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幼少編
僕はグレイス・サーペント
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意識を取り戻すと、僕は誰かに抱えられていることに気づいた。それも何かに包まれているような感覚で。
ボヤける視界を巡ると、目の前には誰かしら二人が立っているように見える。本当にぼんやりなので定かではない。
でも、二つだけ確実に分かることがある。
ここは異世界で、僕は僕じゃない。
さて、女神の力によって転生を果たした僕は今、絶賛母であろう人に抱えられていると言うことが分かった。
その隣で僕を見ている男は多分父。
名前とかは言っていないので未だ不明だが、まあ後になれば分かることだろう。
それよりもまず僕の気を引いたのは、家の造り。病院しか見たこと無い僕にとっては当然だけれど、すごく新鮮だ。
CMで見た現代建築とはほど遠い、アニメでよく見た中世ヨーロッパ風の建築技術が輝いている。
凄い。本当に転生しているんだ。
「うん。君には我が子、グレイス・サーペントの世話係を頼みたい。苦労をかけるだろうが、よろしく頼むよ」
世界観に興奮していると、後ろでは何やら僕の父であろう人が誰かに僕の世話係を頼んでいた。
というか、僕の名前ってグレイス・サーペントっていうんだ。なんか、かっこいい。
それとあの人は父で間違っていなかったようだ。なら抱えてくれている人も、母で間違い無いのだろう。二人とも優しそうな人だ。
(ん?)
急に視界が母ではなく一人の子供に変わった。年齢は四歳とかだろうか。
「グレイスさま、よろしくおねがいします!メイドの、リルアです」
リルアという子が僕の世話係となってくれるようだ。多分ここ数年はお手伝いさんも来てくれるだろうけど。
にしても凄い可愛い子だな。大人になれば女神と肩を並べられる美女になれるのではなかろうか。
期待大ってところだろう。
さて、その日の夜僕は家族の愛とはなんたるかを教えられた。
新しい両親の僕への愛は本物であり、前世のものとは比べ物にならなかったし、暖かかった。
この二人の息子としてならやっていけると実感できるいい機会だった。
あと動けない時間は極力、魔力操作に費やそうと思った。
幼少期は特に自力では動けない。その期間を逆手にとって、僕は魔力操作に慣れておこうと思う。
きっと血の君主になるときにも役に立つことだろう。
転生一日目の収穫としては以上だ。
明日から本格的に、人生を謳歌しようと思う。
明日からが楽しみである。
ボヤける視界を巡ると、目の前には誰かしら二人が立っているように見える。本当にぼんやりなので定かではない。
でも、二つだけ確実に分かることがある。
ここは異世界で、僕は僕じゃない。
さて、女神の力によって転生を果たした僕は今、絶賛母であろう人に抱えられていると言うことが分かった。
その隣で僕を見ている男は多分父。
名前とかは言っていないので未だ不明だが、まあ後になれば分かることだろう。
それよりもまず僕の気を引いたのは、家の造り。病院しか見たこと無い僕にとっては当然だけれど、すごく新鮮だ。
CMで見た現代建築とはほど遠い、アニメでよく見た中世ヨーロッパ風の建築技術が輝いている。
凄い。本当に転生しているんだ。
「うん。君には我が子、グレイス・サーペントの世話係を頼みたい。苦労をかけるだろうが、よろしく頼むよ」
世界観に興奮していると、後ろでは何やら僕の父であろう人が誰かに僕の世話係を頼んでいた。
というか、僕の名前ってグレイス・サーペントっていうんだ。なんか、かっこいい。
それとあの人は父で間違っていなかったようだ。なら抱えてくれている人も、母で間違い無いのだろう。二人とも優しそうな人だ。
(ん?)
急に視界が母ではなく一人の子供に変わった。年齢は四歳とかだろうか。
「グレイスさま、よろしくおねがいします!メイドの、リルアです」
リルアという子が僕の世話係となってくれるようだ。多分ここ数年はお手伝いさんも来てくれるだろうけど。
にしても凄い可愛い子だな。大人になれば女神と肩を並べられる美女になれるのではなかろうか。
期待大ってところだろう。
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あと動けない時間は極力、魔力操作に費やそうと思った。
幼少期は特に自力では動けない。その期間を逆手にとって、僕は魔力操作に慣れておこうと思う。
きっと血の君主になるときにも役に立つことだろう。
転生一日目の収穫としては以上だ。
明日から本格的に、人生を謳歌しようと思う。
明日からが楽しみである。
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