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【SS】COLORED④
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すると慌ててその男は、彼から手を離した。
怒りのせいで、かつてないくらい全身が熱くなっているのを感じる。
自分に対して暴力を、振るわれたワケでもないのに。
だけどいつものように明るく軽い口調で、笑顔のまま告げた。
『まぁ俺の事は別に、好きに言えば良いけどさぁ。
また佐瀬に、なんかおかしな真似したら。
……お前ら全員、殺すよ?』
***
この時まで俺の毎日は、いつだってどんよりとくすんだ灰色で。
皆が愛だの恋だのにうつつを抜かし、好きだの嫌いだのと騒ぐのを、ずっと理解出来ずにいた。
だけどこの日、世界が一気に色付いた。
彼を、中心に。……鮮やかに、艶やかに。
不可侵の存在と言われるお前を、めちゃくちゃに犯したい。
ぐちゃぐちゃに壊して、俺しか見えないようにしてやりたい。
初めて自分の中に生まれた、強い欲求。
だけどその想いは無理矢理圧し殺し、封印した。
だって彼の事が、大切だったんだ。
……自分の醜い欲望なんかよりも、もっと、ずっと。
幼なじみの君下と、平凡な。
……だけど誰よりも幸せな一生を、佐瀬は歩めばいい。
お前の人生に、俺は存在しない方がいい。
【…fin】
怒りのせいで、かつてないくらい全身が熱くなっているのを感じる。
自分に対して暴力を、振るわれたワケでもないのに。
だけどいつものように明るく軽い口調で、笑顔のまま告げた。
『まぁ俺の事は別に、好きに言えば良いけどさぁ。
また佐瀬に、なんかおかしな真似したら。
……お前ら全員、殺すよ?』
***
この時まで俺の毎日は、いつだってどんよりとくすんだ灰色で。
皆が愛だの恋だのにうつつを抜かし、好きだの嫌いだのと騒ぐのを、ずっと理解出来ずにいた。
だけどこの日、世界が一気に色付いた。
彼を、中心に。……鮮やかに、艶やかに。
不可侵の存在と言われるお前を、めちゃくちゃに犯したい。
ぐちゃぐちゃに壊して、俺しか見えないようにしてやりたい。
初めて自分の中に生まれた、強い欲求。
だけどその想いは無理矢理圧し殺し、封印した。
だって彼の事が、大切だったんだ。
……自分の醜い欲望なんかよりも、もっと、ずっと。
幼なじみの君下と、平凡な。
……だけど誰よりも幸せな一生を、佐瀬は歩めばいい。
お前の人生に、俺は存在しない方がいい。
【…fin】
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