上 下
38 / 149

欲情連鎖⑤

しおりを挟む
 二本の指で掻き回され、中を拡げられていくのを感じる。
 これは僕を気持ちよくさせてくれるだけでなく、早乙女くんが僕の中に入るための準備。
 なのに不快感は、不思議ともう無かった。
 
「ん……上手だね、大晴。
 三本目も、飲み込めた」
 
 でろっでろに甘い、早乙女くんの声。
 その誉め言葉が嬉しくて、自然と顔の筋肉が緩んだ。

「ほら、ちょっと力んでみ?
 その方が、より感覚が伝わると思うから」

 言われた通り、力を込めると、僕の中にいる彼の指の感覚がよりダイレクトに感じられた気がした。

 だけどあまりの気持ち良さに大きな声が出そうになったから、慌てて唇を噛んだ。

「なぁ、大晴?
 今の俺とお前の関係って、ただのセフレだろ?
 だったらさぁ……もっと乱れて、欲に溺れてみたら?」

 まだ理性を完全には捨て切れず声を抑えようとする僕に、早乙女くんは笑って囁いた。

 でも素面だった事もあり、恥ずかしい方が勝っていたから、ブンブンと大きく左右に首を振り、イヤだと必死に訴える。

 すると彼は意地悪く口角を上げ、僕が指で触られて一番感じるところ……つまり、入り口の少し奥にある場所を、指先で執拗なほど攻め立てた。

「やぁ……、そこ駄目……!」

「駄目、じゃねぇよ。
 そんなの、許すワケがないだろ?」

 あまりの快楽に堪えきれず、溢れ出した涙。
 その涙を唇で拭い、クスリと妖艶に笑うと、彼は僕の意思は完全に無視したまま告げた。

「気持ちいいのも、イヤなわけ?
 でもイった方がお前、素直になるしな。
 逝き過ぎてまた、この間みたいに馬鹿になっちゃえば?」

 必死に抵抗しようとすればする程、ますます楽しそうに笑う彼。
 
「アハハ、何を勝手に我慢しようとしてんの?
 お前に拒否権は、ねぇんだよ。
 ほら、一回目……イけよ、大晴」
 
 カリ、と胸の先端に軽く歯を立てられて。
 ……言われるがまま、体は僕ではなく彼に従い、あっさり達してしまった。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

お客様と商品

あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

【完結】奇跡の子とその愛の行方

紙志木
BL
キリトには2つの異能があった。傷を癒す力と、夢見の力。養親を亡くしたキリトは夢に導かれて旅に出る。旅の途中で魔狼に襲われこれまでかと覚悟した時、現れたのは美丈夫な傭兵だった。 スパダリ攻め・黒目黒髪華奢受け。 きわどいシーンはタイトルに※を付けています。 2024.3.30 完結しました。 ---------- 本編+書き下ろし後日談2話をKindleにて配信開始しました。 https://amzn.asia/d/8o6UoYH 書き下ろし ・マッサージ(約4984文字) ・張り型(約3298文字) ----------

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

みにくい凶王は帝王の鳥籠【ハレム】で溺愛される

志麻友紀
BL
帝国の美しい銀獅子と呼ばれる若き帝王×呪いにより醜く生まれた不死の凶王。 帝国の属国であったウラキュアの凶王ラドゥが叛逆の罪によって、帝国に囚われた。帝都を引き回され、その包帯で顔をおおわれた醜い姿に人々は血濡れの不死の凶王と顔をしかめるのだった。 だが、宮殿の奥の地下牢に幽閉されるはずだった身は、帝国に伝わる呪われたドマの鏡によって、なぜか美姫と見まごうばかりの美しい姿にされ、そのうえハレムにて若き帝王アジーズの唯一の寵愛を受けることになる。 なぜアジーズがこんなことをするのかわからず混乱するラドゥだったが、ときおり見る過去の夢に忘れているなにかがあることに気づく。 そして陰謀うずくまくハレムでは前母后サフィエの魔の手がラドゥへと迫り……。 かな~り殺伐としてますが、主人公達は幸せになりますのでご安心ください。絶対ハッピーエンドです。

釣った魚、逃した魚

円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。 王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。 王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。 護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。 騎士×神子  攻目線 一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。 どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。 ムーンライト様でもアップしています。

旦那様と僕

三冬月マヨ
BL
旦那様と奉公人(の、つもり)の、のんびりとした話。 縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む感じで、のほほんとして頂けたら幸いです。 本編完結済。 『向日葵の庭で』は、残酷と云うか、覚悟が必要かな? と思いまして注意喚起の為『※』を付けています。

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

処理中です...