134 / 149
運命②
しおりを挟む
コイツと将来どうこうなりたいとか、考えた事もない。
それに最初に関係を持った時から、恋愛感情は全くないと伝えている。
「どうしたの?遼河くん。ただの、冗談じゃん!
これまで通り会って、セックス出来たら私は充分だよ?」
繕うようにクスクスと笑いながら言われたけれど俺はにっこりと微笑み、身支度を整えながら告げた。
「セフレの関係は、今日で終わりな。
今まで、ありがと。バイバイ」
***
別の男友達から得た情報を元に、まずは大晴について調べた。
するとあの女の話していた通り、彼はまだ独身で。
……君下とは本当に、付き合った事すらないと判明した。
これまではずっと関わらないよう、意識的に同窓会などは避けてきた。
だけど偶然を装い、君下に近付いた。
そして旧友を懐かしむふりをして、彼女を食事に誘った。
「なら君下、今もまだ独身なんだ?
てっきり佐瀬と、幸せな家庭を築いてるもんだとばかり思ってたわ」
当たり障りのない、世間話の延長的な雰囲気で、笑顔で聞いた。
内心は反吐が出そうなぐらい、不快だったけれど。
すると彼女は当時と変わらぬ残酷なまでの無邪気さで、笑って答えた。
「うん、独身だよ。バリバリ、婚カツ中!
でもなかなか私の理想に合う人って、居なくて。
別に高望みしてるワケじゃ、ないんだけどねぇ」
あんなにも大晴に想われていたのに、そんな言葉を口にするこの女に、苛立ちが増していく。
しかしそんなのは俺の、身勝手な嫉妬だ。
「私の誕生日が来たら、本当に大晴に逆プロポーズしてみようかな?」
ほろ酔いで、にへらと笑って言われた言葉に、心臓が止まるかと思った。
それに最初に関係を持った時から、恋愛感情は全くないと伝えている。
「どうしたの?遼河くん。ただの、冗談じゃん!
これまで通り会って、セックス出来たら私は充分だよ?」
繕うようにクスクスと笑いながら言われたけれど俺はにっこりと微笑み、身支度を整えながら告げた。
「セフレの関係は、今日で終わりな。
今まで、ありがと。バイバイ」
***
別の男友達から得た情報を元に、まずは大晴について調べた。
するとあの女の話していた通り、彼はまだ独身で。
……君下とは本当に、付き合った事すらないと判明した。
これまではずっと関わらないよう、意識的に同窓会などは避けてきた。
だけど偶然を装い、君下に近付いた。
そして旧友を懐かしむふりをして、彼女を食事に誘った。
「なら君下、今もまだ独身なんだ?
てっきり佐瀬と、幸せな家庭を築いてるもんだとばかり思ってたわ」
当たり障りのない、世間話の延長的な雰囲気で、笑顔で聞いた。
内心は反吐が出そうなぐらい、不快だったけれど。
すると彼女は当時と変わらぬ残酷なまでの無邪気さで、笑って答えた。
「うん、独身だよ。バリバリ、婚カツ中!
でもなかなか私の理想に合う人って、居なくて。
別に高望みしてるワケじゃ、ないんだけどねぇ」
あんなにも大晴に想われていたのに、そんな言葉を口にするこの女に、苛立ちが増していく。
しかしそんなのは俺の、身勝手な嫉妬だ。
「私の誕生日が来たら、本当に大晴に逆プロポーズしてみようかな?」
ほろ酔いで、にへらと笑って言われた言葉に、心臓が止まるかと思った。
0
お気に入りに追加
967
あなたにおすすめの小説
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
【完結】「奥さまは旦那さまに恋をしました」〜紫瞠柳(♂)。学生と奥さまやってます
天白
BL
誰もが想像できるような典型的な日本庭園。
広大なそれを見渡せるどこか古めかしいお座敷内で、僕は誰もが想像できないような命令を、ある日突然下された。
「は?」
「嫁に行って来い」
そうして嫁いだ先は高級マンションの最上階だった。
現役高校生の僕と旦那さまとの、ちょっぴり不思議で、ちょっぴり甘く、時々はちゃめちゃな新婚生活が今始まる!
……って、言ったら大袈裟かな?
※他サイト(フジョッシーさん、ムーンライトノベルズさん他)にて公開中。
【完結】奇跡の子とその愛の行方
紙志木
BL
キリトには2つの異能があった。傷を癒す力と、夢見の力。養親を亡くしたキリトは夢に導かれて旅に出る。旅の途中で魔狼に襲われこれまでかと覚悟した時、現れたのは美丈夫な傭兵だった。
スパダリ攻め・黒目黒髪華奢受け。
きわどいシーンはタイトルに※を付けています。
2024.3.30 完結しました。
----------
本編+書き下ろし後日談2話をKindleにて配信開始しました。
https://amzn.asia/d/8o6UoYH
書き下ろし
・マッサージ(約4984文字)
・張り型(約3298文字)
----------
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
みにくい凶王は帝王の鳥籠【ハレム】で溺愛される
志麻友紀
BL
帝国の美しい銀獅子と呼ばれる若き帝王×呪いにより醜く生まれた不死の凶王。
帝国の属国であったウラキュアの凶王ラドゥが叛逆の罪によって、帝国に囚われた。帝都を引き回され、その包帯で顔をおおわれた醜い姿に人々は血濡れの不死の凶王と顔をしかめるのだった。
だが、宮殿の奥の地下牢に幽閉されるはずだった身は、帝国に伝わる呪われたドマの鏡によって、なぜか美姫と見まごうばかりの美しい姿にされ、そのうえハレムにて若き帝王アジーズの唯一の寵愛を受けることになる。
なぜアジーズがこんなことをするのかわからず混乱するラドゥだったが、ときおり見る過去の夢に忘れているなにかがあることに気づく。
そして陰謀うずくまくハレムでは前母后サフィエの魔の手がラドゥへと迫り……。
かな~り殺伐としてますが、主人公達は幸せになりますのでご安心ください。絶対ハッピーエンドです。
釣った魚、逃した魚
円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。
王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。
王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。
護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。
騎士×神子 攻目線
一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。
どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。
ムーンライト様でもアップしています。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる