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本編1章
あれから1ヶ月
しおりを挟むアッシュと初めてのSEXしてから1ヶ月が経過した。
アッシュとはあれからも順調に愛を育んできた。
仇だと思うのにどこか憎みきれなくて結局ずるずると1ヶ月だ、でも、今日は違う。
あれから何度も湖デートも繰り返してるし、きっとアッシュはそろそろ油断してるはず。
だから、今日こそは…俺の復讐を実行する時だと思う。
アッシュのことは好きだ、たぶん、愛してる…んだと思う。
でもさ、やっぱり、俺には家族のことも大事だったし、キリヤだって大事だったんだ。
キリヤはそりゃあ推しだからってのもあるけど、あんな事されても結局嫌いになんてなれなかったから…だからこそ、けじめをつけなきゃいけない。
結局護衛兵の話は本当のはずだ、あれから1ヶ月経過しても俺は両親にあっていない。
そろそろ本当なら心配して様子を見に来てもいいはずなのに、アッシュはそこだけは俺には隠している。
隠すってことはやましい事があるんだろうな…。
2人きりで静かな夜の湖のまわりを歩いてるとため息がもれそうだった。
大好きになった、愛した、それでも、アッシュは俺の仇でもあった。
ちらりと隣を歩くアッシュを見遣れば、視線に気づいたアッシュが優しく微笑んでくれる。
この幸せをいつまでも続いて欲しいと思うと同時に終わらせなければいけないと思う。
アッシュの手を掴んで、はしゃぐように走り出せば一緒に走ってくれる。
「どうしたんだい?突然」
「ふふっ、幸せだなって思って…ねぇ、アッシュ、大好きだよ」
ピタッと立ち止まって振り返れば、俺の様子がおかしいことに気づいたらしいアッシュが切なげに微笑んだ。
「ユーリ…知ってるんだね?」
「うん」
「そっか、ユーリに殺されるなら本望だ、ちゃんと心臓を狙うんだよ、間違いてはいけないよ?」
自分の心臓の上をトントンとして示すアッシュの行動に頭を緩く振った。
違うんだ、そうじゃないと。
だって、俺は…アッシュの腕を掴んで、そのまま湖に飛び込んだ。
「─────」
湖の中で口をパクパク動かして、魔法を唱えた。
重力の魔法だ、2人で一緒に湖の底へ沈んでいく。
だって、こうするしか無かったんだ。
好きになってしまったから、愛してしまったから、1人で死なせるなんて俺にはできなかった。
だから、2人で死のう、アッシュ、愛してるよ。
湖の底、光も届かない暗い底で唇を重ねて最期までを一緒に過ごす。
アッシュは拒絶しなかった、全てを受け入れて一緒に死ぬことを選んでくれたようだ。
息が苦しくて意識が遠くの瞬間、アッシュが微笑むのを見た気がした。
─────愛してるよ、ユーリ…これで、一生君は私のモノだ。
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