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母の鬱②
しおりを挟む母が勤務先をやめ、割とすぐに新しい勤務先を見つけてきた。
そして母は、父へのあたりが強くなった。
元々そこまで優しくしていたわけではないものの、自分が鬱になった際に全面的に味方になってくれなかった事が引き金となったらしい。
自分の味方にならないならば敵という事だ。
白か黒しかない母は、突然白が黒に変わったり、逆になったり、まるでオセロにように敵と味方を分けていく。しかし、常に敵は作っている。
一度敵とみなすと、敵の間は徹底して攻撃をする。
私はたまにしか会わない上に、基本的にイエスマンである、将来有望な子供のため、母の機嫌を損ねる事が少ない。そのため、味方と認識されているらしい。
「父は、私の事を何も分かってくれない」
はっきりと言われた言葉に、私は正直何を言っているのか全く意味がわからなかった。
ブーメランでしかない言葉を、よくもまあ吐けたものだ。しかし、そんな言葉を求めているわけではないため、何の話に対してなのかを聞くと、休職中に復帰するよう説得された話の事だったらしい。
「自分が辞めたいと言ってるのに、復帰しろっていわれて嫌だったの?」
「そう。お父さんはいつもお金の事しか考えてない」
後先考えずにしたいようにしかせず、尻拭いもしないような母よりは数千倍マシなのでは?と正直思う。
「お金も大事だけど、気持ちがついていかなかったら厳しいよね」
「そうなのよ」
適当に返した言葉に大層ご満悦な様子で笑みを浮かべたので、私は選択を間違えなかったようだと安心した。
同時に、実家で一緒にいなければいけない父や他の姉、兄は大変だなと感じた。
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