変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜

赤井水

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魔法研究の為の基盤作り

17話

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「ふへぇ……魔力は願いの素で眼力や魔眼は願いの結果なのか」

 そして今俺の目の前には愛用の短剣が置いてあり
 それを魔力を乗せた視界で見ると


『魔鉄鋼の短剣/品質B』

 この様な文字が見えていた。
 そして面白い事に指針をくれた神によって取得出来る魔眼が違うらしい。

 俺は魔力を見る観察眼と鑑定眼に適性があり観察眼は無意識に使ってて
 これ? 魔眼だったの? と驚いたのは先程だった。
 普通に見えるもんだと思ってた。

 そんな時だった。

「坊っちゃま朝ですぞ?」

「へ? 朝?」

 俺、徹夜しとるやん!

「今行く!」

 食堂へ向かうと皆に呆れられた。

「寝不足はダメですよ?」

 とハンナに怒られた。

 ダイトは何かツヤツヤしていたが気にしない事にしよう。
 普段生殺しだもんな。うちの女性陣みんな綺麗だもんね。

「ごめんごめん、今日はゆっくり休むから明日はパーティー当日だしね? じゃあ報告聞きながら食べようか」

 ダイトからの報告は
・公爵令嬢のパーティーの為、貴族や商人の出入りが多く気をつけて欲しいと注意喚起が出されていた。

・その子供を狙った犯罪組織が活発的になっているので見つけ次第捕縛無理なら即殺可

・低ランク冒険者は外壁工事に参加して欲しい

 との事だった。

「うーん、誘拐はそんなに頻発してるって事だよね?
 これ。だって貴族や商人を狙った位なら捕縛で奴隷落ちで終わりでしょ?
 でも帝都内で殺しても良いってなると相当平民誘拐されてるな」

 全員が苦い顔をするが……狙われれば捕縛するけど俺達から動く事は出来ないからな。

「まぁ、ムゥ、メロ、サツキは気を付けろよ?
 俺は今日も出るつもりないから。遊びに行くなら2人から3人大人を着けて行くことだな」

「「「はーい!」」」

「他の人も頼むねー」

 俺達はそんな感じで解散した。


 部屋で窓を開けて外の景色を見ながら本を読み魔眼を使い遊んでいた時だった。

「む? なんだあれ?」

 魔力に色が着いて見えた。
 フードを被った多分子供に対して後ろに居る2人の男が赤い魔力を飛ばしているのだ。

「ハビス!あのフードの子供と後ろ2人どう思う?」

 ハビスもちゃっかり魔力を目に集めて

「誘拐でしょうか? それにしてもフードの子供に周りの反応が薄いですなぁ。
 認識阻害のローブですと貴族子息令嬢ですな。しかも高位貴族ですな」

 俺はギョッとした。

「ハビス、俺があの子の隣に飛ぶハビスがすぐにこの部屋に飛ぶ出来るか?」

「坊っちゃま余裕でございますな、あ、男達が走り出しましたぞ?」

「何を悠長な!『テレポート』」

 俺の肩にハビスが手を置いた状態でローブの子供のすぐ後ろにテレポートし、ローブの子供を俺が掴みすぐにハビスがテレポートし部屋に戻ってきた。

「キャッ!」

 どてんと尻もちを着いた時に可愛らしい声が聞こえ窓の外から男達の怒鳴り声が聞こえたので窓を閉めた。

「さて、お嬢様? 今どういう状況か分かってますか?」

「いいえ、こちらはどこでしょう?」

 改めて見るとローブを被って居ると目の前でさえかなり気配が薄いな。
 多分範囲外に出ると見れるタイプだから俺達が普通に見えてたんだ。

「ここの窓から通りを見ているとあなたを狙った大人2人があなたを追いかけていたので捕まえようとした瞬間に介入して助けました。
 貴族様とお見受け致します」

 彼女がフードを取ると桃色の髪の毛をした特徴的な子供が現れて俺とハビスは咄嗟に膝を着いた。

 カーティス皇族家の特徴だったからだ。

「失礼致しました。まさか皇族の方だったとは……
 しかし、護衛を付けず散策するのは大変危険かと思います」

 桃色の髪の毛の彼女は凄くバツの悪そうな表情を浮かべる。
 年齢が近いので第4皇女殿下か第5皇女殿下だろうと推測した。

「すみません、お父様がうるさいので抜け出して来てしまいました」

 てへっと舌を出して反省してる。
 ん? 反省してる? 女の子に俺達は少し呆れた。

「ハビス!すぐに父上に連絡を。申し訳ございませんが皇女殿下お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「あ、すみません。私は第4皇女のアナスタシア・カーティスですわ」

「アナスタシア皇女殿下様ですな。すぐに手配を致します『ゲート』」

 そう言うと2分もしないうちに父上を連れてハビスが戻ってきた。
 そして部屋の状況を見てため息をついた。

「ケビン……よくやったと言いたいが、今の状況を見るとな?」

 そうこの2分でアナスタシア皇女殿下は『喉が乾いたお腹減った』と言うのでお菓子とジュースを渡した所、ご満悦の表情をしている。

「さて、アナスタシア皇女殿下お久しぶりでございます。皇帝陛下からの叱責は免れませんぞ?」

 うるうるとあざとい表情で俺に助けを求めるが助ける事は出来んぞい?

 20分後、伯爵家の馬車に乗り父上が帝城に送り届けた。

「ハビス? アナスタシア皇女殿下はいくつだっけ?」

「10歳ですな、ケビン様と同い年なのはフローリア第5皇女殿下ですな」

「また厄介な縁を作った物だな。はぁ」

「貴族になりたく無いケビン坊っちゃまには1番の敵ですなぁふぉっふぉっ」

「だよなぁ……明日が心配だよ」

 帝城で皇帝陛下の雷が落ちた事は言うまでもないが
 城から皇女殿下1人で抜け出したとてんわやんわになったのは間違い無かっただろうなぁと思いつつも本を読んで寝るのだった。

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