39 / 96
青年期
1章3話
しおりを挟む
俺は次の日ギルドに来ていた。
ランさんに話しかけている。
「次の職業更新っていつだっけ?」
ランさんは笑顔で答える
「今月は先週終わっちゃったから来月の頭かな?アロウさんはいつから更新してないのかな?」
俺は気まずそうに
「登録したてから。そもそももう職業も使える魔術も全部違ってる」
ランさんから渇いた笑いが聞こえる
「それやばくないですか?」
「結構やばいと思う。中級魔術全部揃ったからそろそろBに上がろうと思って」
そう言うとランさんは驚いてた。
「適性全部なんですか?」
そう、本来であれば適性があり覚えられる魔術に偏りが出てくるはずなのだが。
俺にはまだその兆候が出て来てない。
「上級も3つ覚えてますけど今の所上限無しだな」
「ほぇー規格外だねぇ。今日は依頼は受けて行く?」
「いや、良いや。それより最近また質の悪い冒険者が新米を下心スケスケで勧誘してたぞ。ちゃんと手綱握っとけって伝えといて」
そう言うとランさんは顬を抑えていた。
「はぁ、最近そういう苦情多いんですよねぇ。Sランク冒険者は戻って来るし有能な新人が2人も入って来るしで仕事は増えるし」
とため息と愚痴を吐いている。
「ほう、その情報詳しく」
俺は間髪入れずに情報収集に勤しむ
「余り口外しないでくださいね。まずSランク冒険者の『眼力』はSランクダンジョンで仲間を全員失ってその後1人で武者修行にでていってて戻ってきた感じです。
有能な新人は剣の達人と闇魔術のエキスパートの方ですね。
それに最近は獣王国ガイアの求心力が急に失われ獣人族の方が増えたので地力はかなり上がっています。
しかも殆どの人が狩猟経験者で罠や戦闘経験が豊富なんですよ」
それを聞いた俺は。
「早めにランクを上げてちゃんとしないと入ったばかりの新米や駆け出しのガキんちょ共が駆逐されるぞ?軋轢は良くない。
ある程度の実力があるなら最初から特殊ランクアップも視野に入れた方が良いとギルドマスターに伝えた方が良い。
どうせろくな事にならんからな、巻き込まれるのはごめんだ」
ランさんは一瞬にポカンとしていたが。
すぐに笑顔になり
「マスターには伝えておきます」
「情報ありがとう。んじゃ帰るわ」
そう言って俺はギルドから出た。
◇
ランはすぐに自分の受付を閉め
ギルドマスターの執務室へと向かった。
コンコンコン
「入れ!」
「失礼します。報告があります」
ギルドマスターは書類から目を離さずに答える
「なんだ?」
「先程アロウ様より情報提供があり。中堅冒険者が無理矢理新人冒険者に声を掛け勧誘しているのを最近よく見かけるので。
手綱をしっかり握っておけと。
後は、獣人族の大規模加入により新米や駆け出しの人族の子供達がこのままだと割を食うので。
戦闘能力があればとりあえずさっさとランクを上げないと。
稼げなくて新人が育たなくなるぞとの事でした」
ギルドマスターは。
目が点になりながらランの方を見ていた。
「それをアロウが言ったのか?あの悪鬼羅刹が?」
「これは建前だと思いますよ?本音はCランク冒険者以上に課さられる"マナー"が手っ取り早く面倒臭いだけかと」
ギルドマスターは苦笑いを浮かべながら
「確かに。そう考えると物凄く合理的な考えだな。あいつが改心したのかと思ってびっくりしたぞ。それであいつはそれを報告しに来たのか?」
「いえ、本題は職業更新の日程確認だった模様です」
「ほう、あいつ遂に上に上がる気か。まぁ、それは楽しみだな。報告助かったありがとう」
「失礼します」
ギルドマスターは葉巻に火を付け紫煙をくぐらせる
「今年は群雄割拠になりそうだな。それと引退者も沢山でそうだなぁ」
しみじみとした感傷に浸りながらも2人の少女の資料と獣王国ガイアから来た連中の資料を机に並べ
どの程度のランクにしようかと悩み始めたのであった。
ランさんに話しかけている。
「次の職業更新っていつだっけ?」
ランさんは笑顔で答える
「今月は先週終わっちゃったから来月の頭かな?アロウさんはいつから更新してないのかな?」
俺は気まずそうに
「登録したてから。そもそももう職業も使える魔術も全部違ってる」
ランさんから渇いた笑いが聞こえる
「それやばくないですか?」
「結構やばいと思う。中級魔術全部揃ったからそろそろBに上がろうと思って」
そう言うとランさんは驚いてた。
「適性全部なんですか?」
そう、本来であれば適性があり覚えられる魔術に偏りが出てくるはずなのだが。
俺にはまだその兆候が出て来てない。
「上級も3つ覚えてますけど今の所上限無しだな」
「ほぇー規格外だねぇ。今日は依頼は受けて行く?」
「いや、良いや。それより最近また質の悪い冒険者が新米を下心スケスケで勧誘してたぞ。ちゃんと手綱握っとけって伝えといて」
そう言うとランさんは顬を抑えていた。
「はぁ、最近そういう苦情多いんですよねぇ。Sランク冒険者は戻って来るし有能な新人が2人も入って来るしで仕事は増えるし」
とため息と愚痴を吐いている。
「ほう、その情報詳しく」
俺は間髪入れずに情報収集に勤しむ
「余り口外しないでくださいね。まずSランク冒険者の『眼力』はSランクダンジョンで仲間を全員失ってその後1人で武者修行にでていってて戻ってきた感じです。
有能な新人は剣の達人と闇魔術のエキスパートの方ですね。
それに最近は獣王国ガイアの求心力が急に失われ獣人族の方が増えたので地力はかなり上がっています。
しかも殆どの人が狩猟経験者で罠や戦闘経験が豊富なんですよ」
それを聞いた俺は。
「早めにランクを上げてちゃんとしないと入ったばかりの新米や駆け出しのガキんちょ共が駆逐されるぞ?軋轢は良くない。
ある程度の実力があるなら最初から特殊ランクアップも視野に入れた方が良いとギルドマスターに伝えた方が良い。
どうせろくな事にならんからな、巻き込まれるのはごめんだ」
ランさんは一瞬にポカンとしていたが。
すぐに笑顔になり
「マスターには伝えておきます」
「情報ありがとう。んじゃ帰るわ」
そう言って俺はギルドから出た。
◇
ランはすぐに自分の受付を閉め
ギルドマスターの執務室へと向かった。
コンコンコン
「入れ!」
「失礼します。報告があります」
ギルドマスターは書類から目を離さずに答える
「なんだ?」
「先程アロウ様より情報提供があり。中堅冒険者が無理矢理新人冒険者に声を掛け勧誘しているのを最近よく見かけるので。
手綱をしっかり握っておけと。
後は、獣人族の大規模加入により新米や駆け出しの人族の子供達がこのままだと割を食うので。
戦闘能力があればとりあえずさっさとランクを上げないと。
稼げなくて新人が育たなくなるぞとの事でした」
ギルドマスターは。
目が点になりながらランの方を見ていた。
「それをアロウが言ったのか?あの悪鬼羅刹が?」
「これは建前だと思いますよ?本音はCランク冒険者以上に課さられる"マナー"が手っ取り早く面倒臭いだけかと」
ギルドマスターは苦笑いを浮かべながら
「確かに。そう考えると物凄く合理的な考えだな。あいつが改心したのかと思ってびっくりしたぞ。それであいつはそれを報告しに来たのか?」
「いえ、本題は職業更新の日程確認だった模様です」
「ほう、あいつ遂に上に上がる気か。まぁ、それは楽しみだな。報告助かったありがとう」
「失礼します」
ギルドマスターは葉巻に火を付け紫煙をくぐらせる
「今年は群雄割拠になりそうだな。それと引退者も沢山でそうだなぁ」
しみじみとした感傷に浸りながらも2人の少女の資料と獣王国ガイアから来た連中の資料を机に並べ
どの程度のランクにしようかと悩み始めたのであった。
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる