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本編完結編

ある日の出来事

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彼女と初めて会ったのはエスポワール学園の入学パーティーの日、そういや、エスポワール学園は転生者が作った学園だ、名前の由来はフランス語という言葉で希望だって聞いたな。

デスペア学園はその名前の正反対か、たしか、絶望とかそういう意味だった気がする。

彼女はリアルの世界とは正反対の世界を作り出したってことか、わざわざなんのためにこんな事をしたのかはわからない。

入学パーティーで彼女と出会った時、最初見た時は穏やかそうな女性だった、なのに俺を見た瞬間に顔を顰めて怖い表情になったんだよな。
理由はわからない、なんであんな表情したのか、どうして俺は彼女に激しく恨まれてるのか。

普通に考えれば彼女の想い人とか、大切な人を俺が奪ったとか?
でも、彼女のことは初めてあの場で見ただけだし、キリヤ達もおそらく初めてのはずだ。

じゃなければ、彼女を処刑するなんてできるはずがない。

となると、彼女はなぜ俺を恨んだのか、それは逆恨みだったのか、謎は謎を呼ぶばかりだ。
それになんで、わざわざこの世界での自分を男にしたのかも気になる。

女性のままじゃなくなった理由はなんなのか、俺が黙り込んで考え事をしてもキリヤは何も言わずに俺の隣に座って寄り添ってくれる。
この安心感が昔から好きだ、俺がやることを反対なんてしたことがない。

ただ、見守って本当に危険なことなら全力で怒られる。
基本は見守るのがキリヤだ、アッシュとかちょっとでも俺が無茶なことをしようとすると全力で止めてくるけど。

過保護具合でいえば、リバー、アッシュ、キリヤ、シエル、カナタな気がする。

キリヤがそうやって俺を甘やかすから俺はどんどんダメになるんだよな、あっちに戻ったらキリヤに文句を言わなければ。
ある意味この世界でサバイバルのような生活を送ったおかげか、俺は向こうにいた時よりは逞しくなってるはずだ。

「なぁ、キリヤ、ところで俺達どうやって帰るんだ?」

「ああ、実は協力者を得てね、その協力者のおかげで俺はユーリの夢の中に入れたんだ、今回が初めてじゃない、接触しようと試みると邪魔をされて上手くいかなかったけどな」

「へぇ、そうなんだ、それで、その協力者って?」

「異世界の者だ、俺たちの世界の住人じゃない、だが、不思議な力を持っていてな、その者が力を貸してくれた、自称神様だそうだ」

「ふっ、ふふ、神様か、なるほどな、異世界の神様がわざわざ力を貸してくれたってわけか」

「そういうことになるな」

「その神様はどこにいるんだ?」

「呪術使いのところに行けば姿を見せると言っていた、元凶をどうにかしなければ、俺は出れてもユーリは目を覚ますことはできないそうだ」

「なるほど、キリリクの元に行けばいいってことか」

「そうだ」

精神だけがこの世界にいるなら、どうにかするってことはキリリクは、……彼女はどうなるんだろうか。
肉体がすでにないなら彼女は滅びるだけか?助けることはできないのか?
反撃をしたいとは思ったけど、なにも殺したいわけじゃない、俺に対してしたこの呪いは酷いものではあった。

俺の大事な人達が俺の意思なんてお構い無しに犯したり、物理的に食べたり、その他色々と酷いことをしてくれたんだ。
気が狂いそうだった、俺の世界にいる皆とは違うことが、同じ顔で同じ声で性格も基本は同じなのに闇堕ちしてる部分だけが違う。

穏やかな時は俺のいた世界のみんなと同じ、だからこそ許せない、でも、罪は生きて償うからこそだと俺は思ってる。
死んで償うのは犯人を楽にするだけだ、死んでしまえばそこで終わるのだから。

その自称神様に彼女を殺さない方法は無いのか、会ったら聞くしかないか。



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