず現れる為

 その対応をギルドとしてもあげなければならない……という事で

 現在、帝都の中でもが集められた。

 Dランクから少ないながらもBランク冒険者もいる。

 全員を集めると会議室に入り切らない為に
ソロ冒険者+パーティリーダーとクランマスターが集められた。

 総勢54人会議室にいるらしい、俺とネロは下で受付嬢にそう聞いた。
 会議室と書かれた扉を開けると、おっさん、おっさん、とっつぁん、お姉さん。あれ茨の乙女のクランマスターだわ。

「あれ? もしかしてソロって俺らだけか?」

 場違い過ぎる場所に、俺は困惑して本音をついつい口に出してしまった。

「あぁ? 何だ?ガキどもお前らの来る場所じゃねーぞ?」

 ニヤニヤしながらそういうのはおっさんサンドされていた青年だ。
 うわ~……こんな所でテンプレとか要らんわ。
 面倒なので無視して、茨の乙女のクランマスターに挨拶しに行く。

「あ、茨の乙女のクランマスターさんお久しぶりです。
 最近の調子はどうです?」

 何か、皆びっくりしてる顔をしてるが知らん。

「うむ!最高なのじゃ!男子おのこ達も呼ばれたのかえ?」

 こんな口調してるからのじゃロリって思うだろ?
 期待した奴悪いな?  ただのめっちゃ綺麗なお姉さんなんだぜ!? 
 え? 気にしてない? そうか。

「俺達は学園の生徒なので、無理ですと断ったんですけどねー
 最近の納品数が異常だからってのともう少ししたら
 ネロも俺もCランクの受験資格得れるので呼ばれたみたいです」

「ふふふ、ウチのクランの茨を女専用にしたのは失敗だったのじゃ!」

 俺は、ネロをずいっと前に出して

「ならコイツなら素材が良いから女装しても……「ケビンッ!?」
 おまっ!名前呼ばれないように注意してたのにそりゃないぜ!」

「ほう? この男子は中々の強さなのじゃなぁ。
 それにばえるのぅ、ほほほー」

 怖っ!うわっ!怖っ。ねっとりじっとりネロを見る目が捕食者の目だった。
 ネロ君ジト目で見ないで

「てめぇら無視してんじゃねぇぞ? おいババ「死ぬのじゃ!」ぶへぇぇぇ??」

 青年君は窓からお星様になりました。
 エルフ族とは言え、お姉さんにババアはダメだよ。

「うん、ネロ見ろよ!興味深いぞ?
 種から茨を出した魔法って事は、特殊魔法というより知識の結晶による魔法だぞ!」

 俺は興奮した!魔法というのは魔力で無から有を生み出す物として捉えられているが
 茨の乙女のクランマスターの使った魔法は種から茨を出した。

「ケビン……人の心配より魔法の興味が勝つのかよ」

「バッカ!こんな所に来る様な奴だぞ? 怪我しても死にはしねぇよ。
 んぅぅぅーここで言えないのが残念だ。

 将来的には手を出そうと思ってた分野が目の前に出てきたんだぞ?

 あの魔法が再現して、尚且つ安易に使えるようにしたら農民の収穫量が増える……
 あ、でも大地が枯れる可能性も」

 茨のクランマスターはパチクリと目を見開いてる。

「あれが何か分かったのかの? 人族には理解出来ない力だと思っておったのじゃが。
 中々育ってきておるのじゃな?」

 じゅるりと涎を吸う貴方に何か俺は別の危機を感じたよ。

「まぁ、俺の場合魔法と錬金術を使っているのでそこまで不思議では無いですよ?
 錬金術も魔力で有を変化させている魔法ですからね」

 そんな時にギルドマスターが何かを引きずりながら会議室に入って来た。

「おい!誰だ? このお調子者のアホのコイツを上から放り投げた奴は!? 
 ついつい上から来るもんだからぶっ飛ばしちゃったぞ?」

 全員が茨を乙女のクランマスターを見る。

「ほほほ、そやつがこの男子おのこ達に絡もうとうるさかったのじゃ」

 よくよく考えたら、致命傷与えたのギルドマスターじゃねぇか!?

「あ、ケビンとネロか。アホだなコイツ。
Dランク下位のパーティリーダーがDランク上位
 Cランク間近の限界ギリギリのソロ冒険者に挑むなんてな」

 あ、そういう事か。
 周りの連中も驚いている。

 Dランク冒険者(パーティ)とはDランクに分類されている魔物位なら倒せるという意味で

 Dランクソロ冒険者は1Dランク魔物を倒せるという決定的な差がある。

「こいつらは学生だし、ケツ持ちも恐ろしい奴が居るからお前らも勧誘はするなよ? 」

「チッ、飼い犬かよ」

 そう言ったのはどこかのおっさんだった。

「あぁ、間違えた。ケツ持ちは俺でもブルっちまう怖い親父さんと商業ギルドだから気を付けろよ? 」

「個人情報垂れ流し過ぎだから!おいっ!」

「ひゃー怖い怖い!親父さんに言いつけるなよ?」

 ニヤリと笑うギルドマスターに俺はニヤリと笑い返し

「わかった、親父には言わないけど、隣の太ったおじさんに「待て待て待て!、俺が悪かったから謝るから。商業ギルドマスターに密告されたら俺が搾り取られる」
 ……はぁ。次は無いですからね?」


 こうして、帝都のなんちゃって帝都内部の高ランク冒険者会議が始まるのであった。

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