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神様との暮らし
しおりを挟む僕は結局神様に食べてもらう予定で来たのに、神様は僕を食べようとしない、僕が痩せてるからだ。
早く食べてもらうために頑張って食事をしなければと
意気込んでいたのだけれど、神様は僕に無理矢理なにかをさせるとか、食べさせるとか、そういうのも一切ない。
神様は僕になにかを求めない、それがどうしてなのかわからない、食べることもできない僕なんてさっさと太らせて食べればいいのにと思う。
神様が何を考えてるのかわからないままに一緒に暮らしはじめて、わかったことが一つだけあった。
神様はどうやら朝に弱いらしいということ、寝起きはあの長い髪が凄いことになってて前の方に来てる時は心の底から驚いて悲鳴をあげてしまった。
だって、お化けにしか見えなかったんだ、ガクガク震えながら叫んだ僕に神様は髪をどかして深緑の瞳は楽しげな様子で僕を見てこういったんだ。
「なんだ、お前叫んだりできたのか」
と、当たり前なことを言う。
まぁ、僕は村にいる間は感情を押し殺していたから、叫ぶとか笑うとかそういうことをしたことないけど、それでも、驚けばさすがに悲鳴だってあげるよ。
なにを当たり前なことを言うんだ、この人はと呆れたような目線を向けて、すぐにハッとなって僕は慌てて謝った。
こんな態度はしたらダメだ、殴られると思ったから。
「あ、ごめんなさい、僕…」
「ああ、なにんな怯えてんだよ、俺は殴なったりしねぇよ、お前になんか仕置したりすることはねぇから安心しな」
大きな手でわしゃわしゃ頭を撫でられるとなんだか、むず痒くて口をむにむにしてると「ぶはっ、変な顔、ブッサイクだな」って大笑いする神様にむぅっと眉間にしわ寄せて不貞腐れても、神様は僕を怒ることなんてしなくて「ガキはガキらしくな、そのほうがよっぽどいいぜ?」って言ってくれたんだ。
死にたくないって思ったら、どうしてくれるんだとこの時の僕は考えていた。
僕は神様への生贄だ、村のために立派な生贄になんて思ってないけど、それでも、僕は食べられることは運命なのだから優しくしないでほしい。
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