変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜

赤井水

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本格始動知識部!

69話

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 逃げる走る俺たーちー何て鼻歌を歌いながら本気で逃走してる。

 最近、父上とハンナの修行しろしろ攻撃が過激で余りにもおかしいので

 クロス帝都邸に確認を入れたらハビスが領地に戻ってるとの事だった。

 そのハビスも明日戻ってくるという事なので俺達は逃げ回っていた。

「フハハハ!父上めぇー明日みてろよー!!

執務めっちゃ疎かにして修行という名の遊び呆けてたのチクってやるぅぅ!!」

 父上はそれを顔を真っ青にして『てーつーだーえー』と文言変えてゾンビの様な声を出して追いかけて来る。

 いや、執務進めろよ……何いい歳こいて子供に執務頼もうとしてるんだよと呆れていた。

「おい!ケビンそっちはまずい!」

 ネロが何か言ってたけどいまいち微妙に聞き取れなかった。

 あー追いかけられてる時の子供の視野って狭いよねー。
 前世の子供の交通事故って大体視野狭窄が理由だからね。

 そう、裏路地適当に入ったら袋小路だった。

「グハハハ!観念しろケビン!お前はこれから私の執務を手伝うのだ!」

 クロス領民にこの情けない領主の実態を見せてやりたいぜ!

「出奔した息子に頼むなっ!ダメおやじ!」

 おおう!額に青筋立てたって怖くないんだからね?(ガクブル)

 膝を叩いて地面を掴み、俺は深呼吸して嫌がらせをする事にした。
 イメージはハビスのシャキッとした姿勢を意識して。

「では、偉大なる英雄のクロス伯爵様に必要とされる事は光栄でしたが
 私も用事がございますので、これにて失礼致します。『ワープ』あっかんべー!」

 俺は学園の図書室まで逃げ込んだ。

カイザン男爵家、メヌレ
ラライット子爵家、アセラ
ヌーン騎士爵家、ムーブル
サムネイル子爵家、マケラ
カムゲ男爵家、ナーラ

 5人は必死こいて調べ物をしていた。

 この5家、面白い事に全て帝国北側のお家で結構厳しい事情があるらしい。

 他の地域のお家の文官志望の子達は俺に興味何か持っていない。
 それもその筈、クロス伯爵家と唯一関わりが無い辺境伯がノース辺境伯領だから。

 はっきり言うと環境が中々厳しくて他方面の領地に構う余裕が無いと言った方が正しい。

 そのくせ魔物はバンバン現れる為にあちらの地域は煮込み料理が多いそうだ。

 煮込み料理……塩っ辛い味の濃い良い食事がありそうだ。

 前世の現代社会では減塩減塩と叫ばれていたがあれは暖房技術と消雪技術の発展による物だ。

 消雪技術が拙い頃には地道に雪掻きをしなきゃならない。
 都会に住んでると分からないかもしれないが水を含んだ雪はとてつもなく重く
 それが更に冷えて氷になれば2m位から落下して当たれば一撃で命を奪う事もあるのだ。

 しかも雪が重くなれば倒壊の危険性もある。
 なので雪掻きは冬の内職と合わせて重労働になるのだ。
 した事ない人には分からないだろうが吹雪いていようが雪掻きしてるとめちゃくちゃ暑い。
 雪にスコップを刺して持ち上げて投げる。
 凄い全身運動になるのだ。

 そんな事を思い出しつつもうんうん唸ってたらメヌレが俺に気付いた。

「あ!ケビン君!課題の大体の答えを答えるから意見頂戴!」

「はいよー!」

 俺は5人の解答を聞く為に目の前に座る。

「じゃあ、発表するね!」

5人の答えは
各領地の統治による税率の決定のメリットは

・国による指示がなくても作物の収穫量による振れ幅で税率を決めれる。

・領主が領民の事を良くしようと決めればすぐに行動に移せる。

・領民による声がダイレクトに聞ける。

デメリットは

・暗君によるダメージを負いやすい

・今の法律では上限下限が決まってない為に格差が生まれる

・毎年変動すると計算できない為に着服や横領が起きたりする。(税管理官次第じゃない?)

「経済上昇はイマイチ分からない。僕達の地域で何が必要で何が要らないのか分からないんだよね」


 マジですか?

「んー北の辺境伯領では何をよく食べるの?」

全員がすかさず答えてくれる。

「麦と芋かな?後はトロトロのお肉とかが美味しいよ」

 ふむふむ?え?

「ちょ、待って!北って酒は何飲んでるんだ?」

「え?ワインだけど?エールもワイン温暖な気候が必要じゃん!」

 おーなんてこったい!俺は頭を抱えた。

「ち、ちなみに麦ってどうやって食べるの?」

 ナーラがハイハーイと手を挙げ

「茹でてプチプチした食感が美味しいのよ!こっちではあんまり人気無いけどね!」

 おーなんてこったい……Part2

 丸麦じゃねぇかよ!知らない人には説明すると麦米だな。
 米と混ぜて食べる前世では健康食品として人気になっていて

 50~70歳位以上の人達には罪人の食べ物や戦後貧しい時の食べ物として彷彿させるから嫌われてたのも懐かしい……
 脱脂粉乳も同じ理由で嫌われてたなそういや。

 俺は落ち着く為に深呼吸をして……


「経済を回すのは特産品があると簡単だ。
それでちなみに1つだけ確認したい。

 麦が病気になって白いワタみたいなのが着いて処分されるなんて事ないよな?」

 5人全員が目を見開いて驚いてる……あんのかよ!!
 自然と笑みが出てしまうそして心の声はダダ漏れだった。

「ぐへへへ……自然発酵のエールやワイン。毎年味が決まらないと大変だと聞いてたけど最高じゃないか。ぐへっぐへへ」

 凄いドン引きされたよ。

「さーてとりあえず、税率の変動は領民、領主どちらも計算出来ないと搾取されるのは分かってるよな?」

 全員うんうん頷いてる。
 北は魔物の素材と農業・畜産で生活してるからな!

 フハハハ!運気が向いてきた!

「まずは経済についてだが需要と供給と利益高がある!」

 俺は需要と供給に着いて話して、その後に産地地域である北は商人を呼び込む事が必要であると伝えた。

「そもそも北って確か領地1つ1つに関税かけてるだろ?
 わざわざ遠くにしかも余り高く売れない芋や麦、後は製糸産業だ。

 関税にお金がかかればかかる程大量に仕入れて売り捌く必要があるんだ。
それは分かるな?」

俺は懇々と説明したらメヌレは

「え?利益が必要だから値引き交渉為だったかな?
という事は。うわー……商業ギルドが一手に買っているのは経費削減って事?」

 へい、そりゃ魅力無いですからね?
 出て行く時は税をかけずに入ってくる物には税をかけてたんじゃ
 北では領地にお金は取れど珍しい他の地域の商品を買うのも領主や豪商だけという。

 プラスにした分をプラス特価の値段の物を買ってる阿呆と言わざるおえない。
 見栄を張って買うのは良いけど商人はこの人達プラスマイナスゼロ所か商人の利益高上乗せ分高い値段で買ってるんだよ。

 入ってきた商人はそのまま売り捌いて帰りに商業ギルドの依頼で
 配送という名の運送すれば金はかからないし依頼料も入ると美味しいだろうな。

 しかーし、君達の未来は明るいさハッハッハ!
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