浮気性のクズ【完結】

REN

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浮気性を治す方法

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綾斗に浮気をしようって誘われてからしばらく経ったある日、友達と遊んだ帰り、近道だからという理由でラブホ街を通ったことを激しく後悔することになった。

暁斗が女とホテルから出てきて悪気もなく普通に俺に話しかけてくるわ、そのまま俺を自分の家に連れ込んで俺をベッドに押し倒してきた。

暁斗からは知らない女性の匂いだか、ホテルの匂いだか知らないが、いつもと違う匂いをさせていて、それが女の人とホテルでSEXしたと思わせると吐き気がする。
心が軋んで痛くてもう限界だった。

そりゃあ、俺は女の子みたいに柔らかくねぇけどさ。

だからって、恋人がいてその恋人が嫌だって言ってんのにやめる気がさらさらねぇって頭イカれてんだろ。

このままじゃ暁斗の浮気性も治らんし、綾斗に誘われてから考えていた賭けに出ることにした。

「どいて」

「はっ?」

暁斗の身体をおしのけて、ベッドからおりると笑顔で振り返った。

いまだ、言うんだと自分を鼓舞して1呼吸おいてから睨むように言葉を紡ぐ。

「いくら言ってもやめてくんねぇし、俺も浮気するから」

「……いいね、律樹もやっと童貞卒業する気になった?」

余裕の表情で俺を茶化す暁斗に芽生えた苛立ちに眉間に皺を刻んで、こんな反応されるなんて予想内だ。

俺が本気で浮気できるなんて思ってない、俺がいつも好き好き言ってるから安心してるんだろう。

さっさと暁斗から離れて玄関まで来れば、追いかけてきた暁斗が「やってかないの?」だってさ。

なにそれ?俺はセフレかよ、ふざけんな、クソ野郎!
呆れたように暁斗を一瞥して「汚い手で俺に触んないでくんね?女を抱いた手で俺に触れるとか無理なんだけど、だから、今日はやんねぇよ」

暁斗がなんか言いかけたけど、無視して玄関を出てエレベーターのところまで歩いてから振り返る。

追いかけても来ないとか、まじクソ野郎だな、なんであんな人好きになったんだろ俺、こんなんされても嫌いになれないとか、終わってんじゃん。

唇をぐっとかみ締めて、涙をこらえて顔を上げてから、ため息を吐き出した。

暁斗は今まで同じ女といるところは見た事がない、浮気しても同じ女とはやってない、愛してるのは俺だけっていうのはたぶん本当なんだろう。

だから、俺は……女と浮気するなんて言ってない、でも、言質はとった。

浮気を許す発言をした、だから、俺が今からやろうとしてることは彼氏公認浮気だ。

まぁ、ふりだけどさ、綾斗に協力してもらって浮気してると思い込ませる。

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