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浮気性を治す方法
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綾斗の腕の中にすっぽりとおさまると、鼻腔を擽る匂いは暁斗とは違う。
わかってることだけど、全然違うなとぼんやりそんなことを考えていた。
「今日はここに泊まっていくといいよ、俺の匂いをたっぷりつけて、それからココに」
─────キスマークや噛み痕をたくさんつけよう。
低く掠れた声音で紡がれた言葉に心臓が跳ねた。
いよいよ、計画は最終段階に入るらしい。
心臓が暴れだしてうるさい、緊張してるのが自分でもわかる。
ゴクリと喉を鳴らした、その時、綾斗のスマホが着信を知らせる。
それに出るとスピーカーにしたようで暁斗の声が聞こえてきた。
「綾斗、きいてよ」
「なんだい?ついに別れを切り出されでもしたのかな」
「んなわけねぇだろ!そうじゃなくて、また会うの断られたんだけど、しかも、浮気相手と会うからって!」
「へぇ……」
「どういうこと!?律樹は僕のこと好きなはずなのに浮気相手優先するってありえなくない?」
「あの子は暁斗みたいに器用じゃないだろう、もしかしたら浮気相手のほうを好きになったのかもしれないね」
「はあぁ?そんなわけないでしょ、律樹は僕のことが大好きなんだからさ」
「そうやってあぐらをかいてるから、横からかっさらわれるんじゃないのかい?」
「いやいや、ありえないでしょ、そりゃ1ヶ月くらいろくに会えてないけどさ、そんくらいで律樹が僕以外の誰かを好きになるとかないない、恋多きってタイプじゃないし」
「それはどうかな、律樹だって浮気性の恋人に泣かされてたら浮気相手に心奪われてもおかしくないだろ?」
「…………は?お前いつからそんなに律樹の味方するようになっんだよ、、なに、浮気相手って実は綾斗なの?そこに律樹がいるってこと?」
「それはどうかな、でも、そうだね、あの子は可愛いよね、人懐こくて、暁斗にはもったいないくらいの善人だし」
「…………今からそっち行くから」
プツンと電話が切れて「ははっ、まさかこんな簡単に挑発にのるなんてね、さて、このまま待ってるのも面白くないし、律樹寝室においで」と手を引かれて、そのまま寝室に連れ込まれた。
綾斗が先に座って、その上を座るように言われて恥ずかしくてブンブンと頭を振っても許してもらえず、強引に手を引かれて綾斗の膝の上に腰を下ろした。
「律樹時間がないから俺の首に噛み付いて噛み痕を残すんだ」
「え、でも……」
「悩んでる暇はないよ、暁斗が電話をかけてきた時にはすでにはじまってたと思わせないとね」
「……わ、わかった…」
綾斗の黒い髪を後ろに流して、あらわになった首筋に顔を近づけて舐めてから歯を立てて歯型を残していく。
暁斗にだって付けたことがないそれを綾斗に先につけることになるなんてと自嘲気味に笑った。
すると、綾斗が今度は交代とばかりに俺の首筋に顔を埋めて暁斗以外の舌が這うことにぞわりと悪寒がした。
嗚呼、俺本当に暁斗以外は無理なんだな、こんなに優しくしてくれて、デートだってしてくれて、なのに綾斗を1ミリ足りともそういう意味で好きだって感情がないことに気づいて、ショックといえばショックだった。
結局自分は暁斗に囚われてる、離れることができない。
チリッと何回か痛みが走っていくつか、鬱血痕と噛み痕を刻まれていき、綾斗の手が服の中に入り込んできて直接背中を撫でられると、バンと寝室の扉が開いて暁斗が姿を現した。
「いい度胸してんな、綾斗、僕が来るってわかってんのに律樹とやろうとしてたわけ?」
「暁斗には関係ないだろう?律樹から聞いてるよ、浮気は公認だって」
「女とは公認したけど、男とするなんて許した覚えないけど?」
「何を言ってるんだ、律樹はその女性との浮気も許してないのに暁斗は好き勝手浮気してるじゃないか」
「それは……」
「暁斗に律樹を責める権利はないよ、律樹は何回もやめてくれって暁斗に言ってたはずだからね、そのたびに相談を受けていたんだ」
「だからってなんで……」
「よりによって俺?ふふっ、俺が相談を受けてるうちに暁斗にはもったいくらいのいい子だから欲しくなったんだよ、俺が本気なのはわかるだろ?この子になら噛まれるのも悪くない」
俺は黙ってひたすら2人のやり取りを聞いてると、綾斗がさっき俺が付けたばかりの噛み痕を暁斗に見せると顔は見えないが背後から凄まじい殺気を感じた。
わかってることだけど、全然違うなとぼんやりそんなことを考えていた。
「今日はここに泊まっていくといいよ、俺の匂いをたっぷりつけて、それからココに」
─────キスマークや噛み痕をたくさんつけよう。
低く掠れた声音で紡がれた言葉に心臓が跳ねた。
いよいよ、計画は最終段階に入るらしい。
心臓が暴れだしてうるさい、緊張してるのが自分でもわかる。
ゴクリと喉を鳴らした、その時、綾斗のスマホが着信を知らせる。
それに出るとスピーカーにしたようで暁斗の声が聞こえてきた。
「綾斗、きいてよ」
「なんだい?ついに別れを切り出されでもしたのかな」
「んなわけねぇだろ!そうじゃなくて、また会うの断られたんだけど、しかも、浮気相手と会うからって!」
「へぇ……」
「どういうこと!?律樹は僕のこと好きなはずなのに浮気相手優先するってありえなくない?」
「あの子は暁斗みたいに器用じゃないだろう、もしかしたら浮気相手のほうを好きになったのかもしれないね」
「はあぁ?そんなわけないでしょ、律樹は僕のことが大好きなんだからさ」
「そうやってあぐらをかいてるから、横からかっさらわれるんじゃないのかい?」
「いやいや、ありえないでしょ、そりゃ1ヶ月くらいろくに会えてないけどさ、そんくらいで律樹が僕以外の誰かを好きになるとかないない、恋多きってタイプじゃないし」
「それはどうかな、律樹だって浮気性の恋人に泣かされてたら浮気相手に心奪われてもおかしくないだろ?」
「…………は?お前いつからそんなに律樹の味方するようになっんだよ、、なに、浮気相手って実は綾斗なの?そこに律樹がいるってこと?」
「それはどうかな、でも、そうだね、あの子は可愛いよね、人懐こくて、暁斗にはもったいないくらいの善人だし」
「…………今からそっち行くから」
プツンと電話が切れて「ははっ、まさかこんな簡単に挑発にのるなんてね、さて、このまま待ってるのも面白くないし、律樹寝室においで」と手を引かれて、そのまま寝室に連れ込まれた。
綾斗が先に座って、その上を座るように言われて恥ずかしくてブンブンと頭を振っても許してもらえず、強引に手を引かれて綾斗の膝の上に腰を下ろした。
「律樹時間がないから俺の首に噛み付いて噛み痕を残すんだ」
「え、でも……」
「悩んでる暇はないよ、暁斗が電話をかけてきた時にはすでにはじまってたと思わせないとね」
「……わ、わかった…」
綾斗の黒い髪を後ろに流して、あらわになった首筋に顔を近づけて舐めてから歯を立てて歯型を残していく。
暁斗にだって付けたことがないそれを綾斗に先につけることになるなんてと自嘲気味に笑った。
すると、綾斗が今度は交代とばかりに俺の首筋に顔を埋めて暁斗以外の舌が這うことにぞわりと悪寒がした。
嗚呼、俺本当に暁斗以外は無理なんだな、こんなに優しくしてくれて、デートだってしてくれて、なのに綾斗を1ミリ足りともそういう意味で好きだって感情がないことに気づいて、ショックといえばショックだった。
結局自分は暁斗に囚われてる、離れることができない。
チリッと何回か痛みが走っていくつか、鬱血痕と噛み痕を刻まれていき、綾斗の手が服の中に入り込んできて直接背中を撫でられると、バンと寝室の扉が開いて暁斗が姿を現した。
「いい度胸してんな、綾斗、僕が来るってわかってんのに律樹とやろうとしてたわけ?」
「暁斗には関係ないだろう?律樹から聞いてるよ、浮気は公認だって」
「女とは公認したけど、男とするなんて許した覚えないけど?」
「何を言ってるんだ、律樹はその女性との浮気も許してないのに暁斗は好き勝手浮気してるじゃないか」
「それは……」
「暁斗に律樹を責める権利はないよ、律樹は何回もやめてくれって暁斗に言ってたはずだからね、そのたびに相談を受けていたんだ」
「だからってなんで……」
「よりによって俺?ふふっ、俺が相談を受けてるうちに暁斗にはもったいくらいのいい子だから欲しくなったんだよ、俺が本気なのはわかるだろ?この子になら噛まれるのも悪くない」
俺は黙ってひたすら2人のやり取りを聞いてると、綾斗がさっき俺が付けたばかりの噛み痕を暁斗に見せると顔は見えないが背後から凄まじい殺気を感じた。
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