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あれから俺は…
しおりを挟むあれから俺は奏汰を避け続けていた。
理由は簡単、なんかこう奏汰を見るとソワソワして落ち着かなくなったから。
そんなわけで一週間以上は避けてる、同じ家に住んでても俺が女の子と遊んだり、友達の家に泊まったりして家にも帰ってない。
そうやって避け続けた結果、俺は構内で奏汰から逃げようとしたら腕を掴まれて、人気の少ない裏庭に無理矢理連れてこられて、女子憧れの壁ドンをされていた。
うん、奏汰みたいな奴に壁ドンされたら女の子ならきゃーってなるんだろうな。
俺は落ち着かないし、ソワソワするし、目も合わせるのができない。
突き刺さるような鋭い視線に俯くばかりだ。
「悠里なんで俺の事避けんの?」
「きっ、気のせいじゃね?やだなぁ、自意識過剰じゃね?」
「……ふーん、避けてないって言えるんだ?今まで一週間以上も家をあけたことがないのに?」
「それは…その……」
図星を指摘されて、言い逃れを許さないとばかりに言葉を紡がれるとその勢いに言葉尻弱くなる。
今だってなんかみょうに落ち着かないのに…そんなこと本人に言えるわけねぇじゃんか。
顎を掴まれて無理矢理上向かされると、潤んだ瞳でキッと奏汰を睨みつける。
泣きたくないのに泣きそうなのを我慢して堪えてるのに、勘弁して欲しい。
自分でもなんだかよくわかんねぇのに、そんな責めなくてもいいじゃん。
どれもこれも言葉にはせず、頭の中でぐるぐる渦巻いてるだけだった。
自分でもよくわからない、なんで、奏汰を見ると近いとソワソワして落ち着かないのか、今までこんなことは1度もなかった。
奏汰とはめっちゃ気が合うし、一緒にいれば楽しかったし、すげぇ落ち着く場所でもあったはずなのになんで俺は…こんな……まるで、奏汰に恋してるみたいな…なんてあるわけないよな。
俺は女の子のことがめちゃめちゃ好きだし、そりゃあアナニーしちゃってるけど、性的嗜好と恋愛対象は別の話のはずだ。
そう、ちょっとバグってるだけなんだよ、この間の奏汰がやけに色っぽかったから…と頭の中で強烈なまでに刻まれた奏汰の姿を思い出して、ぼぼっと顔が火照って真っ赤に染まる。
それに奏汰が驚いた隙にその場を逃げ出した。
顔の火照りに俺ってもしかして、いやいや、ないない、そんなの無理だ、奏汰はノーマルだ。
俺だってノーマルのはずなのに、俺もしかして奏汰のこと……。
走りながら脳裏に浮かぶ奏汰の興奮しきった表情に走ってるだけじゃない鼓動の高鳴りに俺は焦っていた。
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