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浮気性を治す方法
しおりを挟む綾斗の作戦通り、俺は暁斗の誘いを断り続けた、何回断ったかな?たぶん、6回くらい。
これだけ断ってるのと暁斗が忙しいのもあって全然会えずに1ヶ月が過ぎていた。
不思議と構内でも会うことがなかった、たぶん、綾斗がなんとかしてくれるのかもしれない。俺達が会わないように。
暁斗はいまだに俺に誰と会うのかまでは聞いてこない、友達と会ってるんだと予想はしてるんだろうけど。
実際は断りの回数の半分以上は綾斗と会ってる、友達とマジで遊ぶ約束してた時以外は綾斗と会うことになったからな。
そんなこんなで断り続けたからか、暁斗から電話がかかってきてまた誘いを断ったらついに俺が待ち望んでいたことを言われた。
「律樹さ、なにそれ、僕がせっかく会えるって言うのに何回断るわけ?今月1回も会えてないよね、構内でも全然会えないし、僕達」
「う、うん、ごめん、でも先約が……」
「はぁ……それって僕より大事なわけ?どうせ、友達と会う約束してんだろ、断りなよ、ああ、それとも浮気するって宣言した手前嘘でも僕の誘いを断ってるわけ?」
「そっ、そんなわけねぇじゃん!今日は本当ごめん、今日と明日はその……浮気相手とデートする約束だから…」
「は?」
「だ、だから、暁斗も女の人と遊びなよ!ほんとごめん!」
言うだけ言って慌てて電話を切ってマナーモードに切り替えた、今日と明日は俺が休みなのを知ってるから誘ってきたんだろうし、それを浮気相手と約束したってついに言ってしまった。
もう完全に引き返すことなんてできない。
このまま嘘を貫き通して浮気してると思わせないと、緊張とこれからのことが不安で心臓がうるさいくらいにバクバクしてる。
その足で俺は綾斗の家に来ていた、暁斗からだって合鍵を貰ってないのに綾斗から先に貰うなんて思ってもいなかったな。
演技をする以上、より親密に見えるように俺が本気で律樹を好きだと思わせるためにこれくらいしないとねって笑って渡してくれたんだよな。
いくら、後輩のためだからってここまでしてもらっていいのか遠慮してると綾斗は「暁斗が自覚した瞬間が楽しみだからいいんだよ」って笑ってくれた。
うん、あの時は綾斗が暁斗の親友なのも2人の共通の知人が2人をどっちもどっちのクズって言うのも全てわかった気がした。
合鍵を使って玄関を開けて中に入ると、靴はあるから家にいるらしいということがわかって、ほっと胸をなでおろす。
すると俺が玄関を開けた音に気づいたようで綾斗がリビングから顔を出した。
「おや、いらっしゃい、今日はどうしたんだい?」
「えっと……暁斗が……」
「ああ、もしかしてついにキレた感じかな」
「うん」
「ふふっ、それなら次のステップアップしようか、おいで」
綾斗の差し出された手に自分の手を重ねれば、グイッと引き寄せられて抱きしめられる。
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