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2代目剣バカと辺境伯領
10話
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次の日、スレッドはわくわくのし過ぎによって朝日が昇る前にすでに起きて準備をしてみんなを待っていると
呆れたような顔とやっぱりという納得した顔をしているマクベスさん達がいつもより早めに合流してきた。
「な? 言った通り既にいただろ?」
そんな言葉に少し恥ずかしかったが、ダンジョンが楽しみ過ぎたのは事実なので甘んじてその恥ずかしさは受け入れることにしたのだった。
「マクベスさん、おはよう。 仕方ないじゃん楽しみ過ぎて自然と目が覚めちゃったんだからさ!!」
皆で朝飯を食べる為に食堂に無理やりみんなを連れていった。
普段のマクベスさんや、俺だったら料理にこだわるので塩スープに硬いパンなんて嫌がって自分で作るけど
今日は寧ろ時間短縮できるこんな感じの食事で良かった。
そんなことを考えて速さ重視で朝食を消化していると、注意事項がマクベスさんから発表される。
「スレッド! その目立つ旗は今日は禁止だぞ、理由は簡単だ。
冒険者は短絡的なアホが多い、そして目立ちたがり屋も同じく多い!!」
全員が今のところ、反対意見はないので理解したことを伝える為に頷いた。
「絡まれたところでスレッドが負けることは相当な腹を下してたり、油断してない限り起こりえないが…
それによってギルドに目を付けられる方が厄介だ」
他の二人はうんうん頷いていたけど、俺は全く分からなかった。
そんな時にマクベスさんと目が合った。
「スレッドには理解しがたいよな?」
そういわれたら事実なので俺はしっかりと頷いてみた。
「優秀な人材が国から出ていくとしたら? どう思うと思う?
それはだな… 他の国に行けない様に妨害したり、危害を加えようとするんだ」
なんとも言えない空気になり注意事項が終わったが
先程のマクベスさんの言葉に俺は見聞が広がっていく感覚が少し嬉しかった。
じいちゃんなら覇道的な強さで道のど真ん中を歩くだろうけどまだまだ俺には無理だな。
ギルドに到着するとベトさんが治癒術をみせてガイさんと共にダンジョンに向かうことを説明した後、許可証を貰ってきた。
「ドワーフのグル・見習いのスレッドと職員なら知ってると思うが、マクベスさんも一緒に入る。何か不備はあるか?」
堂々としているガイさんは新鮮な光景だった。
許可証を貰ってダンジョンに向かう乗合馬車に乗るとガイさんはほっと息を吐くと
「アブねーーー!! マクベスさんが居なかったら絡んで来る可哀想な奴量産するところだったわ!」
俺はそんな言葉に反応してしまう。
「大したことない奴ばっかりだったけど?」
その言葉にガイさんやベトさんがガックシという効果音が付きそうな位のオーバーリアクションで落ち込まれた。
はて? なんでや?
「その大した事の無い人達をボコボコにしてしまうので目立つだろ?
そんなことをしていたらダンジョンに潜れる時間が減るから困るのはスレッドだぞ?」
俺は、大人しく待ってた甲斐がありそうだなぁとそう本気で思うのだった。
◇
馬車に揺られて30分位経つと今回入るダンジョンが見えてきた。
入口には、申し訳程度の簡易的なドアがあって
それを通り抜けるとダンジョンの中は森になっているようで
その光景を見て不思議過ぎて癖で気配察知をしつつも感動をしてしまった。
なんとも感情の行き来が忙しい場所だな。
ガイさんが全員ダンジョンに入ったことを確認すると胸ポケットから一枚の紙を確認する。
「よし全員入ったな? 今回の依頼は薬草採取とホーンボアの肉の確保依頼だ!!
ボア系の魔物は急に突進してくることも多いので
気配察知の苦手な俺とベトはマクベスさんとスレッドの二人が
危険と判断した場合は指示に従うこと忘れんなよ!!」
俺は気配察知の件は納得していたので頷き、冒険者になった時に絶対必要な依頼書を見せてもらっていた。
冒険者の依頼書は依頼者・依頼品の名称・個数・代金・各注意事項がかかれていた。
それでも簡易的な文章や随分と曖昧な表記が目立っていた。
「ガイさん? この依頼書……ちょっと適当すぎじゃない?
金額もかなり悪そうだし、大丈夫?」
そういうとガイさんは依頼書の下の方に書いてある
依頼主の場所を見ろと指さして居たので見てみるとようやく納得出来た。
『孤児院』からの依頼だったからだ。
「辺境の街はこういう依頼が多いんだ。
外敵や他国の進軍を防ぐ為に軍費が高く尚且つ人の流入は多過ぎるんだ。
冒険者は稼げない冒険には出たがらないからな。
それに生活が安定するのは中堅と呼ばれるDランク以上の冒険者だけなんだよ。
俺達は他の職でも稼げるがあの街に居た連中のほとんどは冒険者しか出来ないからな!」
そう言って笑うガイさんとその隣でニコニコ笑顔のマクベスさんが印象的だった。
おや? こちらに猪突猛進してくる魔物がいるな?
俺も孤児院の為に何かしてあげらればガイさんみたいな冒険者になれるかな?
そんなことを思いつつもタイミングを合わせて剣を横に振るう。
ナイスタイミングで出て来たホーンボアが真っ二つになる。
「スレッド!! やり過ぎだわっ!!」
マクベスさんに怒られちった。
ベトさんやガイさんは驚き、グルさんは木材に興味津々でこちらを向いてなかった。
「ホーンボアが真ん中から真っ二つなんて笑えてくるな……」
索敵というのは意外と大事ということがよく分かってしまった。
普通は1日かかる依頼が20分で終わるなんてね……
呆れたような顔とやっぱりという納得した顔をしているマクベスさん達がいつもより早めに合流してきた。
「な? 言った通り既にいただろ?」
そんな言葉に少し恥ずかしかったが、ダンジョンが楽しみ過ぎたのは事実なので甘んじてその恥ずかしさは受け入れることにしたのだった。
「マクベスさん、おはよう。 仕方ないじゃん楽しみ過ぎて自然と目が覚めちゃったんだからさ!!」
皆で朝飯を食べる為に食堂に無理やりみんなを連れていった。
普段のマクベスさんや、俺だったら料理にこだわるので塩スープに硬いパンなんて嫌がって自分で作るけど
今日は寧ろ時間短縮できるこんな感じの食事で良かった。
そんなことを考えて速さ重視で朝食を消化していると、注意事項がマクベスさんから発表される。
「スレッド! その目立つ旗は今日は禁止だぞ、理由は簡単だ。
冒険者は短絡的なアホが多い、そして目立ちたがり屋も同じく多い!!」
全員が今のところ、反対意見はないので理解したことを伝える為に頷いた。
「絡まれたところでスレッドが負けることは相当な腹を下してたり、油断してない限り起こりえないが…
それによってギルドに目を付けられる方が厄介だ」
他の二人はうんうん頷いていたけど、俺は全く分からなかった。
そんな時にマクベスさんと目が合った。
「スレッドには理解しがたいよな?」
そういわれたら事実なので俺はしっかりと頷いてみた。
「優秀な人材が国から出ていくとしたら? どう思うと思う?
それはだな… 他の国に行けない様に妨害したり、危害を加えようとするんだ」
なんとも言えない空気になり注意事項が終わったが
先程のマクベスさんの言葉に俺は見聞が広がっていく感覚が少し嬉しかった。
じいちゃんなら覇道的な強さで道のど真ん中を歩くだろうけどまだまだ俺には無理だな。
ギルドに到着するとベトさんが治癒術をみせてガイさんと共にダンジョンに向かうことを説明した後、許可証を貰ってきた。
「ドワーフのグル・見習いのスレッドと職員なら知ってると思うが、マクベスさんも一緒に入る。何か不備はあるか?」
堂々としているガイさんは新鮮な光景だった。
許可証を貰ってダンジョンに向かう乗合馬車に乗るとガイさんはほっと息を吐くと
「アブねーーー!! マクベスさんが居なかったら絡んで来る可哀想な奴量産するところだったわ!」
俺はそんな言葉に反応してしまう。
「大したことない奴ばっかりだったけど?」
その言葉にガイさんやベトさんがガックシという効果音が付きそうな位のオーバーリアクションで落ち込まれた。
はて? なんでや?
「その大した事の無い人達をボコボコにしてしまうので目立つだろ?
そんなことをしていたらダンジョンに潜れる時間が減るから困るのはスレッドだぞ?」
俺は、大人しく待ってた甲斐がありそうだなぁとそう本気で思うのだった。
◇
馬車に揺られて30分位経つと今回入るダンジョンが見えてきた。
入口には、申し訳程度の簡易的なドアがあって
それを通り抜けるとダンジョンの中は森になっているようで
その光景を見て不思議過ぎて癖で気配察知をしつつも感動をしてしまった。
なんとも感情の行き来が忙しい場所だな。
ガイさんが全員ダンジョンに入ったことを確認すると胸ポケットから一枚の紙を確認する。
「よし全員入ったな? 今回の依頼は薬草採取とホーンボアの肉の確保依頼だ!!
ボア系の魔物は急に突進してくることも多いので
気配察知の苦手な俺とベトはマクベスさんとスレッドの二人が
危険と判断した場合は指示に従うこと忘れんなよ!!」
俺は気配察知の件は納得していたので頷き、冒険者になった時に絶対必要な依頼書を見せてもらっていた。
冒険者の依頼書は依頼者・依頼品の名称・個数・代金・各注意事項がかかれていた。
それでも簡易的な文章や随分と曖昧な表記が目立っていた。
「ガイさん? この依頼書……ちょっと適当すぎじゃない?
金額もかなり悪そうだし、大丈夫?」
そういうとガイさんは依頼書の下の方に書いてある
依頼主の場所を見ろと指さして居たので見てみるとようやく納得出来た。
『孤児院』からの依頼だったからだ。
「辺境の街はこういう依頼が多いんだ。
外敵や他国の進軍を防ぐ為に軍費が高く尚且つ人の流入は多過ぎるんだ。
冒険者は稼げない冒険には出たがらないからな。
それに生活が安定するのは中堅と呼ばれるDランク以上の冒険者だけなんだよ。
俺達は他の職でも稼げるがあの街に居た連中のほとんどは冒険者しか出来ないからな!」
そう言って笑うガイさんとその隣でニコニコ笑顔のマクベスさんが印象的だった。
おや? こちらに猪突猛進してくる魔物がいるな?
俺も孤児院の為に何かしてあげらればガイさんみたいな冒険者になれるかな?
そんなことを思いつつもタイミングを合わせて剣を横に振るう。
ナイスタイミングで出て来たホーンボアが真っ二つになる。
「スレッド!! やり過ぎだわっ!!」
マクベスさんに怒られちった。
ベトさんやガイさんは驚き、グルさんは木材に興味津々でこちらを向いてなかった。
「ホーンボアが真ん中から真っ二つなんて笑えてくるな……」
索敵というのは意外と大事ということがよく分かってしまった。
普通は1日かかる依頼が20分で終わるなんてね……
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