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江ノ島ドライブ①

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「じゃあ俺はまた会社に戻って、仕事してくるわ。
 誘ってくれてありがとな、大晴。遼河も、飯スッゲェ美味かった!」

 遼河くんの用意してくれた少し遅めの朝食を三人で摂り終わると、知之が大きく伸びをしながら言った。

「ホント、忙しいんだね。
 うん、お疲れ様。仕事、頑張ってね」

「はぁ……けど行くの、なんかだりぃ……。
 お前らだけ休みとか、なんかズルくね?」
 
 再び机に突っ伏して、拗ねる知之。 
 ……けど、ズルいってなんだよ?子供か!

 呆れながらも、つい吹き出した。
 すると遼河くんが車のキーを手に、ニッと笑った。

「まぁ俺らはお前と違って、比較的規則正しい生活してるから。
 でも、しゃーねぇなぁ。俺様が特別に、送ってやるよ」

 その言葉に反応し、ガバッと顔をあげる知之。

「マジで!?スッゲェ、嬉しい。
 ……ならあと10分は、ダラダラ出来るな」

 本当に、現金な男である。

「あまりギリギリに、ならないようにね?
 もしかしたら道路が、混んでるかも知れないんだし」

 クスクスと、笑う僕。
 すると遼河くんは、ニヤリと笑って言った。

「何を他人事みたいに、言ってんの?
 早く、用意しろよ。お前も一緒に、行くんだよ!」

***

 知之を、会社の前まで送ってから。
 彼に言われ、僕は後部座席からいつもの助手席へと移動した。
 
 ちなみに最初車に乗り込む際、いつもの癖で当たり前みたいに運転席の隣に座りそうになり、お前も後ろの席だろうと知之に思いっきり突っ込まれてしまった。

 そしてそんな僕らのやり取りを無言のままただ見ていた遼河くんの肩が、笑いをこらえてフルフルと小刻みに震えていたような気がしたのはきっと、気のせいではないだろう。
 ……慣れって、こわい。
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