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魔法研究の為の基盤作り
13話
しおりを挟む今、領主館には次々と不正をしていた者が届けられていて
悪鬼の如く憤怒の表情をした父上とハビスに届けられている。
勿論母上と義母上も部屋で謹慎させられている。
そんな中に居る俺は呆れていた。
3年の間、気付かなかった人達にだ。
3年間1度も視察してなかったらしい。
そりゃ舐められるわ。だってお目付け役のトップが
一切顔見せに来ず書類さえ渡しとけば認可が降りるのだから。
そして役所の所長は義母上の実家が推した人で
今頃、義母上殿は実家に報告の手紙を認めているだろうさ。
父上から払ったお金を支払うと言われたが突っぱねた。
「父上、俺に払うくらいなら孤児院に直接支払うか
建物を補修する位の気概を見せて欲しいのですけどね?」
「ぐっ、済まぬ、すぐに行う」
そう言ってバタバタと走り去ってしまった。
ハビスがそこに来たので
「ハビス、商業ギルドに俺を送ってくれそしてこの件について報告もよろしく頼む。
あとは父上が俺を探しても家出したと言っておいて。
ハビスが場所を知ってるからってね?」
そういうとハビスはイタズラが成功して喜ぶ少年の様な表情をして笑っていた。
「かしこまりました。坊っちゃまそれでは行きましょう」
俺は商業ギルドの裏手へと転移してハビスは帰って行った。
商業ギルドの受付に行きお金をおろしてアレンサリーナさんに取り次いで貰った。
5分もしないうちにアレンサリーナさんがやって来た。
「ケビン様、部屋を用意してますのでこちらへ」
部屋に案内されお茶とお菓子が目の前に用意された。
「今日のご要件をうかがいましょう」
「いや、孤児院の件だよ。アレンサリーナさん知っててあそこゴリ押ししたでしょ?」
そうストレートに質問したらアレンサリーナさんは笑いだした。
「申し訳ございません。流石に知っていたとしても
私達ギルドは領内の事に関して口出しは出来なかったのです」
と謝罪しようとしたが止めた。
「いやぁ、助かったよ。逆に気付いたのが俺でね?
他の人だと下手したらその巻き上げたお金を懐に入れててもおかしくなかったからね。
母上と義母上達はどうだか知らないけどね?
隠す為に内々に処理も有り得たからね?
父上の立場が弱すぎるのも問題だよなぁ。
はぁ。今日の茶菓子美味いな!はっ!まさか……」
そう言いつつアレンサリーナさんの顔を見ると満面の笑みだった。
「流石、商人情報早いわぁ……」
「孤児院と取引している食品商と生活雑貨店、服飾店からすぐに早馬で報告が来ましたからね?
多分ケビン様が気付いたと予想して用意してお待ちしておりました」
てへっと舌を出したアレンサリーナさんは可愛いかった。
「まぁ、しばらく俺はクロス家には近付かないからこれからよろしくね?」
「ケビン様が何かアイディアがあれば我々は何時でもお待ちしておりますよ」
「了解!」
俺はそう話した後に商業ギルドでお店の情報を貰いギルドを出た。
そしてやって来たのはそう!薬屋です!
「いらっしゃいませ!坊やお使いかい?」
薬屋の婆さんがそんな事を言うがお使いってあ!俺5歳だったわ。
「まぁ、そんな所ー」
俺は薬屋の素材コーナーに行くとテンプレ来たー!
そう、探していたのは生姜ニンニク唐辛子とスパイスだ。
まぁスパイスは香辛料店でも有るんだけどね。
「おばあさん、これと、これとこれ有るだけ頂戴!
他はこれとこれとこれとこれをこれ位」
ニンニク生姜唐辛子を有るだけと他のスパイスを500gの分銅を持ち上げて渡す。
多分、スパイスはクミン、ウコン、ガラムマサラ、コリアンダー、チリペッパーかな?
まぁ使ってみないと分からないし。
「お金は大丈夫かい? 高いよ? 後持てるかい?」
「大丈夫、大丈夫!」
「全部で金貨2枚だね今用意するよ」
結局生姜ニンニク唐辛子は2キロずつあったので
また仕入れといてと伝えマジックボックスを使うと驚かれた。
「ありがとね!またおいでー」
俺はその後、野菜、肉、パンととある物を買い出しに行き屋敷に戻った。
そして夜ご飯の肉の仕込みとその待ち時間に今ゴリゴリしてます。
「ケイ? 何をしてるのですか? 薬ですか?」
「え? 違うよ? むむむ、力がいるなぁ。ふぅ疲れた。ハンナよろしく」
呆れた様に笑いつつもハンナが変わってくれて
俺は買ったスパイスを混ぜ合わせすり潰しては舐め味を調整して納得したら瓶に詰めた。
外を見ると夕方なので俺はさっき作ったスパイスを火に掛け炒めて水と小麦粉を足して行く。
ある程度煮詰まったらフライパンを外し冷ます。
そして野菜を切って鍋に入れて煮込みそこに蛇肉を入れた。
最近どデカい蛇の魔物が出て仕留められて美味しいと評判だって言うから買ってきた。
日本では鶏肉っぽいって聞くし大丈夫だろ。
灰汁を取り生姜とニンニクを細かくして入れて臭みを更に抜く。
野菜が充分に煮えたら先程のスパイスを入れて煮込み始めて
一段落したとリビングに顔を向けると全員集合所かハビスまで居た。
俺は少し呆れつつもニンニクと生姜塩胡椒で漬け込んでいた
羊肉を取り出し焼き始めるとソワソワした様子で
ムゥが涎を垂らしつつもお皿の用意を始めた。
そして肉が焼き終わり鍋を確認すると良い感じだな。
味見をすると……めっちゃ懐かしい雰囲気だけは味わえるカレーとなった。
そこはかとなく遠いけどまぁ掠ってるねって言われる出来にはなった。
「ケビン様これは……?」
「美味そうだから食べてみて?」
ハビスもちゃっかり座ってるんだからちゃっちゃと食べようよ。
俺はパンをみんなに配り食べ始める。
「美味っ、美味っ。ケイ好きこれ好き」
ムゥが壊れた……カレーもどき食って壊れた。
「お肉が美味いですね」
「どっちの?」
「俺は煮込みの方ですな」
「僕は焼きの方かな?」
「私も煮込みですかね?」「うーん私も煮込みかな?」
「両方です!」
ダイト、ムクロ、アン、ミカ、ハンナの順で答えたので教えてあげようか。
「ふーん、煮込みは蛇肉で焼きは羊だよ?」
俺は気にせずパクパク食べる。ふむ精進と研究が必要だな。
一瞬ピキンと固まったがムゥの一言で再び動き出す。
「美味けりゃ何でもよし!」
皆ウンウン頷いて食べ始めた。
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