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本格始動知識部!

83話

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 帝都は今、低ランク冒険者達によるフィーバーが起こっていた。

 この間、北の辺境伯領のお酒と郷土料理が皇帝陛下に献上され『お墨付き』を得たのだ。

 大々的に商人達から通達されて、一般市民ですら北の辺境伯領に美味しいお酒があると噂されている。

 そして、北の辺境伯領地に美味しい料理と酒を求めて燻っていた高ランク冒険者遂に移動したのだ。

 彼らの中には冒険者ギルド内でもう少し上の依頼を受けて
 成功体験を積み更に上に上がれると評価されていた者達も少なくない。

 しかし何故帝都に居るのか?
 それは比較的美味しい物や商品が集まっていたからだ。

 年々魔の森に対応する冒険者は引退と死亡により減ってきて
 カツカツだった所に北の辺境伯領のギルドから鶴の一声があったのだ。

『辺境伯様はお酒が好きで、他領に出すなら税をかけると。
 その代わりうちに入ってくる物に関しては検閲を厳しくするが税は撤廃する。
 全領地に発令したが従うかはその領地の統治者の貴族に任せる』

 と、これには冒険者達はまだ見ぬ絶品と称される酒が税によりこちらに来る時は高くなって手が出せなくなると悲鳴が上がり、
 商人達からは喜色の声が上がり、食の豊かさは定評がある北には鉱物資源が必要だ。

 と、いち早く反応した商人達は馬車を並べキャラバンとして次々に送り出されるのであった。

 その行動の裏側には商業ギルドへ俺は秘密裏に情報を流した。

『ドワーフが北の辺境伯様と懇意にしてるから
 鉱物資源を持ち込めば多少の配慮はあるかもね? 』

 と、そうして人が集まれば北の辺境伯領の防衛は磐石になるであろうと想像して。

 そもそも帝都の周りにはCランク冒険者までの依頼しか無い。
 それなのにその依頼を受けずにダンジョンに潜り素材引渡しでちゃっかり依頼もこなしていく高ランク冒険者は
 ギルドから見ると下の育成から見ると邪魔だったのだ。

 帝都には帝国軍がいる為にそこまで高ランク冒険者が居た所で重複して意味が無かったのだ。

 高ランク冒険者は辺境や小さな領地では守護人として崇められる程の存在なのに。
 中央の厚いより取り見取りの人材の中に入ってて貰ってもしょうがないのであった。


 俺は今、解体場にオーク15匹渡してる。

「いやーガッポガッポだよーナハハハー!」

「おう、お前さんの空間魔法の容量の大きさにガッカリだよ……」

 俺の気色の声と解体場のおっさんの悲鳴が重なる。

 毎日、毎日魔導書読んで暇になった
 俺は放課後にDランク冒険者から最低限Cランクに上げようと頑張っていた。

 ん? ネロ?  アイツと俺が揃った所で過剰戦力の無双なので俺達は別行動している。

 ネロが、剣と相性が悪い硬い敵で俺が素材を残さないといけない集団戦をしている。

 俺達は学生なので、休み以外は夕方からしか受けれないので
 俺とネロは最初に狩場と分布図をギルドに公開した。

 そこそこのクラン達からの非難轟々ではあったが
 とある理由でフロッグ系は隠した(誰も行きたがらない)ので彼女達から以外のクランだ。

 彼女達『茨の乙女』というクランは前にサイネ達からフロッグ素材の外部発注を頼みこんでるクランで
 茨とはクランリーダーエルフ族の女性の魔法を指しているらしい。

 アレンサリーナさんと同族な為に知り合いだったという訳だ。

 会合は俺も一応騙されない為に着いていこうとしたら

『試着会も兼ねているので#男子__おのこ
__#の入場は禁止じゃ』

 という独特な言い回しの手紙が来た上、アレンサリーナさんが着いて行くと言ったので任せた。

 ミカサ商会に関しては俺はノータッチなのだけど、
 相談役という『何かあった時に頼むよ』と役職着けられお金も貰っているけど……

 下着ブランドとしてはもうトップメーカーなので俺は気にしてない。

 今は夏になるので避暑地の湖で遊ぶ時にふざけて

『ビキニアーマーみたいな下着あれば湖でも泳いで楽しめるんじゃない?』

 と俺が不用意に発言してしまい、サイネ達はフロッグ素材の水を通さない点に目を向け水着を作成に着手している。

 会議中の不穏なサイネ達の発言を聞き
 何か布面積がやばくなりそうなので手早く、スク水、ビキニ、
 胸や腰周りを隠すパレオ等のアイディアを出した。

 それからカレン、サイネ、ミクロの3人から避けられている……
 くっ!寂しくなんてないんだからね!

 たまたま来ていたリッカさんには大人の水着を教えたら

『 エロガキめ!ちょっと一緒に来い』

 と連れ出されて、紙を渡されて

『こう、男が好きそうなアイディアを出せ!』

 と真っ赤な顔して言われたので気になる相手でも居るのだろうと4つ意見を出した。

 流石に1つはアカン奴を盛り込んだんだけど何故かリッカさんはアリらしい……
 失敗したと思っている。

 冒険者ギルドでもそんな話をキイテルヨ……
『紐がな?扇情的でな?』『下着って宝箱だったんだな!?』

 とかよく分からんがやばい方向に行ったという俺にはまだ難しい情報だった。

「おう!ケビン。そっちは終わったのか?」

 そんな最近あった事を思い出して解体場で素材待ちをしていると声をかけられ
 振り返るとネロがアイテムバック片手にやって来た。

「おう!こっちはオーク狩終わったよ!そっちはロックリザードだっけ?」

「いや、ロックリザード狩は他の人に回したいからゴーレム狩だよ!」

 俺達は談笑しながら納品を終えて今日もランク上げに勤しんでいた。

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