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青年期

2章6話

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屋敷の中に入り、目の届く範囲にクロウを寝かせ。
話を聞く事にした。

「えーっととりあえず俺の質問に関することで、集まってもらったんだけど。
どの部分を知ってるんだ?」

「闘気」
リールは一言で表した。まぁ、剣の達人だからな。

「俺も闘気だな。山篭りしてる最中に徐々に扱えるようになった感じだな」
シルムも答える。

「私は仙気だよ!おばあちゃんが、私のスキルは心を蝕んでいるから心を守る為の修行をして来たよ!」

それらしいのがやっと来たけど。
間に合うかな。

「ヤミ、それって蝕んでる状況とか他人のを見れるか?」

「私には無理だけどおばあちゃんなら出来ると思うよ?」

「んじゃ、ヤミの方法でエミールは修行を始めてくれ。
ヤミ俺が給料を出すからしばらく頼む」

ヤミはぱあっと明るい表情になりながら。

「え?良いの?アロウ君大変じゃない?」
なんて聞いてくるので。

「流石に稼いでるよそれ位これでも上位冒険者だからな。
もし金欠になってもダンジョンに潜るさ。
 まぁ、昇格試験で良い魔物を狩って来たから多分困らんだろうけどな?」

「ほーう、どんな魔物なんだ?Bランク昇格試験でそんなに高く売れる魔物居たか?」
シルムはそういうので

「クリムゾンワイバーンだ」

全員がシーンとしていた。

「ん?それってソロで倒す魔物?」
珍しくリールが長文を話、首を傾げている。

「お前、馬鹿だろ?下手すりゃSランク4人以上で対応する魔物を何で昇格試験で狩ってくるんだよ」
シルムが驚く。

「俺も腕を持っていかれたからな死ぬかと思ったよ」

そう言うとヤミが俺の腕を掴んできて、
「え?え!どっち?どっちの腕?義手なの?アロウ君」
とワタワタしだす。

俺は笑って頭を撫でてやる
「エルフの里の長に治して貰ったんだよ」

と言ってあげると。

「わ、わ、わ、良かった~」
なんて顔を真っ赤にしながら言っていた。

するとエミールが。
「やはり兄弟ですわねぇ。ナチュラルタラシですわ」
なんて心外な事を言われた。

すると屋敷のドアをノックされた。
俺は玄関のドアの所に行き開いて
「ん?誰だ?」
と言うと

「呼ばれて来たにゃ!」
ネロが来てくれた。

「おー!よく来てくれた。商売の方はどうだった?」

「上手くねじ込めたにゃ!高く売ってその後アロウが戦争を終わらせたからラッキーだったにゃ!」

俺はエルフの里に顔パスで入れるネロにカルナへと取り次いで貰おうと思っていたのだ。

「なぁ、ネロお前馬車を使わない方が早く走れるよな?」
そう俺はずっと思っていたのだ。

彼女は戦闘経験も豊富で足も早く、収納袋で商売をしているのに馬車に乗るメリットが無いので多分小遣い稼ぎか心の寂しさを紛らわせる趣味だと思っていた。

「そうだにゃ!エルフの里までなら1日と半分で行けるにゃ!」
馬車の半分か。

「超特急でエルフの里のカルナに手紙を渡してこっちに連れて来てくる事は出来るか?」

「出来るのにゃ、でも戻りはカルナがどれだけ早く動けるかによって時間が決まるにゃ」

俺は手紙をその場で書き。
ネロに手渡して金貨2枚を渡した。

「こんにゃに良いのかにゃ?!」
ネロは驚いた様子で答える。

「あ!これ前金な。終わったら金貨2枚追加で払うよ」
と言ったら。

目の前にはもう誰も居なかった。
「早すぎねぇ?」
ちょっとドン引きしたアロウだった。




次の日、早ければ今日の夜までにはネロはエルフの里まで辿り着くだろう。
なんて考えていると、カノン伯爵の従者が戦争が終わったので。
スキルを解除して欲しいと伝えられた。

「今、解除したよ。伝令ご苦労さま」
そう言うと従者の方はお礼を言って去って行った。

俺は、それを見送り。
ヤミとエミールの居る部屋に向かった。
ノックをして入る。

「おはよう!アロウ君!」
ヤミが元気よく挨拶してくる

「どうなされたのですか?アロウ様?」
エミールは不思議そうに見てきた。

「あぁ、おはようヤミ。戦争が終わった。」
それだけを伝えた。

「そうですか……」
神妙な面持ちでエミールは呟いていた。

「ヤミ、俺は今からギルドに行く。エルフの里での件もあるからな。引き続きクロウの精神干渉を頼む」

「うん!わかったよ!」
ヤミは元気よく返事してくれたので部屋を出た。

クロウは今、ヤミのスキルで精神干渉を受け自分の頭で考えられない意識朦朧の状態になっている。
正気を取り戻せば危険な状態になると思ったからだ。

昨日、防衛の観点から全員この屋敷に留まって貰った。
「おう、アロウどっか行くのか?」
シルムが2階から降りてきた。

「シルムおはよう。戦争が終わったらしい。だからギルドに行って情報を貰って来ようと思ってな」

そう説明すると。

「俺も行くぜ!」

2人で向かう事になった。

ギルドに向かうと、冒険者達が酒を飲みバカ騒ぎをしていた。

俺達2人が入ると歓声が上がった。

「『眼力』と『殲滅者』だぁ!」

うぉぉぉってな感じで。

「騒がしいぞお前ら、仕方ねぇなこれでもっと飲め馬鹿野郎共!!!」
そう言うとシルムは金貨5枚を取り出し酒場の店主に渡していた。


「良いのか?結構な金額だぞ?」
俺はそう言うと。

ガハハと笑いながらシルムが答えた。

「こんな暗い気持ちを発散しねぇとな。バカ騒ぎしねぇと初めて人を殺して精神的にやられてる奴らも居るからな。
友達を失った奴も居るだろうしな」

なるほどなぁなんて思って受付に行くと。

ミーナさんが話しかけて来た。
「アロウ君シルムさん!先程ギルドマスターよりカノン伯爵様の屋敷へと出頭命令が出ています。今回の論功行賞だと思われます」

俺は渋い顔をしながら
「固辞しちゃだめ?めんどくさい」

苦笑いしながらミーナさんは
「ダメですよ。ギルドが帝国に協力したアピールでもあるんですからね」

とメッ!と人差し指を立てて言われた。

「じゃあシルムそっちに行こうか」

俺はそう言うと。
2人で領主館に向かうのであった。

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