浮気性のクズ【完結】

REN

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浮気性を治す方法

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気をもたせるだけもたせて、告白したら笑って振りそうだなんて考えるのは失礼だろうか。

「くくっ、なにか失礼なことを考えてるね?」

「あ、いやその……だって、綾斗めっちゃモテるって聞いてたけど、これか!って思ってさ」

「ははっ、俺は特別な子にしか優しくしないよ」

「もうやめて!それ勘違いしちまいそう」

─────俺が律樹を好きだって?

楽しげな様子で紡がれた言葉に顔がかぁーっと熱くなって耳まで真っ赤に染まる。

それを見てくすくす笑うから、からかわれてるのがわかって「もうからかわんで!」と顔を背けた。

「ごめん、ごめん、律樹が可愛くてつい…ね」

「悪いとか絶対思ってないっしょ?」

「……おや、バレたか、ほら、律樹おいで、今日は俺の家に泊まるといいよ、浮気を宣言したその日に自宅に戻っていなかったと知ればアイツも慌てるかもね」

「まじか……」

「なにも取って食ったりしないから安心していいよ」

「もうからかわんで!って言ってんのに、わかってるよ、綾斗が手を出さないことくらい」

「それはどうかな?協力するって律樹に近づいて美味しくいただくつもりかもしれないよ、人を信用しすぎるのはよくない」

怪しく笑う綾斗にぞくりと背筋粟立つ。

本当にこの人は人をからかうのが、思わせぶりな態度をとることが上手い、これくらい上手ければ暁斗の事も振り回すことができたのかな。

なんて、馬鹿な考えが浮かぶけど無理だなって思った。
経験値の差が圧倒的すぎるから。


「さて、それじゃ、帰りながら少し話をしようか?まず計画なんだけどね、暁斗は自分の気持ちもよくわかってない小学生以下だから自覚させるのが必要だ」

「へ?」

「自覚させるには律樹がいかに自分にとって特別で大切な存在か、それに浮気されたら腹立つってことを教えなければいけない、そこで、律樹には悪いんだけど暁斗とはしばらく会わないでほしい」


衝撃だった、しばらく会うなっていうのは恋人として過ごすなってことだよな。

大学ではさすがに避け続けるのできるかわかんねぇけど、とにかく俺は暁斗を避けろってことか。

「先約があるフリくらいはできるだろう?その間の空白の時間は俺とデートしようか、他の人を匂わせるのは大事なことだよ」
 
「う、うん」

「誰と先約?ってきかれたら、こう答えるといい、浮気相手って」

「あっ…」

「暁斗は何回も断られたら、きいてくるはずだからね、なんなら律樹が遊んでくれないなら女と会うって言ってくることもあるかもしれない、そうなっても会ったらダメだよ、俺も浮気相手と遊ぶから暁斗も楽しんでなくらい言ってやりな」

「……それ、言えるかな」

暁斗なら本当に言ってきそうな言葉に頭を抱える、その時に俺は本当に強気でそんなこと言えるだろうか。

俺が会わなければ浮気されてしまうのがわかってるのに、考えるだけで胸が締め付けられるように痛くて苦しい。

ぎゅっと胸の前で手を握りしめると、その手を優しく上から握られる。

そして、目の前まで綾斗が迫ってきて額と額がコツンとした。

「律樹、俺を信じて、暁斗の浮気癖を必ず治して律樹を愛してるってことを自覚させるから、ね?」

「……わかった…」

「それじゃあ、行こうか」

綾斗に手を繋がれて歩き出す。綾斗の家に泊まるのも行くのも初めてだから、ちょっと緊張した。


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