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学園編

50話

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「その封印を俺が解いちゃったって事?え?やばくね?」

俺はめっちゃ軽く言ったがかなりやばいかも?

ソウちゃんはヘラヘラと笑いながら話を続ける。

『うん、神達へと並ぼうとした所を邪神、まぁ他世界の下級神の干渉されて起きた事件だね。
当時は魔法技術も人もそれ程強くなかった。
だから神達は武器や特殊な魔法を用いて封印したんだ。
そこから人類強化計画としてダンジョンを設置したって訳。

悪い神に干渉された化け物を封印した神からのお告げで要地の守護の任を受けた一族が皇国の教皇の一族だったんだよね。
悪い神や化け物達を封印したから=良い神それで善神からの教えで、善神教ってわけさ』

全員ちょっとダンジョンが世界各地に出来た理由と善神教の成り立ちを知って驚いた。
善神教はいつからあるのか分からない宗教だったからだ。

俺は今聞いた話で不思議に感じた事をソウちゃんに質問する。

「ん?俺が封印解いたって事は結構ヤバい状況何じゃないの?
ソウちゃん結構落ち着いてる気がするんだけど?
話を聞く限りかなり切迫した状況なんじゃ?」

ソウちゃんの顔は後光が差していて輪郭しか見えないがドヤ顔してるのが想像出来る位胸を張る。

『ん?大丈夫!
ケビンにちゃんと説明しないで送り込んだから。
一応のアフターケアって事で今は国民全員と皇国に結界を張って閉じ込めてるんだ。

悪魔の面倒な所は反転させられた魂の歪さのせいで人が忌避感を持つ事を率先してする事なんだ。
皇国の中心部に居た特殊工作員?って奴らは悪魔に共鳴してた可能性も捨てきれないんだけどねぇ。
あ、ケビン?なら俺のせいじゃって思ってるけど封印にトドメ刺したのはケビンだからね?』

チッ、責任逃れしようとして失敗したわ。

『えぇぇ……舌打ちされた。
話続けるね?悪魔は破壊衝動と人の反転衝動に駆られ悪逆の限りを尽くそうとするんだよ。
だから一時的な案として神としての規則ギリギリの結界を張るまでは出来るけど
倒したり再封印するのは今この世界に生きてる君達に任せるしかないんだ』

隣の父上が立とうとして足が痺れてツンのめった。

「ソウ様、最初から不思議でしたがいつケビンと知り合いに?」

周りの俺以外の人達もうんうんと頷いてる。
まぁそうなるよね。

『あ!ごめんね。ケビンとの関係は『メモリー共有』はいっ!記憶送ったから理解した?』

俺とキャロ以外の人達が光ったと思ったら驚き母上が突撃して来た。
ちょっ!ちょっと恥ずかしいよネロが見てるのに……トホホ。

「貴方が頑なに嫡男を拒否したり、歳の割に聡明だったり落ち着いていたのはこういう理由だったのね」

その様子を見てハンナやハビスが何故か泣いている。

「父上、母上。今まで言えずにごめんなさい。
やっぱり何でこうなったかは言えなかったんだ。
それは魂が別れていた時でも一緒……いやもっと拒否感があったと思う。
でも好きにさせてくれた両親には感謝しかありません」

そこでソウちゃんは何故かキャロを見ていた。

「ん?どうしたの?ソウちゃん?」

『これから悪魔の対応を話そうと思ってたんだけどね?
うーん、君達の運命という線がかなり本筋とは違っていてね?
その理由を探っていたんだけどさ。

ごめん!僕のせいだった!』


てへぺろじゃねぇーよ!

「どゆこと?」

俺はソウちゃんが関係してると言われても意味が分からなかったのでさぁ話せと促す。

『うーん、ケビンが魂別れた事により運による事象が悪い方に行きやすかったからさ。
ちょっとケビンの周りの運を上げる様に細工してたんだけどね……加減間違えちゃった』

「うん、ソウちゃんも正座かな?」

なんだこの状況?
ソウちゃんと父上と俺が正座してその周りを数人立って聞いてるって。

『だよねぇ……あはは。
クロス伯爵は前の戦争で怪我してた筈だし夫人は荒んでるのが運命だったんだけど。
ケビンの運が作用されて戦争を無傷で勝ち取り自信を着けて更なる強さを得てる。
夫人は例外な子供は居ても精神が安定していて2人目の子供が居る。
うーん?何で居るの?』

そう言って首を傾げるソウちゃん。
キャロがいる事自体がおかしいらしい。

「キャロってどの平行世界やどのルートを通っても存在しない特殊例って事?」

前世のなんちゃら転生という小説にあった話の転用をして
俺が今、平行世界の中でも1番太い運命線に乗らずに脇にそれたか細い糸の上に乗ってると俺は勝手に納得していた。

『そうなんだよねぇ。ここに全員呼んださっきからずっと確かめてるんだけど
居ないんだよね』

そんな時だった。
ソウちゃんの後ろから白い光の魔法陣が現れ
出てきたのは緑の髪の毛をした女神だった。

『申し訳ございません。創造神様。
そして皆様は初めまして、運命神デスタでございます。

その赤子は私がどうしても会いたい人が居ると強力な思念と願いを持ち私の元にやって来たので
本来の運命線には無かったケビン様に妹が生まれる可能性が一瞬起きたので捩じ込ませて頂きました。

その赤子が前世の記憶を持ったまま育つのかは50%と話しましたがその子は納得して転生してきました。
覚えていたらケビン様にべったりになるでしょうから分かると思います』

俺の名前が出た所で周りの大人達が"またお前か?"と呆れた表情になってる。
何て貰い事故だって言うより少し待て?今ナンテイッタ?俺を追い掛けて転生?そしてべったりだと?

前世でも俺に好意を向けた人間は数少ない片手に足りれば良い方だ。
そしてべったりという事は……体から血の気が引いたのがわかった。

「デスタ様……なんて事を。
アイツを呼び寄せてしまったのですか!?」

そう、俺を愛し過ぎてべったりで粘着質になって怖くなって距離を置いた奴を俺は1人だけ知ってる。

『あら?美し兄妹愛では無いですか?』

『君狙ってやってるよね?しかも記憶保持は出来たのに50%の確率にして遊んでるよね?』

デスタの言葉にソウちゃんが呆れていてそんな2人を前に俺は……

「おぉ……神よ。頼むキャロが前世の記憶を持たないまますくすく育ってください。
何ならケビンという存在を認識しないままフェードアウト出来るよう力添えを」

神を目の前にして神頼みするというカオスな状況に2人ともキョトンとして俺を見つめるのであった。
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