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運命②

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 コイツと将来どうこうなりたいとか、考えた事もない。
 それに最初に関係を持った時から、恋愛感情は全くないと伝えている。

「どうしたの?遼河くん。ただの、冗談じゃん!
 これまで通り会って、セックス出来たら私は充分だよ?」

 繕うようにクスクスと笑いながら言われたけれど俺はにっこりと微笑み、身支度を整えながら告げた。

「セフレの関係は、今日で終わりな。
 今まで、ありがと。バイバイ」

***

 別の男友達から得た情報を元に、まずは大晴について調べた。
 するとあの女の話していた通り、彼はまだ独身で。
 ……君下とは本当に、付き合った事すらないと判明した。

 これまではずっと関わらないよう、意識的に同窓会などは避けてきた。
 だけど偶然を装い、君下に近付いた。
 そして旧友を懐かしむふりをして、彼女を食事に誘った。

「なら君下、今もまだ独身なんだ?
 てっきり佐瀬と、幸せな家庭を築いてるもんだとばかり思ってたわ」

 当たり障りのない、世間話の延長的な雰囲気で、笑顔で聞いた。
 内心は反吐が出そうなぐらい、不快だったけれど。
 すると彼女は当時と変わらぬ残酷なまでの無邪気さで、笑って答えた。

「うん、独身だよ。バリバリ、婚カツ中!
 でもなかなか私の理想に合う人って、居なくて。
 別に高望みしてるワケじゃ、ないんだけどねぇ」

 あんなにも大晴に想われていたのに、そんな言葉を口にするこの女に、苛立ちが増していく。
 しかしそんなのは俺の、身勝手な嫉妬だ。

「私の誕生日が来たら、本当に大晴に逆プロポーズしてみようかな?」

 ほろ酔いで、にへらと笑って言われた言葉に、心臓が止まるかと思った。
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