浮気性のクズ【完結】

REN

文字の大きさ
上 下
3 / 7

浮気性を治す方法

しおりを挟む



暁斗の家からの帰り道、綾斗に電話をした。
綾斗はすぐに電話に出てくれて、暁斗に浮気宣言したと報告した。

協力してもらうのは有効?って聞けば、クスクス楽しそうに笑いながら有効だよと了承してくれた。

手始めにデートからするって言われて驚いた、デートとかもすんの?って思わず聞いたのは忘れてほしい。

だってさ、キスマとか噛み痕さくっと付けてくれるだけだと思ってたんだ、デートの誘いを受けるなんて思ってなかった俺は本当に驚いた。

暁斗とはあまりデートだってしてない、暁斗が女遊びと一応実家の手伝いや後継ぐために色々と勉強中だとかで忙しいのもあるから会えばSEXするばかりだった。

うわぁ、よく考えたらこれ都合がいいセフレと一緒じゃん、馬鹿だな俺…。

普通はどんなに忙しくても連絡はするし、デートだってするよな、女と浮気しなきゃデートなんていくらでもできるし……。

綾斗のデートのお誘いで気づいてしまって落ち込んでしまった俺の声色に気づいたのか、綾斗が「なにかあった?」と優しい声音で聞いてくれた。

それは本当に心配してるような声で、俺のぽっかり穴があいた隙間を埋めてくれるような感覚さえした。

「…俺、暁斗とさ、まともにデートしたことなくて……あははっ、恋人じゃなくてセフレだったのかな…」

「……何回も相手するのは初めてのはずだから、暁斗は律樹のこと好きだよ」

慰めの言葉が痛い、わかってるんだ、俺以外は1夜限りだってことくらい。

だから、俺のこと好きって気持ちはたぶん本物で、でも、心が俺にある言われても体は俺だけの物じゃないのが無理だった。

抱かれれば抱かれるほどにそれを考えるから、最近じゃ暁斗とのSEXはぶっ飛ぶ前は苦痛だったりする。

そんな本音がぼろぼろとこぼれ落ちて、洗いざらい綾斗にぶちまけてから、ハッと気づいて「ごめん、こんな話して」と小さく謝った。

「気にしなくていいよ、本当につらかったんだね、可哀想に、だから暁斗はやめたほうがいいって言ったのに…」

「ははっ、本当だよな、綾斗にも友達にもやめたほうがいいって言われたのに……俺馬鹿だ…」

俯きながらとぼとぼと歩いてると「本当に馬鹿だな、律樹」って前から声が聞こえて、え?っと顔をあげれば綾斗の姿があった。

暁斗と綾斗の家が近いのは知ってたけど、まさか出てくるなんて予想外すぎて、目の前のは本物か?と思わず目を擦った。

「ふふっ、本物だよ、偽物いるとおもってるのかい?」

「いや、だって、タイミングよすぎん?」

「泣きながら電話してきた可愛い後輩を1人にしたくなくてね」

くっそー、これか、これがモテ男の秘訣なのか。
こんなことをサラッと言えるからモテるのは理解した、理解したと同時にやっぱり、綾斗もクズの部類なんだろうな。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

物語なんかじゃない

mahiro
BL
あの日、俺は知った。 俺は彼等に良いように使われ、用が済んだら捨てられる存在であると。 それから数百年後。 俺は転生し、ひとり旅に出ていた。 あてもなくただ、村を点々とする毎日であったのだが、とある人物に遭遇しその日々が変わることとなり………?

離したくない、離して欲しくない

mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。 久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。 そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。 テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。 翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。 そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。

オレに触らないでくれ

mahiro
BL
見た目は可愛くて綺麗なのに動作が男っぽい、宮永煌成(みやなが こうせい)という男に一目惚れした。 見た目に反して声は低いし、細い手足なのかと思いきや筋肉がしっかりとついていた。 宮永の側には幼なじみだという宗方大雅(むなかた たいが)という男が常におり、第三者が近寄りがたい雰囲気が漂っていた。 高校に入学して環境が変わってもそれは変わらなくて。 『漫画みたいな恋がしたい!』という執筆中の作品の登場人物目線のお話です。所々リンクするところが出てくると思います。

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

目標、それは

mahiro
BL
画面には、大好きな彼が今日も輝いている。それだけで幸せな気分になれるものだ。 今日も今日とて彼が歌っている曲を聴きながら大学に向かえば、友人から彼のライブがあるから一緒に行かないかと誘われ……?

繋がれた絆はどこまでも

mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。 そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。 ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。 当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。 それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。 次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。 そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。 その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。 それを見たライトは、ある決意をし……?

紹介なんてされたくありません!

mahiro
BL
普通ならば「家族に紹介したい」と言われたら、嬉しいものなのだと思う。 けれど僕は男で目の前で平然と言ってのけたこの人物も男なわけで。 断りの言葉を言いかけた瞬間、来客を知らせるインターフォンが鳴り響き……?

処理中です...