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浮気性を治す方法
しおりを挟む暁斗の家からの帰り道、綾斗に電話をした。
綾斗はすぐに電話に出てくれて、暁斗に浮気宣言したと報告した。
協力してもらうのは有効?って聞けば、クスクス楽しそうに笑いながら有効だよと了承してくれた。
手始めにデートからするって言われて驚いた、デートとかもすんの?って思わず聞いたのは忘れてほしい。
だってさ、キスマとか噛み痕さくっと付けてくれるだけだと思ってたんだ、デートの誘いを受けるなんて思ってなかった俺は本当に驚いた。
暁斗とはあまりデートだってしてない、暁斗が女遊びと一応実家の手伝いや後継ぐために色々と勉強中だとかで忙しいのもあるから会えばSEXするばかりだった。
うわぁ、よく考えたらこれ都合がいいセフレと一緒じゃん、馬鹿だな俺…。
普通はどんなに忙しくても連絡はするし、デートだってするよな、女と浮気しなきゃデートなんていくらでもできるし……。
綾斗のデートのお誘いで気づいてしまって落ち込んでしまった俺の声色に気づいたのか、綾斗が「なにかあった?」と優しい声音で聞いてくれた。
それは本当に心配してるような声で、俺のぽっかり穴があいた隙間を埋めてくれるような感覚さえした。
「…俺、暁斗とさ、まともにデートしたことなくて……あははっ、恋人じゃなくてセフレだったのかな…」
「……何回も相手するのは初めてのはずだから、暁斗は律樹のこと好きだよ」
慰めの言葉が痛い、わかってるんだ、俺以外は1夜限りだってことくらい。
だから、俺のこと好きって気持ちはたぶん本物で、でも、心が俺にある言われても体は俺だけの物じゃないのが無理だった。
抱かれれば抱かれるほどにそれを考えるから、最近じゃ暁斗とのSEXはぶっ飛ぶ前は苦痛だったりする。
そんな本音がぼろぼろとこぼれ落ちて、洗いざらい綾斗にぶちまけてから、ハッと気づいて「ごめん、こんな話して」と小さく謝った。
「気にしなくていいよ、本当につらかったんだね、可哀想に、だから暁斗はやめたほうがいいって言ったのに…」
「ははっ、本当だよな、綾斗にも友達にもやめたほうがいいって言われたのに……俺馬鹿だ…」
俯きながらとぼとぼと歩いてると「本当に馬鹿だな、律樹」って前から声が聞こえて、え?っと顔をあげれば綾斗の姿があった。
暁斗と綾斗の家が近いのは知ってたけど、まさか出てくるなんて予想外すぎて、目の前のは本物か?と思わず目を擦った。
「ふふっ、本物だよ、偽物いるとおもってるのかい?」
「いや、だって、タイミングよすぎん?」
「泣きながら電話してきた可愛い後輩を1人にしたくなくてね」
くっそー、これか、これがモテ男の秘訣なのか。
こんなことをサラッと言えるからモテるのは理解した、理解したと同時にやっぱり、綾斗もクズの部類なんだろうな。
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